※このページは、[IUCNレッドリスト]世界の絶滅危惧生物図鑑(2014年版)に基づいて制作した個人ブログです。
※画像はすべてAI生成(DALL·E)によるイメージであり、実際の生物写真ではありません。
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こんにちは、fukumomo3_photo です。
コモロオオコウモリ(Pteropus livingstonii)は、
2014年、図鑑に【EN:危機】として分類されていました。
2025年、IUCNレッドリストで、【EN:危機】と評価されました。
つまり、2014年から2025年にかけて、コモロオオコウモリは
「静かな空に、変わらぬ影を落とし続けている」状態なのです。
この記事は、とても短く5分で読めるので、どうぞ最後まで読んでいただけると嬉しいです。
※本記事は専門家による学術的な評価ではなく、公開された資料に基づく個人の調査・見解を含んでいます。
最新かつ正確な分類や保全状況については、IUCN公式サイトなどをご確認ください。
参考:https://www.iucnredlist.org/species/18732/271898785
サイクロンと気候変動がもたらす「絶滅イベント」の脅威
⬇︎コモロオオコウモリの生態です。必要に応じてご覧ください。⬇︎

| 項目 | 情報 |
|---|---|
| 和名 | コモロオオコウモリ |
| 英名 | Livingstone’s Fruit Bat / Livingstone’s Flying Fox |
| 学名 | Pteropus livingstonii |
| 分類 | 哺乳類・オオコウモリ科 |
| 分布 | コモロ諸島(アンジュアン島、モヘリ島)固有 |
| 主な生息地 | 山地の森林(標高200〜1,000m付近の原生林) |
| 体長 | 約27〜30cm(頭胴長) |
| 翼開長 | 約1.4m |
| 体重 | 約500〜900g |
| 寿命 | 飼育下で約20年、野生でも長寿の可能性あり |
特徴
- 大型の果実食コウモリ:翼を広げると1m以上に達し、迫力ある姿を持つ。
- 名前の由来:19世紀のイギリス探検家チャールズ・リビングストンにちなんで命名。
- 食性:主に果実や花の蜜、葉を食べる。森林の種子散布者として重要な役割を果たす。
- 視覚に依存:オオコウモリ類の例にもれず、超音波ではなく優れた視力で行動する。
生態と行動
- 群れで生活:数十〜数百匹のコロニーを作り、樹上にぶら下がって休息する。
- 夜行性:日中は樹木にとまり、夜間に餌を求めて飛翔する。
- 繁殖:メスは通常1子を出産し、翼で抱えて授乳する。繁殖成功率が低いため個体数回復に時間がかかる。
- 生息環境の依存性:熱帯原生林に強く依存し、森林伐採により生息地が著しく減少している。
- 保全状況:IUCNレッドリスト【EN:危機】。
2014年絶滅危惧種:コモロオオコウモリ【EN:危機】
ねぐらとなる木の消失や、サイクロンのような自然現象にも影響される。
出典:訳者 岩槻邦男,太田英利 / 発行者 池田和博 / タイトル「IUCNレッドリスト世界の絶滅危惧生物図鑑」/発行所 丸善出版株式会社 / 発行 2014/01/31 ©️Kunio Iwatsuki, Hidetoshi Ota, 2014
| 区分 | 内容 | 具体例・報告 |
|---|---|---|
| 直接的な影響 | 暴風による死と離散 | ・飛行中に叩きつけられて衝突死 ・ねぐらの木ごと倒され圧死や吹き飛ばされる ・2019年サイクロン「ケネス」後に個体数が過去最低を記録 |
| 間接的な影響① | 餌の壊滅的な消失 | ・果実や花を実らせる木が破壊される ・花は散り、果実は落下 ・サイクロン後、餌資源が15%に減少との調査報告 |
| 間接的な影響② | ねぐら森林の破壊 | ・原生林の大木が倒壊し、ねぐらを喪失 ・休息・繁殖が困難に ・天敵や悪天候に無防備になる |
| 間接的な影響③ | 生息地の質の低下と分断 | ・森林被害により全体の質が劣化 ・森林の分断で移動困難になり、新たな餌場やねぐらを見つけにくくなる |
| 将来的な脅威 | 気候変動によるサイクロン強度・頻度の増加 | ・森林伐採による危機に加え、サイクロンが脅威を加速 ・小さな島嶼生態系であるコモロ諸島にとって深刻な未来予測 |
サイクロンはコモロオオコウモリに対して、直接的な死傷だけでなく、食料や住処を奪うことで間接的かつ長期的に深刻なダメージを与え、種の存続を脅かす最大の自然現象の一つである。
⬇︎コモロオオコウモリの主な保護活動の種類です。必要に応じてご覧ください。⬇︎
| 保護活動の種類 | 内容の概要 |
|---|---|
| 生息地の保護 | モロニやアンジュアン島の森林を伐採から守るため、保護林や国立公園を設置 |
| 違法伐採の防止 | 生活用燃料や農地拡大のための森林伐採を規制・監視 |
| 国際的な取引規制 | ワシントン条約(CITES)附属書Ⅰに掲載され、国際取引を原則禁止 |
| 保護区の設定 | 主要な営巣地・採餌地を含む保護区を整備し、伐採や狩猟を制限 |
| 市民・地域参加 | 地域住民に代替燃料・農業支援を行い、森林保護活動への参加を促進 |
| 研究とモニタリング | 個体数や繁殖地の調査、GPSを用いた行動追跡を継続 |
| 飼育下繁殖 | 動物園(例:イギリスのジャージー動物園)で繁殖計画を進め、将来の再導入に備える |
主な取り組み
- 森林保護:島の固有林を保護林・国立公園として管理
- 伐採防止:農地拡大や燃料用の違法伐採を監視・規制
- 国際取引規制:CITES附属書Ⅰにより国際取引を禁止
- 保護区整備:繁殖地や採餌地を含む森林を保護区に指定
- 地域参加型保全:代替エネルギーや持続可能な農業支援で住民と協働
- 研究調査:繁殖地・行動範囲のモニタリングやGPS追跡
- 飼育下繁殖:動物園での繁殖プログラムにより遺伝的多様性を確保
最後に
これを読んでみて、どのように感じましたか?
「洞窟に住んでるんじゃないんだね」
私も『コウモリは洞窟に住んでいる』といったイメージでした。
「気候変動が影響してるよね」
気になったので、2025年現在のサイクロンの影響を調べてみますね。
| サイクロン名 | 発生時期 | カテゴリー | 影響内容 | コモロオオコウモリへの影響 |
|---|---|---|---|---|
| ケネス(Kenneth) | 2019年4月 | 4 | ・コモロ史上最強クラス ・暴風雨によりアンジュアン島・グランドコモロ島で洪水・地滑り発生 ・原生林が広範囲で破壊 | ・ねぐらや餌場の喪失 ・果実や花が壊滅 ・個体数が観測史上最低に激減 |
| チド(Chido) | 2024年12月 | 4 | ・南西インド洋の島々に甚大な影響 ・マヨット島で大きな被害 ・コモロ諸島でも強風・大雨による森林やインフラ被害 | ・詳細調査は未公表 ・餌資源の減少など間接的影響があった可能性大 |
| ヘレン(Hellen) | 2014年3月 | 4 | ・コモロ諸島南方を通過 ・アンジュアン島・モヘリ島に大雨と強風 ・洪水被害、農作物や森林に影響 | ・壊滅的ではないが、生息環境を悪化させた可能性あり |
強力なサイクロンは一度の襲来で、ただでさえ脆弱なコモロオオコウモリの個体群を壊滅の瀬戸際に追い込む力を持っている。
| 観点 | 現状・予測 | 詳細 |
|---|---|---|
| 発生頻度(数) | 増加していない | ・明確な増加の証拠はなし ・多くの気候モデルでは「減少」または「変化なし」 ・過去データの観測技術の限界で単純比較は困難 |
| 強度(激甚化) | より強力に | ・カテゴリー4・5の割合が増加 ・最大風速が大きくなる傾向 |
| 降水量 | 増加傾向 | ・温暖化で大気中の水蒸気量が増える ・一つのサイクロンがもたらす雨量が多くなる ・洪水・土砂災害リスク増大 |
| 移動速度 | 遅くなる傾向 | ・一部研究で停滞化を指摘 ・同じ地域に長時間とどまり被害が拡大 |
| 発達の速さ | 急速発達が増加 | ・短時間で猛烈に強まるケースが増える ・予測が難しく、避難や備えが間に合わない危険性 |
さらに、気候変動によって、私たちが直面するサイクロンの脅威は、「数が増える」という形ではなく、「個々のサイクロンがもたらす破壊力が増す」という形で深刻化している。
このことから、コモロオオコウモリにとっては、たった一度の気象現象で種全体の存続が脅かされる「絶滅イベント」のリスクが格段に高まることを意味する。
よって、たった一つの巨大サイクロンが最悪のコースをたどった場合、それが種の存続への「決定的打撃」となり、絶滅の引き金となる可能性は十分にある。
ここまで読んで、『あなた』は、どのように感じましたか?
コメントで意見を聞かせてくれると、とても嬉しいです。
あなたの貴重な5分間を、本当にありがとうございました。
コモロオオコウモリに、あなたの5分が届くことを祈ります。
fukumomo3_photo
インスタでは、コモロオオコウモリたちの姿を“図鑑みたいに”並べて見られます。
ビジュアルで伝える命の物語、よかったらのぞいてみてください。



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