11年後のレッドリスト|コヤマヤシ:評価の狭間に漂う小さな影【IUCNレッドリスト比較】

評価の狭間に漂う小さな影 11年後のレッドリスト
※このページは、[IUCNレッドリスト]世界の絶滅危惧生物図鑑(2014年版)に基づいて制作した個人ブログです。
※画像はすべてAI生成(
DALL·E)によるイメージであり、実際の生物写真ではありません。
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こんにちは、fukumomo3_photo です。

コヤマヤシ(Lepidorrhachis mooreana)は、

2014年、図鑑に【EN:危機】として分類されていました。

2025年現在、IUCNレッドリストでは【NE:未評価】です。

つまり、2014年から2025年にかけて、コヤマヤシは

「評価の狭間に漂う小さな影」状態なのです。

※2025年現在も、IUCNレッドリスト本体には正式な評価が存在せず、未評価(NE)の状態が続いています。

この記事は、とても短く5分で読めるので、どうぞ最後まで読んでいただけると嬉しいです。

※本記事は専門家による学術的な評価ではなく、公開された資料に基づく個人の調査・見解を含んでいます。
最新かつ正確な分類や保全状況については、IUCN公式サイトなどをご確認ください。
参考:https://ianhutton.info/wp-content/uploads/2014/06/Lepidorrhachis-mooreana.pdf

雲を失う森と、人間が生んだ“暖房”の正体

⬇︎コヤマヤシの生態です。必要に応じてご覧ください。⬇︎

基本情報|コヤマヤシ(Little Mountain Palm)
項目情報
和名コヤマヤシ(小山椰子)
英名Little Mountain Palm
学名Lepidorrhachis mooreana
分類被子植物・ヤシ科(Arecaceae)
分布オーストラリア・ロードハウ島(Lord Howe Island)のみ
主な生育地高山雲霧林(標高750m以上の湿潤な山地)
樹高約3〜10m
葉の長さ約2〜3mの羽状葉
寿命数十年以上(詳細なデータは不明)

特徴

  • 固有種:オーストラリアのロードハウ島だけに分布する世界的に珍しいヤシ。
  • 姿:小型のヤシで、細い幹の上に大きな羽状葉を広げる。
  • 花と果実:赤い果実を実らせ、鳥類によって散布される。
  • 観賞価値:熱帯植物愛好家に人気があり、栽培植物としても注目されている。

生態と行動

  • 生育環境:湿潤で冷涼な高山雲霧林に限定される。
  • 個体数:分布域が狭く、個体数は限られている。
  • 脅威:外来種の動物(ヤギやブタによる食害)や、地球温暖化による生息環境の変化が懸念されている。
  • 保全状況:ロードハウ島は世界自然遺産に登録され、保全活動が行われている。

2014年絶滅危惧種:コヤマヤシ【EN:危機】

気候変動のために森林にかかる雲の量が変わっており、これが森林に決定的な打撃を与えているようだ。

出典:訳者 岩槻邦男,太田英利 / 発行者 池田和博 / タイトル「IUCNレッドリスト世界の絶滅危惧生物図鑑」/発行所 丸善出版株式会社 / 発行 2014/01/31 ©️Kunio Iwatsuki, Hidetoshi Ota, 2014

項目内容影響のポイント
雲の発生地表の水が蒸発 → 上昇した空気が冷却され → 水滴や氷の粒ができて雲になる通常は比較的低い高度から雲が形成される
温暖化の影響地表の気温が上がり、空気がより高い高度まで上昇しないと冷えなくなる雲が発生する高度(雲底高度)が上昇する
雲霧林の仕組み頻繁に雲や霧に覆われることで、植物が葉や幹から水分を直接吸収コヤマヤシはこの「空気中の水分供給」に依存
雲底高度の上昇による打撃山頂や中腹が雲の下に取り残され、雲に覆われる時間が減少水分不足・乾燥化が進み、湿潤環境が崩れる
生態系の変化コケ・シダ類など湿潤を好む植物が枯死し、森林全体が変質コヤマヤシのような固有種が生存できなくなる可能性

気候変動によって森林にかかる雲の量が変わる主な理由は、「雲ができる高さが上昇してしまう」ことにある。

つまり、気候変動は単に気温を上げるだけでなく、雲が発生する場所そのものを変えてしまうことで、特定の山の生態系を脅かしている。

⬇︎コヤマヤシの主な保護活動の種類です。必要に応じてご覧ください。⬇︎

保護活動の種類内容の概要
自生地の保護オーストラリア・ロードハウ島の高地雲霧林に限定分布するため、森林伐採や開発を制限
外来種管理ヤギやネズミなど外来動物による食害や下草破壊を防ぐための駆除・管理
保護区の設定分布域全体が「ロードハウ島グループ世界遺産」に含まれ、国立公園内で保全されている
種子・苗木保護種子採集の規制や、園芸利用に対する管理措置
研究とモニタリング個体数や発芽率、生育状況の調査を継続し、気候変動の影響を評価
市民・地域参加地元住民や観光客への教育活動、保護意識を高めるプログラム
国際的な認知希少性を背景に国際的な保全植物リストに掲載され、取引規制の対象に検討されることもある

主な取り組み

  • 自生地保護:ロードハウ島の雲霧林を保護し、伐採や開発を制限
  • 外来種対策:ヤギやネズミなどの外来動物を排除・管理
  • 保護区指定:生息地は国立公園および世界遺産エリアに含まれている
  • 種子採集規制:商業目的の採集や園芸利用を制限
  • 調査研究:生育状況や発芽率を長期的にモニタリング
  • 教育活動:観光客や地域住民に希少種保護の重要性を伝える取り組み
  • 国際的認知:希少植物として国際リストでの取引管理が検討されている

最後に

これを読んでみて、どのように感じましたか?

「雲の中で生活できなくなったってことか?」

私も、同じことを感じました。

「雲の動きが変わる原因は、森林破壊や開拓なのかな?」

思いますよね。気になったので調べてみますね。


項目行為の内容メカニズム影響
1. 森林破壊や開拓
(地球の冷却能力を弱める)
熱帯雨林や森林の伐採、農地化・光合成によるCO₂吸収を失う
・木々の蒸散が減少し雲の発生が減る
・炭素の貯蔵庫が失われる
・乾燥化と気温上昇が進む
・地球が自らを冷やす機能が低下
2. 化石燃料の大量消費
(地球を強制的に暖める)
石炭・石油・天然ガスの燃焼(発電、輸送、産業)・地中の炭素をCO₂として大気中に急放出
・温室効果ガスが熱を閉じ込める
・地球全体の気温が上昇
・気候変動の主因となる

現在の気候変動は、

  • 化石燃料の消費によって、地球を暖める温室効果ガスを大量に排出し
    (暖房を全力でつける)
  • 森林破壊によって、それを吸収してくれる能力を破壊している
    (エアコンを壊す)

という、2つの大きな問題が同時に進行していることで、非常に深刻な事態である。

そこで、「暖房を消せばいい」といった考えが浮かぶ。

しかし、私たちの社会や生活の様々な場面の「スイッチをオフにする」には「エネルギーの使い方を見直す」ことが求められる。

レベル方法内容・具体例
社会全体
(仕組みを変える)
エネルギー転換・火力発電を減らし、再生可能エネルギー(太陽光・風力・地熱・水力)へ切り替える
省エネルギー推進・建物の高断熱化で冷暖房エネルギーを削減
・燃費の良い車やEVへの移行
・公共交通利用や物流効率化
個人
(暮らしの工夫)
冷暖房の賢い利用・エアコンの適切な温度設定
・断熱カーテンの使用
・クールビズ/ウォームビズ
移動手段の選択・徒歩や自転車で近距離移動
・電車・バスを優先して利用
消費行動の見直し・本当に必要なものだけ購入
・長く使える製品を選ぶ
・リユース・リサイクルの実践
食生活の工夫・地元産・旬の食材を選ぶ
・食品ロスを減らす

ただ、この「暖房」は社会全体の仕組みに深く組み込まれているため、スイッチ一つで消せるほど単純ではないのが難しいところである。

しかし、「わたしたち」一人ひとりが「暖房を消す」という意識を持って日々の選択を変えていくことが、社会全体の大きな変化を後押しする力になる。


ここまで読んで、『あなた』は、どのように感じましたか?

コメントで意見を聞かせてくれると、とても嬉しいです。

あなたの貴重な5分間を、本当にありがとうございました。

コヤマヤシに、あなたの5分が届くことを祈ります。

fukumomo3_photo


インスタでは、コヤマヤシたちの姿を“図鑑みたいに”並べて見られます。
ビジュアルで伝える命の物語、よかったらのぞいてみてください。

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