※このページは、[IUCNレッドリスト]世界の絶滅危惧生物図鑑(2014年版)に基づいて制作した個人ブログです。
※画像はすべてAI生成(DALL·E)によるイメージであり、実際の生物写真ではありません。
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こんにちは、fukumomo3_photo です。
コモドオオトカゲ(Varanus komodoensis)は、
2014年、図鑑に【VU:危急】として分類されていました。
2021年、IUCNレッドリストで、【EN:危機】と評価されました。
つまり、2014年から2021年にかけて、コモドオオトカゲは
「力強さの裏に、迫る終焉の足音」状態になってしまいました。
※2025年時点で、IUCNレッドリストにおけるコモドオオトカゲの最新評価は2021年版です。それ以降の更新は行われていません。
この記事は、とても短く5分で読めるので、どうぞ最後まで読んでいただけると嬉しいです。
※本記事は専門家による学術的な評価ではなく、公開された資料に基づく個人の調査・見解を含んでいます。
最新かつ正確な分類や保全状況については、IUCN公式サイトなどをご確認ください。
参考:https://www.iucnredlist.org/species/22884/123633058
観光と保護のジレンマ:それでも必要な理由
⬇︎コモドオオトカゲの生態です。必要に応じてご覧ください。⬇︎

| 項目 | 情報 |
|---|---|
| 和名 | コモドオオトカゲ |
| 英名 | Komodo Dragon |
| 学名 | Varanus komodoensis |
| 分類 | 爬虫類・オオトカゲ科 |
| 分布 | インドネシア(コモド島、リンカ島、フローレス島、ギリモタン島など) |
| 主な生息地 | 乾燥したサバンナ、森林、草原、海岸近く |
| 体長 | 最大約3メートル |
| 体重 | 約70〜90kg(最大100kgを超える個体も) |
| 寿命 | 野生で約30年 |
特徴
- 世界最大のトカゲ:現生するトカゲ類の中で最大種。恐竜を思わせる姿から「ドラゴン」と呼ばれる。
- 鋭い嗅覚:舌を使って空気中の匂い分子を感知し、数km先の死肉も探し当てる。
- 毒腺をもつ捕食者:口内に毒腺があり、咬まれると毒と細菌感染で獲物は衰弱する。
- 強力な咬合力と体力:シカやイノシシなど大型獣も捕食する。
生態と行動
- 単独性が強い:通常は単独で生活し、繁殖期や餌場で他個体と遭遇する程度。
- 食性:死肉を好むが、生きた哺乳類・鳥類・爬虫類も狩る。場合によっては共食いも行う。
- 繁殖:メスは一度に20個前後の卵を産み、落ち葉や巣穴で孵化させる。孵化まで約8か月。
- 幼体の生存戦略:孵化直後の幼体は成体に捕食されることがあるため、木の上で生活して身を守る。
- 保全状況:IUCNレッドリスト【EN:危機】に指定。気候変動による生息地縮小、観光開発、人間活動による影響が懸念されている。
2014年絶滅危惧種:コモドオオトカゲ【VU:危急】
1980年にコモドオオトカゲとそれを取り巻く生態系を保護するためコモド国立公園が創設された。それ以外にも小さな保護区があり、保護にいくら貢献している。しかし国立公園ですら法の執行はしばしば不十分であり、人間とコモドオオトカゲの確執はなお存在している。
出典:訳者 岩槻邦男,太田英利 / 発行者 池田和博 / タイトル「IUCNレッドリスト世界の絶滅危惧生物図鑑」/発行所 丸善出版株式会社 / 発行 2014/01/31 ©️Kunio Iwatsuki, Hidetoshi Ota, 2014
| 分類 | 詳細内容 | 影響 |
|---|---|---|
| 餌動物の密猟 | シカ(Rusa timorensis)の密猟が横行し、食料不足に直結。餌が減ると人間の居住地に近づき、家畜を襲うなどの衝突が増える。 | 個体数維持の困難化、人間との対立激化 |
| 生息地の破壊と分断 | 農地開墾や密猟者による火災でサバンナ・森林が破壊。観光開発(ジュラシックパーク計画など)で直接的な生息地破壊・分断が進む。 | 行動範囲縮小、個体群の孤立 |
| 法執行の限界 | 広大な国立公園に対しレンジャーや予算が不足。多島構造により監視が困難で、密猟や違法漁業の侵入を許してしまう。 | 密猟や違法行為の取り締まり不十分 |
| 地域住民との関係 | 観光収益が地域に還元されにくく、規制が生活を脅かすことで違法行為に走る動機となる。 | 保護活動への協力不足、軋轢発生 |
コモドオオトカゲの保護区が十分に機能しない理由は、単に「法律が守られていない」というだけでなく、
- 餌動物の密猟による生態系の破壊
- 観光開発などによる生息地の喪失
- 保護を実効的に行うためのリソース不足
- 保護と地域住民の生活との間の軋轢
といった、社会経済的な問題が複雑に絡み合っている。
⬇︎コモドオオトカゲの主な保護活動の種類です。必要に応じてご覧ください。⬇︎
| 保護活動の種類 | 内容の概要 |
|---|---|
| 生息地の保護 | コモド国立公園を中心に島全体を保護区化し、森林伐採や観光開発を規制 |
| 違法狩猟の防止 | 密猟や違法取引を取り締まり、法的保護を強化 |
| 観光管理 | 観光客の入島制限やガイド同行の義務化により、生息地への負荷を軽減 |
| 国際的な取引規制 | ワシントン条約(CITES)附属書Ⅰに掲載され、国際取引を原則禁止 |
| 保護区の拡大 | コモド島、リンカ島、フローレス島などの生息地を含めた保護区の整備 |
| 市民・地域参加 | 地元住民による保全活動や持続可能な観光業への参加を促進 |
| 研究とモニタリング | 個体数調査、行動追跡、遺伝的多様性の研究を実施し保全に役立てる |
主な取り組み
- 生息地保護:国立公園による森林・島全体の保護
- 密猟防止:違法狩猟や取引を厳格に規制
- 観光管理:入島制限やガイド同行による観光のコントロール
- 国際取引規制:CITES附属書Ⅰにより国際的な取引を禁止
- 保護区整備:島ごとに保護区を設け、開発を制限
- 地域参加型保全:地元住民の協力による監視や観光業との両立
- 研究調査:個体数や行動、生態に関するモニタリング
最後に
これを読んでみて、どのように感じましたか?
「行かなければいいんじゃない?」
私も感じていることですが、観光地化を否定しますか?
「持続可能な観光ってのを目指すのもありですよね」
と、観光で成り立っている地域を配慮して持続可能な観光事業を考えますか?
少し気になったので深堀してみますね。
| 柱 | 内容 | 具体例 |
|---|---|---|
| 環境の持続可能性 (Environmental) | 自然環境・生態系を守り、将来も恩恵を享受できるようにする | ・入場者数制限(例:コモド国立公園) ・サンゴ保護のための日焼け止め規制(パラオ) ・ホテルで省エネ・リネン交換削減 ・廃棄物削減、地産地消 |
| 社会・文化の持続可能性 (Socio-Cultural) | 地域の文化・歴史・暮らしを尊重し、継承を支える | ・住民エリアへの無断立ち入り禁止ルール ・伝統祭りの神聖さ保持 ・文化体験プログラム ・観光収益を文化財修復に充当 |
| 経済の持続可能性 (Economic) | 観光利益が地域内で循環し、安定した雇用と収入を確保 | ・地元経営の宿泊施設・飲食店を利用 ・地元産のお土産・特産品を購入 ・住民を観光ガイドとして雇用 ・観光のオフシーズン活用(例:夏のスキー場→登山・MTB) |
アクター別:具体的アクション
| アクター | 具体的なアクション |
|---|---|
| 旅行者 | ・訪問地の歴史・文化・ルールを学び、尊重する ・地元の商店やレストランを利用する ・マイボトル・エコバッグで環境配慮 ・公共交通機関を使う ・ピークを避け長期滞在し、負荷を分散 |
| 観光事業者 | ・スタッフを地元から雇用、地元産品を優先調達 ・文化・環境ルールを分かりやすく発信 ・地域文化に根差した体験プログラムを提供 ・省エネ・再エネなどで環境負荷を軽減 |
| 地域(自治体など) | ・観光客数の上限を設定(入域料・予約制など) ・収益を自然保護や文化財保全に再投資 ・住民と合意形成しながら観光計画を進める |
「そもそも人が行かなければ、その自然は最もよく守られるのではないか」と考えるのも自然なことである。
しかし、なぜ多くの保護区が観光客を受け入れるのか。
それは、「理想」だけでは解決できない、極めて現実的な課題が存在するからである。
| 視点 | 詳細 | 結果・影響 |
|---|---|---|
| 経済的現実 「誰が費用を払うのか?」 | ・レンジャーの人件費、調査研究費、装備や管理費用は莫大 ・税金だけでは賄えず、財政基盤が弱い国では困難 ・観光収入(入園料、許可料など)が自己資金の柱 | 観光客が減ると財源が枯渇し、レンジャー削減→密猟横行へ |
| 価値の証明 「保護する価値の可視化」 | ・手つかずの自然は一部では「経済的価値がない土地」と見なされる ・観光による収益が「残すことこそ利益」と証明 ・生きたコモドオオトカゲは、剥製や皮よりも観光収入で大きな価値を生む | 「If it pays, it stays」=経済的価値があるから保護が続く |
| 地域社会との共存 「保護の担い手を育てる」 | ・保護区周辺には住民が暮らしており、排除すると反発や密猟につながる ・観光による雇用(ガイド、宿泊業、工芸品販売)で収益を共有 ・「自然保護=自分たちの暮らしの安定」と実感できる | 住民が自発的に保護の担い手・監視役となり、共存が可能に |
現代では、人が全くいない理想郷を目指すのではなく、人がいても自然が劣化しない、むしろ豊かになる仕組みをどのようにしたら作ることができるのかといったことが、保護活動における中心的なテーマとなっている。
ここまで読んで、『あなた』は、どのように感じましたか?
コメントで意見を聞かせてくれると、とても嬉しいです。
あなたの貴重な5分間を、本当にありがとうございました。
コモドオオトカゲに、あなたの5分が届くことを祈ります。
fukumomo3_photo
インスタでは、コモドオオトカゲたちの姿を“図鑑みたいに”並べて見られます。
ビジュアルで伝える命の物語、よかったらのぞいてみてください。



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