※このページは、[IUCNレッドリスト]世界の絶滅危惧生物図鑑(2014年版)に基づいて制作した個人ブログです。
Hi, this is 鶏人|Keijin.
The Livingstone’s fruit bat (scientific name: Pteropus livingstonii—I’ll just stick to calling them Livingstone’s fruit bats from here on out) was listed as “EN” (Endangered) in a 2014 wildlife encyclopedia. This was mainly due to deforestation, the loss of their large roosting trees, their super small habitat range, and how vulnerable they are to natural disasters like cyclones.
Fast forward to 2026, and if you check the IUCN Red List, their status hasn’t changed. They’re still stuck at “EN”, just like back in 2014.
Recently, though, there’s been some real progress. Thanks to things like the discovery of new roosts, GPS tracking, biannual population counts, forest conservation agreements, and captive breeding programs, their status—which temporarily dropped to “CR” (Critically Endangered) in 2016—was moved back up to “EN” in the 2024 assessment. But don’t get me wrong, they aren’t out of the woods yet. Forest degradation and their tiny habitat range are still huge problems today.
I think the reality for these bats right now is basically: “The forest remains, but the crisis remains.”
This is a quick read that should only take about 5 minutes. I’d really appreciate it if you could stick around until the end.
こんにちは、鶏人|Keijinです。
コモロオオコウモリ(リビングストンオオコウモリ、学名:Pteropus livingstonii。以下、コモロオオコウモリ)は、2014年の図鑑では、森林減少、ねぐらとなる大木の消失、分布域の狭さ、サイクロンなどの自然災害への脆弱性などから「EN:絶滅危惧」と評価されていました。
そして、2026年時点で確認できるIUCNレッドリストの評価も、2014年と変わらず、「EN:絶滅危惧」のままでした。
近年は、新たなねぐらの発見、GPS追跡、年2回の個体数調査、森林保全協定、飼育下繁殖などの取り組みが進み、2016年に一時「CR:深刻な危機」とされた評価は、2024年評価で再び「EN:絶滅危惧」へ戻りました。ただし、森林劣化や分布域の狭さは今も残っており、安全になったわけではありません。
コモロオオコウモリは今も、「森は残り、危機も残る」状態なのだと思います。
この記事は短く、5分で読めます。
よかったら最後まで読んでください。
※2026年時点で、IUCNレッドリストにおける最新評価は2024年評価(2025年公開)です(以降の更新は、現時点では確認できていません)。
※本記事は専門家による学術的な評価ではなく、公開された資料に基づく個人の調査・見解を含みます。
※IUCN評価は「世界全体」と「地域・個体群」で分かれる場合があります。地域によって状況は異なります。
最新かつ正確な分類や保全状況については、IUCN公式サイトなどをご確認ください。
参考:IUCN Red List(学名:Pteropus livingstonii)
減少する絶滅危惧種:コモロオオコウモリを脅かす森林破壊とサイクロン
⬇︎コモロオオコウモリの生態(基本情報)です。必要なら開いてください。

確認した限り、2026年現在として使うべき最新情報は、IUCNの2024年12月評価・2025年公表版です。現在はCRではなくENで、個体群傾向はStableと扱われています。これは「安全になった」というより、2016〜2023年の継続調査で個体数が安定している証拠が集まり、2016年のCRからENへ再評価された、という理解が近いです。(IUCN Red List)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 和名 | リビングストンオオコウモリ。日本語では情報源が少なく、リビングストンフルーツコウモリ、リビングストンフルーツバットのように説明的に訳される場合もある。 |
| 英名 | Livingstone’s Flying Fox。別名として Livingstone’s fruit bat、Comoro Flying Fox、Comoro black flying fox も使われる。IUCNでは Livingstone’s Flying Fox、保全団体では Livingstone’s fruit bat の使用も多い。 |
| 学名 | Pteropus livingstonii。命名者は Gray, 1866。Mammal Diversity Databaseでは有効種として扱われる。 |
| 分類 | 動物界、脊索動物門、哺乳綱、翼手目、オオコウモリ科、オオコウモリ属。果実食の大型コウモリ、いわゆるフライングフォックスの仲間。 |
| 分布 | コモロ連合のアンジュアン島、別名ヌズワニ島と、モヘリ島、別名ムワリ島に限られる固有種。世界中でこの2島だけに自然分布する。 |
| 生息環境 | 主に山地性・高地性の森林。密な森林、急斜面、谷沿い、風や直射を避けやすい場所の樹上をねぐらにする。近年の調査では、アンジュアン島の既知ねぐらはおおむね標高400m以上、モヘリ島では230m以上にある。 |
| 体の特徴 | 黒〜黒褐色の体毛を持ち、腰・腹側・肩に金色〜黄褐色の毛が混じる個体がある。丸い耳、大きな赤橙色〜銅色の目が目立つ。尾はほとんどない。 |
| 大きさ | 体重はおよそ500〜800g、体長は約30cm、翼開長は最大約1.5m前後。大型の果実食コウモリだが、世界最大級のオオコウモリ類ほど極端に巨大ではない。 |
| 食性 | 果実食が中心。乾季には食物の選択性が高まり、イチジク類、特に Ficus lutea が重要とされる。雨季には利用できる果実が増え、より多様な果実を食べる。花も利用する。 |
| 行動 | 夜行性または薄明薄暮性。日中は樹上で休み、夕方から夜に採食する。小規模なねぐら集団、ハーレム状の集団を作る。長距離移動というより、島内の森林・果樹・ねぐらを季節的に使い分ける。 |
| 繁殖 | 年1回繁殖するとされる。繁殖期はおおむね1〜6月、妊娠期間は4〜6か月、7〜10月ごろに1頭を出産する。子は4〜6か月ほどで離乳し、独立まで約1年かかるとされる。 |
| 生態的役割 | 種子散布者、場合によっては送粉者として重要。コモロの森林再生に関わる大型在来哺乳類であり、島の森林生態系ではキーストーン種に近い役割を持つ可能性がある。 |
| 現在のIUCN評価 | EN、絶滅危惧。評価基準はB1ab(i,ii,iii)+2ab(i,ii,iii)。2024年12月1日評価、2025年公表。個体群傾向はStable。 |
| 個体数 | IUCN表示では成熟個体数は約1,200〜1,500。2024年の研究では、アンジュアン島で約1,200〜1,500頭、モヘリ島で約300〜400頭と推定されている。ただしこれは調査条件・季節・成熟個体の扱いで数字の見え方が変わる。 |
| 脅威 | 最大の脅威は森林減少。自給農業、農地化、木材利用により、ねぐら木と採食場所が失われている。サイクロンなどの激しい気象現象も、小さな2島に限られる本種には大きなリスクになる。 |
| 狩猟との関係 | 多くのオオコウモリ類と違い、本種では狩猟が主因とはされていない。主因は森林の喪失と劣化。ただし、森林奥地へのアクセスが増えれば将来的な人為圧が増える可能性はある。 |
| 保全活動 | コモロのNGO Dahari、Bat Conservation International、国立公園関係者などが、個体数調査、GPS追跡、ねぐら・採食木の特定、土地所有者との保全協定、森林再生に取り組んでいる。2025年時点で、既知の26ねぐらのうち7か所が保全協定で守られていると報告されている。 |
| 図鑑でENだった点の整理 | 図鑑がENと書いている場合、2008年IUCN評価のENを参照していた可能性が高い。その後、2016年評価でCRになり、最新の2024年評価・2025年公表版で再びENに戻った。つまり「図鑑が間違い」と単純には言えず、評価時点の違いによるズレと考えるのが自然。 |
| 現在の見方 | CRからENに下がったため一見よくなったように見えるが、生息地は狭く、2島限定で、森林減少も続く。危機が消えたのではなく、長期モニタリングによって「個体数は想定より安定している」と判断された段階。依然として絶滅危惧種である。 |
出典
- IUCN Red List — Livingstone’s Flying Fox / Pteropus livingstonii: https://www.iucnredlist.org/species/18732/276948980
- BMC Ecology and Evolution — Seasonal trends and population status of the highly threatened Pteropus livingstonii in the Comoros archipelago: https://link.springer.com/article/10.1186/s12862-024-02255-w
- Bat Conservation International — Rare Livingstone’s Fruit Bat Downlisted by IUCN: https://www.batcon.org/press/rare-livingstones-fruit-bat-downlisted-by-iucn/
- Bat Conservation International — Conservation of Livingstone’s Fruit Bats in Comoros: https://www.batcon.org/our-work/endangered-species-interventions/saving-livingstones-fruit-bat/
- Animal Diversity Web — Pteropus livingstonii, Comoro black flying fox: https://animaldiversity.org/accounts/Pteropus_livingstonii/
最終評価2024年:コモロオオコウモリ「EN:絶滅危惧」
コモロ連合はその森林の多くをすでに失い、さらに現在も世界有数の森林減少率に悩まされてもいる。この種の存続は、さらなる森林減少の影響を受ける可能性が高い。ねぐらとなる木の消失や、サイクロンのような自然現象にも影響される。
出典:訳者 岩槻邦男、太田英利 / 発行者 池田和博 / タイトル『IUCNレッドリスト世界の絶滅危惧生物図鑑』/ 発行所 丸善出版株式会社 / 発行 2014/01/31 / © Kunio Iwatsuki, Hidetoshi Ota, 2014

調べたところ、2014年図鑑の警告はかなり生きています。違いは、「2014年のEN」から一度「2016年にCR」へ上がり、その後、長期モニタリングと新しいねぐらの発見で「2024年評価・2025年公開のEN」に戻った点です。つまり、危機が消えたのではなく、「思っていたより個体群の全体像が見えてきた」という再評価です。Dahariは、2013年以降の調査データと年2回の継続調査により、個体群が安定していることが見えてきたと説明しています。(Dahari)
| 項目 | 2014年の図鑑 | 現在(2026年確認) |
|---|---|---|
| 種名 | コモロオオコウモリ。英名はLivingstone’s Flying Fox。学名はPteropus livingstonii Gray。 | 現在も学名はPteropus livingstonii。英語ではLivingstone’s flying foxのほか、Livingstone’s fruit batも多く使われる。 |
| 分類 | オオコウモリ科。 | オオコウモリ科の大型果実食コウモリ。コモロ諸島固有の非常に分布域が狭い種。 |
| IUCNカテゴリー | 絶滅危惧IB類、ENとして掲載。 | 最新評価ではEN。評価日は2024年12月1日、公開年は2025年。2016年にはCRだったが、2025年にENへ再分類された。 |
| 2014年EN表記の読み方 | 図鑑刊行時点ではENとして扱われていた。 | 矛盾ではなく、流れとしては「2008年EN → 2016年CR → 2024年評価でEN」。図鑑は2016年CR化の前の情報を反映していた可能性が高い。 |
| 現在のENの意味 | ENなので、すでに強い絶滅リスクがある種として紹介されている。 | ENに戻ったが、安全になったわけではない。Dahariも、再分類は保全活動の直接成果というより、新しいねぐら発見と定期調査で個体数と安定性がより正確に分かったためだと説明している。 |
| 評価基準 | 図鑑では一般向けにENとして示され、細かい基準までは本文の中心ではない。 | IUCN表示ではB1ab(i,ii,iii)+2ab(i,ii,iii)。分布域と占有面積が小さく、分布範囲・生息地面積・生息地の質の継続的低下が問題になっている。 |
| 分布 | コモロ連合のアンジュアン島とムワリ島、つまり現在の表記でいうモヘリ島に生息。 | 現在もアンジュアン島とモヘリ島のみ。分布は極端に限定され、IUCN表示では生息範囲EOOが約1,602平方km、占有面積AOOが約356平方km。 |
| 生息環境 | 急峻な火山の斜面の森に生息すると説明。 | 依然として森林依存性が強い。2026年のGPS追跡研究紹介では、重要な採食地は高木被覆のある森林とアグロフォレストリーに多いとされる。(Dahari) |
| 個体数 | およそ1,000個体が生息していると記載。 | BMC Ecology and Evolutionの2024年論文では、アンジュアン島に約1,200〜1,500頭、モヘリ島に約300〜400頭と推定。ただしIUCN表示では成熟個体数1,200〜1,500とされ、資料により「総個体数」と「成熟個体数」の扱いに差がある。(Springer) |
| 個体群動向 | 森林減少の影響を受け、将来的にさらに危険になる可能性が示されている。 | 2016〜2023年の標準化された年2回調査では、少なくとも主個体群のアンジュアン島で有意な増減は確認されず、全体として安定傾向とされた。ただし、これは「増えて安心」ではなく「狭い範囲で踏みとどまっている」に近い。 |
| 森林減少 | コモロ連合は森林の多くを失い、世界有数の森林減少率に悩まされていると記載。 | この警告は現在もほぼそのまま有効。アンジュアン島では1995〜2014年に天然林の約80%が失われたとされ、Dahariの2026年記事では島の面積のうち intact forest cover は約10%のみと説明されている。(Dahari) |
| ねぐらとなる木 | ねぐらとなる木の消失が脅威として挙げられている。 | 現在も核心的な脅威。ねぐらは樹林地にあり、大きな在来樹や高木が重要。2025年時点で知られているねぐらは26か所、うち7か所がDahariの保全協定で保護されている。 |
| サイクロンの影響 | サイクロンのような自然現象にも影響されると記載。 | 現在の調査でもサイクロンの影響は確認されている。2019年のサイクロンKenneth後には確認数が大きく落ち込み、その後約12か月で回復傾向を示した。島が小さいため、強いサイクロンは今も重大な一撃になりうる。(Springer) |
| 主な人為的脅威 | 森林減少、ねぐら木の消失、森林生態系の劣化。 | 主因は変わらず、農地拡大、生計農業、木材利用による森林喪失。なお、この種は他のオオコウモリ類と違い、狩猟が主要脅威ではないとされる点が特徴。 |
| 生態系での役割 | 授粉や種子の拡散を通じ、森林生態系で重要な役割を果たすと記載。 | 現在もその理解は重要。島の大型在来哺乳類として、種子散布や森林再生に関わるキーストーン的な存在とみられる。失われれば、森林の回復力そのものがさらに落ちる可能性がある。 |
| 保全活動 | 森林保護区域の設定、英国の動物園での飼育下繁殖プログラムに言及。 | 現在はDahari、Bat Conservation International、国立公園、地域住民による年2回調査、GPS追跡、ねぐら・採食地の特定、農家との保全協定が進んでいる。 |
| 飼育下繁殖 | 英国動物園の繁殖プログラムが、野生下での最悪の事態を避ける可能性として紹介されている。 | 飼育下繁殖は現在も重要な保険的役割を持つ。2024年の研究では、1990年代初期にJersey Zooで始まった飼育繁殖個体群について、30年後も野生個体群に近い遺伝的多様性を維持していると報告された。(PubMed) |
| 保全の進展 | 期待はあるが、森林減少への懸念が強い状態。 | 進展はある。新しいねぐらの発見、GPS追跡、長期モニタリング、保全協定、農家への支援などにより、以前より現場の解像度は高くなった。ただし、森林そのものの劣化が止まったわけではない。 |
| 2014年図鑑の記述の妥当性 | 森林減少、ねぐら木の消失、サイクロンへの脆弱性を指摘。 | 2026年時点でも、図鑑の危機感は古くなっていない。むしろ現在のデータは、「この種はまだ残っているが、残っている場所があまりにも狭い」ことをより具体的に示している。 |
| 総合評価 | 世界でも大きく、危機に瀕したコウモリとして紹介。 | 現在は「絶滅寸前から救われた」ではなく、「極度に狭い島の森林で、かろうじて安定していることが分かった」状態。森林破壊や大型サイクロンが重なれば、再びCR相当へ悪化する余地は十分にある。 |
出典
- IUCN Red List — Pteropus livingstonii 検索ページ
https://www.iucnredlist.org/search?query=Pteropus%20livingstonii&searchType=species - BMC Ecology and Evolution — Seasonal trends and population status of the highly threatened Pteropus livingstonii in the Comoros archipelago
https://link.springer.com/article/10.1186/s12862-024-02255-w - Dahari — Livingstone’s fruit bat reclassified as Endangered thanks to better population data
https://daharicomores.org/en/la-roussette-de-livingstone-reevaluee-dans-la-categorie-en-danger-grace-a-de-meilleures-donnees-sur-sa-population/ - Dahari — GPS-tagged Livingstone’s fruit bats study results
https://daharicomores.org/en/the-results-of-our-study-on-livingstones-fruit-bats-with-gps-tags/ - PubMed — Thirty years of conservation breeding: Assessing the genetic diversity of captive Livingstone’s fruit bats
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/38837463/
コモロオオコウモリは、2014年の図鑑ではENとして掲載され、森林減少、ねぐら木の消失、サイクロンの影響が大きな脅威として示されていた。現在も最新IUCN評価ではENであり、危機が解消されたわけではない。2016年には一時CRへ悪化したが、継続調査や新たなねぐらの発見により、個体群はおおむね安定していると再評価された。ただし、分布はアンジュアン島とモヘリ島に限られ、森林劣化も続くため、強いサイクロンやさらなる伐採が重なれば、再び深刻化する可能性が高い。
⬇︎コモロオオコウモリの保護活動の種類です。必要なら開いてください。
確認できる範囲では、2025年にIUCNで「Critically Endangered」から「Endangered」へ引き下げられたとBat Conservation Internationalが発表していますが、これは「安全になった」という意味ではなく、個体群が安定傾向にある証拠が出てきた一方で、森林伐採・ねぐら木の伐採・農地拡大・サイクロン・地すべりなどの脅威はなお強い、という位置づけです。(Bat Conservation International)
| 保護活動の種類 | 内容 | 実施・提案の状況 | 重要度 | 補足 |
|---|---|---|---|---|
| ねぐら保護 | 日中に集団で休むローストサイトを守る | 実施中・強化必要 | 最重要 | 本種は限られた大木・谷地形・森林斜面のねぐらに依存するため、ねぐら木の伐採は直接的な脅威になる |
| ねぐら木の伐採防止 | ねぐらに使われる大木や周辺樹木を切らないよう管理する | 実施中・必要 | 最重要 | Bat Conservation International は、アンジュアン島で2010年以降少なくとも3つのねぐらが伐採・農地化で失われたと説明している |
| ねぐら周辺の緩衝地帯 | ねぐら周辺に伐採・農地化・騒音・人の立入を抑える区域を設ける | 必要 | 最重要 | ねぐらそのものだけでなく、周囲の樹冠、風よけ、谷地形、水系、採食地への移動路も重要 |
| ねぐら位置の慎重管理 | ねぐらの詳細位置を必要以上に公開しない | 必要 | 高い | 直接採集圧が主脅威ではないが、攪乱、伐採、観光圧を避けるため、詳細位置の扱いは慎重でよい |
| 長期ねぐらモニタリング | 同じねぐらを継続的に数え、季節変動と個体群傾向を把握する | 実施中 | 最重要 | 2024年研究では、2016〜2022年にアンジュアン島の12か所の長期ねぐらで個体数変動が調べられている |
| 季節変動を考慮した調査 | 短期間の一斉カウントだけで個体数を判断しない | 実施・必要 | 高い | 本種はねぐら間を移動するため、短い期間の調査では個体数を過大・過小評価する可能性がある |
| 未確認ねぐらの探索 | 新しいねぐらや過去に見落とされたねぐらを探す | 実施中 | 高い | Bat Conservation International と Dahari は、GPS追跡により新たなねぐらや採食地を特定している |
| 採食地の保護 | 果実・花蜜・花粉を供給する森林やアグロフォレストリーを守る | 実施中・必要 | 最重要 | 2007年行動計画では、ねぐらだけでなく採食地の保護も主要目標に含まれている |
| 採食樹の保護 | 在来果樹、花をつける樹木、森林内の高木を守る | 必要 | 最重要 | 大型オオコウモリは広範囲を飛び、果実・花蜜資源の季節変動に依存する |
| 森林保全協定 | 重要なねぐら・採食地を持つ土地所有者や農家と保全協定を結ぶ | 実施・拡大中 | 最重要 | 2026年のDahari関連情報では、重要採食地や新規ねぐらを森林保全協定プログラムへ組み込む方向が示されている |
| コミュニティ保全区域 | 地域住民が管理する森林保全区域をつくる | 実施中 | 高い | 2017年のOryx論文では、Dahariによる community-conserved areas の整備が進められているとされる |
| アンジュアン島の森林保全 | アンジュアン島の山地林・谷沿い林・農林複合地を守る | 実施中・強化必要 | 最重要 | 現在の重要ねぐらの多くはアンジュアン島にあり、同島では森林減少と農地化が強い |
| モヘリ島の森林保全 | モヘリ島の残存森林とモヘリ国立公園周辺を保護する | 実施中・強化必要 | 高い | モヘリ島にも本種のねぐらが残り、Dahariの戦略ではモヘリ国立公園との連携拡大が示されている |
| 山地林の保護 | 標高の高い湿潤林・谷地形・急斜面林を守る | 最重要対策 | 最重要 | 本種はアンジュアン島では主に標高400〜1000m前後のねぐらに集中するとされる |
| 急斜面林の保護 | 伐採や農地化が進みにくい急斜面の森林を残す | 必要 | 高い | ねぐらは谷や急斜面、風を避けられる地形に多く、地すべりや伐採の影響を受けやすい |
| 水系周辺林の保全 | 恒常的な水流や谷沿いの森林を守る | 必要 | 高い | 古いねぐら研究では、水系や谷地形の近くがねぐら条件として重要とされる |
| 在来森林の保全 | 外来樹種や単純な農地ではなく、在来樹木の多い森林を守る | 必要 | 最重要 | 本種は自然林や樹冠の発達した森林・農林複合地を利用する |
| アグロフォレストリーの保全 | 果樹・木陰・高木を残す農地利用を維持する | 実施・必要 | 高い | GPS追跡では、採食地は森林と高木被覆のあるアグロフォレストリーに多いとされる |
| 農地内樹木の保護 | 農地の中の大木、果樹、在来樹を伐らずに残す | 必要 | 高い | 完全な自然林だけでなく、樹木の多い農地景観も採食地として機能する |
| 森林再生 | 劣化した山地林やねぐら周辺の森林を回復させる | 実施・必要 | 最重要 | ねぐら木・採食樹・風よけ樹冠を再生するには長期的な植林と保護が必要 |
| 在来樹種の植林 | 果実・花・樹冠を提供する在来樹を植える | 実施・必要 | 高い | 単なる植林ではなく、本種の採食・ねぐらに役立つ樹種選定が重要 |
| 苗木育成 | 地域で在来樹木や有用樹種の苗を育てる | 実施・必要 | 中〜高 | 地域参加型の森林回復と、農地での樹木維持に役立つ |
| 森林伐採対策 | 農地拡大、薪・建材採取、炭焼きによる森林減少を抑える | 実施中・強化必要 | 最重要 | 本種の最大脅威は森林喪失と劣化である |
| 焼畑・農地拡大の抑制 | 山地林を農地へ変える圧力を下げる | 必要 | 最重要 | コモロでは人口増加、貧困、農地需要が森林伐採を進める要因になっている |
| 代替生計支援 | 森林伐採に頼らず生活できる収入源を作る | 実施・必要 | 高い | 森林を守るには、住民の生活圧力を下げる対策が不可欠 |
| 持続可能な農業 | 既存農地の生産性を高め、新たな森林開墾を減らす | 実施・必要 | 高い | 農地不足が森林開墾につながるため、農業改善は保全策そのものになる |
| 土壌保全 | 急斜面の裸地化、浸食、地すべりを防ぐ | 必要 | 高い | ねぐら地は急斜面や谷地形に多く、森林伐採後の地すべりはねぐら消失につながる |
| 地すべりリスク管理 | ねぐら周辺の伐採、農地化、斜面攪乱を避ける | 必要 | 高い | Oryx論文では、地すべりや農地化で影響を受けたねぐら写真が示されている |
| サイクロン後の緊急対応 | サイクロンで倒木・ねぐら消失が起きた後に調査・復旧する | 必要 | 高い | 島嶼性の本種は暴風雨によるねぐら喪失に弱い |
| 気候変動影響評価 | サイクロン強度、森林乾燥、食物資源変動への影響を評価する | 必要 | 中〜高 | 小さな島の山地林に限られるため、気候変動による極端現象の影響を受けやすい |
| 重要採食地のGPS追跡 | GPSロガーで夜間の移動・採食地を特定する | 実施中 | 最重要 | 2021年以降のGPS研究により、保護すべき採食地と移動範囲の把握が進んでいる |
| 行動圏調査 | ねぐらからどの範囲まで移動し、どの土地利用を使うか調べる | 実施中 | 高い | 保全区域をねぐら周辺だけに限定しないために重要 |
| 移動回廊の保全 | ねぐらと採食地の間に残る樹木帯・森林パッチを維持する | 必要 | 高い | 大型飛翔性哺乳類でも、採食地が失われれば個体群維持は難しい |
| 個体数推定 | ねぐらカウント、季節変動補正、複数島調査で総個体数を推定する | 実施中 | 最重要 | 以前は約1,200個体規模とされ、最新評価では安定傾向が示されている |
| 年次または季節モニタリング | 年1回だけでなく、季節変動を踏まえて調査する | 実施・必要 | 高い | コロニーサイズは季節的に大きく変動するため、同じ時期・同じ方法での比較が重要 |
| カウント手法の標準化 | 観察地点、時間、季節、重複カウント防止を統一する | 必要 | 高い | ねぐら間移動があるため、調査方法が違うと個体数傾向を誤りやすい |
| 地域調査員の育成 | 地元の調査員がねぐらカウント・GPS調査・森林調査を担えるようにする | 実施中 | 高い | 2007年行動計画にも、地元人材の能力形成が含まれている |
| Dahari による現地保全 | コモロのNGO Dahari が森林保全協定、調査、地域活動を行う | 実施中 | 最重要 | Bat Conservation International は、Dahari と連携してGPS追跡や保護対象地の特定を進めている |
| Bat Conservation International との連携 | GPS追跡、採食地特定、森林保全協定などを支援する | 実施中 | 高い | 近年の保全活動ではBCIとDahariの連携が重要 |
| Durrell との連携 | 飼育下繁殖、保全資金、技術支援、現地保全を行う | 実施中 | 高い | Durrellは長年、本種の飼育下繁殖と現地保全支援に関わってきた |
| Bristol Zoo 系の繁殖支援 | 飼育下繁殖と個体群管理に参加する | 実施中 | 中〜高 | 英国の動物園群が飼育下個体群の維持に関与してきた |
| Northumberland Zoo などの支援 | Dahari戦略への資金支援や飼育下個体群管理を行う | 実施中 | 中〜高 | 同園はDahariの2022〜2027年戦略に資金面で貢献すると説明している |
| 飼育下繁殖 | 動物園で個体を繁殖させ、野外絶滅への保険個体群を維持する | 実施中 | 高い | Durrellは1992年から本種の飼育下繁殖プログラムを開始した |
| ex situ 保全 | 野外個体群が急減した場合に備え、飼育個体群を維持する | 実施中 | 高い | 野生個体群が小さいため、飼育下個体群は保険として意味がある |
| 飼育個体の遺伝管理 | 動物園間で個体を移動し、近親交配を避ける | 実施中 | 高い | 飼育下個体群は由来個体数が限られるため、血統管理が重要 |
| 飼育下の疾病管理 | 感染症・老齢・繁殖障害・栄養管理に対応する | 実施中・課題あり | 高い | 2025年にはJersey Zooの飼育下個体死亡に関する報道もあり、保険個体群の健康管理は重要な課題である |
| 飼育施設の改善 | 広い飛翔空間、樹冠環境、温湿度、衛生管理を整える | 必要 | 高い | 大型オオコウモリは長寿・社会性・飛翔空間を必要とするため、飼育環境の質が重要 |
| 飼育下繁殖の教育活用 | 動物園展示を通じて、コモロの森林破壊と本種の危機を伝える | 実施中 | 中〜高 | 飼育個体は、現地の森林保全資金や普及啓発につなげられる |
| 野外復帰の検討 | 飼育個体を野外へ戻す可能性を検討する | 現時点では主要対策ではない | 低〜保留 | 現在の主軸は野生ねぐらと森林の保全であり、再導入は生息地が安全でなければ成立しない |
| 再導入 | 消失したねぐら・島へ戻す | 主要対策としては確認しにくい | 低〜保留 | 野外での生息地喪失が続く限り、再導入よりも現地保全が優先 |
| CITES附属書I | 国際商業取引を厳しく規制する | 実施中 | 中〜高 | 国際取引は主脅威ではないが、希少な大型コウモリとして法的保護の基盤になる |
| 国内法による保護 | コモロ国内で狩猟・捕獲・取引・ねぐら破壊を規制する | 実施・強化必要 | 高い | 法制度と現場の森林管理を結びつける必要がある |
| 狩猟対策 | 食用・偶発的捕獲・攪乱を抑える | 必要 | 中〜高 | 本種で最大脅威は森林喪失だが、個体数が少ないため少数の捕獲も影響する |
| ねぐら攪乱の低減 | ねぐら付近での騒音、伐採、火入れ、接近を減らす | 必要 | 高い | 日中ねぐらでの攪乱は、エネルギー消費やねぐら放棄につながる可能性がある |
| 環境教育 | 学校・地域住民に、本種と森林の価値を伝える | 実施中 | 高い | 1995年以降の行動計画やAction Comoros系の活動では、教育が重要項目とされた |
| 学校教育プログラム | 子どもたちにコモロ固有種と森林保全を教える | 実施・必要 | 中〜高 | 長期的な森林保全には、地域の若い世代の理解が重要 |
| 教員研修 | 教師が本種や森林保全を教えられるよう教材・研修を整える | 実施・必要 | 中 | 旧Action Comorosの教育活動では、教材開発や教育者育成が重視された |
| 地域の誇りづくり | Livingstone’s Flying Fox を島の固有自然遺産として位置づける | 必要 | 高い | 住民が「害獣」ではなく「島にしかいない貴重な存在」と認識することが重要 |
| フルーツバットの生態的役割の啓発 | 種子散布・花粉媒介者としての役割を伝える | 必要 | 高い | 大型オオコウモリは森林再生を助ける存在であり、森林保全と相互に関係する |
| 農家との協働 | 採食地を持つ農家と、樹木保全・作物被害対策・保全協定を進める | 実施・必要 | 高い | 採食地の多くは農地・アグロフォレストリーにもまたがるため、農家の合意が重要 |
| 作物被害対策 | 果樹利用による住民との対立を減らす | 必要 | 中 | 対立が強まると追い払い・伐採・捕獲につながる可能性がある |
| 保全インセンティブ | 森林を残す土地所有者や地域に利益を還元する | 必要 | 高い | 森林保全協定を長続きさせるには、地域側の利益や納得が必要 |
| 保全資金の確保 | 調査、森林協定、苗木、教育、飼育下繁殖の資金を確保する | 実施・必要 | 高い | 小島の固有種保全は長期資金に左右される |
| CEPFなど国際助成の活用 | 生物多様性ホットスポット支援資金を活用する | 実施・必要 | 中〜高 | Dahariや関係団体は、国際助成を活用して森林保全・調査を進めている |
| 保護区への組み込み | ねぐら・採食地を国立公園や保護区管理計画へ反映する | 実施・必要 | 最重要 | Oryx論文では、保護区計画が本種のねぐら位置と圧力を考慮する必要があるとされる |
| モヘリ国立公園との連携 | モヘリ島のねぐら保護を国立公園管理と結びつける | 実施・拡大中 | 高い | Dahariの2022〜2027年戦略では、モヘリ国立公園との新しい連携が示されている |
| アンジュアン島全ねぐらへの保護拡大 | アンジュアン島の全既知ねぐらを段階的に保護する | 計画・実施中 | 最重要 | Northumberland Zooは、Dahari戦略がアンジュアン島全サイトへのねぐら保護拡大を目指すと説明している |
| 保全優先順位づけ | ねぐらの個体数、伐採圧、地すべりリスク、採食地との関係で優先順位を決める | 必要 | 高い | 全地点を同時に守れない場合、消失リスクと個体数の大きい場所を優先する必要がある |
| 土地利用計画への反映 | ねぐら・採食地・森林回廊を村や島の土地利用計画に組み込む | 必要 | 高い | 農地拡大や伐採が進む前に、保全すべき場所を明確にすることが重要 |
| 森林と水源保全の統合 | 本種保全を水源保護、土壌保全、災害リスク低減と結びつける | 必要 | 高い | 森林を守る理由を「コウモリのため」だけにせず、住民生活の利益と結びつける |
| 島嶼生態系全体の保全 | Livingstone’s Flying Fox だけでなく、コモロ固有鳥類・爬虫類・植物も同時に守る | 実施・必要 | 高い | ねぐら林と山地林の保全は、複数の固有種に利益をもたらす |
| フラッグシップ種としての活用 | 本種をコモロ森林保全の象徴種として使う | 実施・有効 | 高い | 大型で固有性が高く、森林保全の重要性を伝えやすい |
| 生態研究 | 食性、繁殖、移動、ねぐら選択、採食樹を研究する | 実施・必要 | 高い | 効果的な保全区域設定には、どこで何を食べるかの情報が重要 |
| 繁殖生態の把握 | 出産期、幼獣生存率、繁殖成功を調べる | 必要 | 中〜高 | 個体群回復には、成獣数だけでなく繁殖成功の把握が必要 |
| 遺伝的多様性調査 | アンジュアン島とモヘリ島、ねぐら間の遺伝的つながりを調べる | 必要 | 中〜高 | 島・ねぐら単位の孤立が進むと、長期的な遺伝的リスクが高まる |
| 疾病監視 | 野生個体・飼育個体双方で感染症を監視する | 必要 | 中〜高 | 小さな個体群では感染症が大きなリスクになる |
| 人獣共通感染症への配慮 | コウモリへの偏見を避けながら、科学的な衛生管理を行う | 必要 | 中〜高 | コウモリ保全では、感染症への誤解が迫害につながらないよう配慮が必要 |
| 捕獲・装着調査の倫理管理 | GPS装着や捕獲調査で個体への負担を最小化する | 実施・必要 | 高い | 希少種であるため、研究そのものが脅威にならないよう管理が必要 |
| データ共有 | 調査結果を保全計画者、地域団体、行政が使える形にする | 必要 | 高い | Oryx論文では、ねぐら位置・規模・圧力を保全計画に反映する必要があるとされる |
| レッドリスト更新 | 安定傾向、ねぐら数、脅威を反映し、IUCN評価を更新する | 実施中 | 高い | 2025年にENへ引き下げられたが、継続的なデータ確認が必要 |
| 成果検証 | ねぐら保護、森林協定、植林、教育が個体数安定に効いているか評価する | 必要 | 高い | 下方修正されたとしても、脅威が消えたわけではないため、効果検証が重要 |
| 緊急保全 | 伐採・地すべり・サイクロンで危険なねぐらを優先的に守る | 必要 | 最重要 | ねぐら数が限られるため、1地点の消失でも全体への影響が大きい |
| 長期保全 | ねぐらだけでなく、採食地、農地景観、山地林、水源林を数十年単位で守る | 必要 | 最重要 | 本種は長寿で広く移動するため、短期のねぐら保護だけでは不十分 |
出典
- Conservation Action Plan for Livingstone’s Flying Fox
https://sites.temple.edu/bjsewall/files/2016/05/Sewall_et_al_2007_Liv_Cons_Action_Plan_En.pdf - Bat Conservation International|Conservation of Livingstone’s Fruit Bats in Comoros
https://www.batcon.org/our-work/endangered-species-interventions/saving-livingstones-fruit-bat/ - BMC Ecology and Evolution|Seasonal trends and population status of Pteropus livingstonii
https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC11103843/ - Oryx / Cambridge Core|A bat on the brink? A range-wide survey of Livingstone’s fruit bat
https://www.cambridge.org/core/journals/oryx/article/bat-on-the-brink-a-rangewide-survey-of-the-critically-endangered-livingstones-fruit-bat-pteropus-livingstonii/26D69B17FD39154CC0CBE0C3472824D7 - Durrell|A bat on the brink: joining forces to save the world’s most endangered fruit bat
https://www.durrell.org/news/a-bat-on-the-brink-joining-forces-to-save-the-world-s-most-endangered-fruit-bat/
最後に
Questioner: It sounds like they’re barely hanging on thanks to those protected forests. But if a massive typhoon hits, those bats living up in the trees are going to take a direct hit, aren’t they?
Me: Well, scientifically they’re called cyclones over there rather than typhoons, but that exact thought got me curious. So, I looked into what’s been happening with the storms around Japan lately. Get this: this year, Typhoon 1 popped up incredibly early on January 16, and by late June, we’d already seen eight of them. That’s more than double the usual pace.
Questioner: I’ve been hearing a lot about this “Super El Niño” going on right now. I just really hope it doesn’t mess with the islands where these bats live. It makes me kind of worried.
Me: Their cyclone season doesn’t kick off until later in the year, but yeah, it’s definitely a worrying thought. Let me dig a little deeper into that.
質問者:保護された森林で暮らしているからなんとか持ち堪えているみたいだけど、大きな台風とかきたら木の上などで暮らすコモロオオコウモリさんは直撃だよね。
私:サイクロンと台風の違いこそありますが、そのあたり気になったので日本近海の情報を調べてみました。すると、今年は1月に早くも台風1号が発生して以来、6月下旬の段階ですでに8個の台風が発生していました。これは平年の倍以上のスピードみたいなんです。
質問者:スーパーエルニーニョが発生中とか言われてるけど、その影響でコモロオオコウモリさんの暮らしている島々に影響がないといいよね。ちょっと心配になる。
私:サイクロンシーズンはまだ先ですけど、心配ですね。調べてみます。
日本の台風とコモロのサイクロンの関係
日本周辺での台風の発生傾向と、コモロ周辺でのサイクロン発生は、直接的に連動しているわけではありません。
- 呼称の違いと発生時期: 台風もサイクロンも気象学的には同じ「熱帯低気圧」ですが、発生する海域によって呼び名が変わります(西太平洋では「台風」、インド洋では「サイクロン」)。
- 予測の独立性: コモロが位置する南西インド洋のサイクロンシーズンは、主に11月中旬から4月末にかけてです。そのため、日本の台風シーズンの動向だけを見て、コモロのサイクロン発生をそのまま予測することはできません。
スーパーエルニーニョによるサイクロン強大化リスク
直接的な連動はないものの、「強いエルニーニョ現象」の影響がコモロ周辺を含むインド洋側へ波及する可能性は十分にあります。
- 海面水温と大気循環: 気象庁も指摘するように、熱帯域の海面水温の変動は大気循環を通じて世界中の気候に影響を与えます。そのため、熱帯インド洋における海面水温の変動も気候変動を考える上で重要です。
- 嵐の強大化リスク: 熱帯低気圧は暖かい海面からエネルギーを得て発達します。海面水温が高い状態では、ひとたびサイクロンが発生すると、より強い風雨を伴う危険な嵐へと発達する条件が整いやすくなります。NOAA(アメリカ海洋大気庁)のGFDL(地球流体力学研究所)も、「温暖化によって熱帯低気圧による極端な降雨が強まっている」という点について高い確信度を示しています。
サイクロン直撃がもたらす「3つの深刻な被害」
アンジュアン島とモヘリ島という極めて狭い範囲にのみ生息する固有種・コモロオオコウモリにとって、強大なサイクロンの直撃は致命的な影響をもたらします。Bat Conservation Internationalも、種のステータスが安定(EN)へ再分類された一方で、急速な生息地の喪失が依然として本種を強く脅かしていると警告しています。
具体的には、以下の連鎖的な被害が懸念されます。
- ねぐらの破壊と直接的な死傷 本種は、在来樹を含む急斜面林の高木をねぐらとして利用します。強大な暴風は、こうした大木や樹冠を破壊してねぐらを失わせるだけでなく、コウモリ自身を吹き飛ばしたり負傷させたりする直接的な物理的脅威となります。
- 食料不足による飢餓 果実、花粉、花、葉など植物由来の食物に強く依存しているため、暴風でこれらが吹き飛ばされ、樹木そのものがダメージを受けると、嵐を生き延びた個体であっても直後に深刻な食料不足へ追い込まれます。
- 幼獣の孤立と死亡リスク オーストラリアでの別種のオオコウモリの事例(ABC News報道)では、サイクロン通過後に多くの幼獣が死傷・孤立し、飢餓状態に陥ったことが報告されています。これは、親が嵐の前に移動してしまい幼獣が取り残された可能性が指摘されており、果実食コウモリがいかに暴風雨と食料不足に対して脆弱であるかを示す重要な警告となっています。
まとめ:現在の「安定」が意味するもの
コモロオオコウモリの個体数は現在「安定」と評価されていますが、これは決して「安全」になったという意味ではありません。生息地が限られ、森林の量と質が低下し続けている現状では、たった一度の強いサイクロンが、ねぐら・食料・繁殖の基盤を同時に破壊してしまう危険性を常に孕んでいます。現在の「安定」は危機が去った証明ではなく、「かろうじて踏みとどまっている状態」であると認識する必要があります。
出典
- NASA GPM — 台風・サイクロン・ハリケーンの違い:https://gpm.nasa.gov/resources/faq/what-difference-between-typhoon-cyclone-and-hurricane
- 気象庁 TCC — エルニーニョ・ラニーニャ・インド洋ダイポールの世界気候への影響:https://ds.data.jma.go.jp/tcc/tcc/products/climate/ENSO/index.htm
- NOAA/GFDL — Global Warming and Hurricanes:https://www.gfdl.noaa.gov/global-warming-and-hurricanes/
- Bat Conservation International — Rare Livingstone’s Fruit Bat Downlisted by IUCN:https://www.batcon.org/press/rare-livingstones-fruit-bat-downlisted-by-iucn/
- Bat Conservation International — Pteropus livingstonii 種情報:https://www.batcon.org/bat/pteropus-livingstonii-2/
- ABC News — Hundreds of flying fox pups starving to death in wake of ex-Tropical Cyclone Narelle:https://www.abc.net.au/news/2026-04-06/nt-katherine-pine-creek-dead-baby-flying-foxes-cyclone-narelle/106532588
Questioner: So cyclones and typhoons are actually the exact same kind of tropical storms, and the name just changes depending on where they form? I honestly used to think “cyclone” was just what they called them overseas, and “typhoon” was only for the ones around Japan.
Me: Yeah, it gets pretty confusing! Also, it turns out there’s a specific reason why they give names to cyclones and typhoons. Apparently, it’s to keep the memories of past disasters from fading away.
Questioner: That makes total sense. Giving them actual names, like people’s names, makes them way more memorable than just calling them “Storm Number 6” or whatever. And you know, I always used to think typhoons and cyclones were just these unstoppable forces of nature we couldn’t do anything about. But nowadays, people are saying they’re getting worse because of human-caused climate change.
Me: Exactly. And that’s exactly why I want to keep doing what I can to fight global warming—even if it’s just for the sake of the Livingstone’s fruit bats living on those faraway islands.
Thank you so much for taking 5 minutes out of your day to read this.
I truly hope that those 5 minutes will somehow reach the Livingstone’s Flying Fox and make a difference for them.
鶏人|Keijin
質問者:サイクロンと台風って同じ熱帯低気圧だけど発生する地域によって呼び方が変わるんだね。外国で発生してるのがサイクロンで日本近海で発生しているのが台風だと思ってたよ。
私:ややこしいですよね。それと、サイクロンや台風に名前がつけられることには、過去の災害を風化させないといった意味もあるそうですよ。
質問者:そうだね。人名とかの名前があったほうが、6号とか言われるより記憶に残るよね。それとさ、台風やサイクロンって防ぎようがないって認識だったけど、今は人類が招いたとされる気候変動の影響で増えている現象だとも言われているよね。
私:だからこそ、遠くの島で暮らすコモロオオコウモリのためにも、温暖化対策に取り組んでいきたいですね。
貴重な5分間を、ありがとうございました。
コモロオオコウモリに、その5分が届くことを祈ります。
鶏人|Keijin
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