11年後のレッドリスト|アオウミガメ:止まった時間【IUCNレッドリスト比較】

11年後のレッドリスト|アオウミガメ:止まった時間【IUCNレッドリスト比較】 11年後のレッドリスト
※このページは、[IUCNレッドリスト]世界の絶滅危惧生物図鑑(2014年版)に基づいて制作した個人ブログです。
※画像はすべてAI生成(
DALL·E)によるイメージであり、実際の生物写真ではありません。

はじめまして、鶏人|Keijin です。

この記事から、「365種の絶滅危惧種」を紹介していきます。
初回は、みんなが知っているアオウミガメ(Chelonia mydas)です。

2014年の図鑑では「EN:危機」として紹介されています。
だけど最新のレッドリストでも、評価は「EN:危機」のままでした。

ちょっと寂しいけれど——
アオウミガメは今も、「絶滅の危機の海を漂っている」状態なのだと思います。

この記事は短く、5分で読めます。
よかったら最後まで読んでください。

※2025年時点で、IUCNレッドリストにおけるアオウミガメの最新評価は2023年版です。(以降の更新は確認されていません)
※本記事は専門家による学術的な評価ではなく、公開された資料に基づく個人の調査・見解を含みます。
※IUCN評価は「世界全体」と「地域・個体群」で分かれる場合があります。地域によって状況は異なります。
最新かつ正確な分類や保全状況については、IUCN公式サイトなどをご確認ください。
参考:IUCN Red List(Chelonia mydas

ゴーストネットの正体|なぜ増え、なぜ消えず、誰を傷つけるのか

⬇︎アオウミガメの生態(基本情報)です。必要なら開いてください。⬇︎

基本情報|アオウミガメ(Green Turtle)
項目情報
和名アオウミガメ
英名Green turtle
学名Chelonia mydas
分類爬虫類・カメ目・ウミガメ科
分布世界の熱帯〜亜熱帯の海に広く分布。80か国以上で産卵し、140か国以上の沿岸域で確認される
主な生育地沿岸の浅い海(海草藻場・岩礁やラグーン等の採食場)と、産卵のための砂浜(多様なタイプの海岸)
大きさ成体:甲長の目安は約0.9〜1.2m(3〜4ft相当)。成体は80〜120cmという整理もある
体重成体:およそ110〜180kg(250〜400lb相当)が目安。最大級は300kgに達する例もある
寿命はっきりは不明だが、推定で70年以上とされる

特徴

  • 名前の由来:甲羅が緑というより、体内の脂肪が緑がかって見えることが「green」の由来、と説明される
  • 見た目:硬い甲羅をもつウミガメの中では最大級の部類
  • 食性の特徴:成長につれて、草食寄り(海草・藻類中心)になっていくのが特徴。幼体期は雑食〜肉食寄りの時期がある
  • 保全状況:IUCNでは世界全体の評価が2025年にLeast Concern(LC)へ更新された一方、地域個体群(サブポピュレーション)ではENやVUなど幅がある
  • 国際取引規制:CITESでは附属書Iとして扱われる(国際商取引は原則として厳しく制限)

生態と行動(くらし・ふえ方)

  • くらし:沿岸の浅い海で採食し、産卵期には砂浜へ上陸する。海では海草藻場などを重要な“食卓”として使う
  • ふえ方(繁殖):成熟まで20〜40年かかることがある。産卵は2〜4年ごとで、1シーズンに2〜5回の産卵(クラッチ)を行い、1回あたり80〜120個ほど産む、といった整理がある
  • ふ化:抱卵期間は約60日という目安が示される
  • 脅威:混獲(漁具にかかる)、卵や成体の採取、産卵・採食環境の減少や劣化、海洋ごみ・汚染、船との衝突、病気、気候や海面上昇など環境条件の変化が主要な圧力として挙げられる
  • 追加の問題:沿岸開発の照明が産卵個体や子ガメを惑わせる(上陸・巣作り・海へ向かう方向が乱れる)といった影響も指摘される
出典

2014年絶滅危惧種:アオウミガメ「EN:危機」

この種は漁業、とくにトロール、刺し漁・はえなわ漁における混獲が多く、海岸生息域の破壊(とくに産卵地)、漂流・漂着ごみによる脅威にさらされている

出典:訳者 岩槻邦男,太田英利 / 発行者 池田和博 / タイトル「IUCNレッドリスト世界の絶滅危惧生物図鑑」/発行所 丸善出版株式会社 / 発行 2014/01/31 / ページ 1 / ©️Kunio Iwatsuki, Hidetoshi Ota, 2014

テーマ(脅威・論点)何が起きている?(具体的な影響)現在の状況・補足(ポイント)
全体像(2014→現在)アオウミガメを取り巻く状況は、2014年当時よりもさらに複雑化しており、依然として非常に危機的。2014年に指摘されていた問題が「解決していない」まま、さらに新しい脅威(気候変動など)が上乗せされている。
漂流・漂着ごみ(海洋プラスチック)近年の研究で深刻さがより浮き彫りになっている。世界的に関心が高まった一方、影響の重さも明確化してきた、という位置づけ。
誤飲(プラスチック摂取)幼体を中心に、海面に漂うプラスチック袋をクラゲと誤認して食べてしまう。胃にたまると消化管閉塞 → 栄養失調や餓死につながる。「世界中のウミガメの半分以上がプラスチックを摂取」という報告もある、という認識。
ゴーストフィッシング(幽霊漁業/ゴーストネット)捨てられた漁網などの海洋ごみに絡まり、身動きが取れず溺死/肢の損傷・切断を余儀なくされるケースが続く。“絡まり事故”が後を絶たない、という危機感が核心。
気候変動(新たな、そして最大の脅威)2014年時点よりも現在、より深刻に議論されているのが温暖化の影響。「新しい脅威」というより、いま最も大きく、しかも回避が難しい脅威として前面化している。
性別の偏り(フェミニゼーション)卵の孵化時の砂温で性別が決まる(温度依存性決定)。温度が高いほどメスが増える。北グレートバリアリーフで「99%以上がメス」という衝撃的な結果がある。将来的に繁殖が成立しなくなるリスクが極めて高い、という問題意識。
産卵地の消失海面上昇や台風の大型化で、産卵に適した砂浜が浸食され失われる。繁殖の“場所そのもの”が減るため、回復の土台が削られていく。
IUCNレッドリスト上の位置づけ(世界全体)IUCNでは「Endangered(EN:絶滅危惧)」とされている。世界全体の評価は依然として EN のまま、という理解。
地域差(回復と減少の同時進行)一部地域(ハワイ、フロリダなど)では保護の成果で回復傾向がある一方、東南アジアや南太平洋などでは減少が止まらない地域もある。“局地的な回復”はあっても、“世界全体では予断を許さない”という結論につながる。
日本における位置づけ日本(小笠原諸島・南西諸島など)は北太平洋最大の繁殖地。日本の取り組みは、世界規模の保全の中でも重要な意味を持つ、という前提。
日本の課題① 混獲定置網などへの混獲(意図せず網にかかる)が依然として大きな課題。“漁業との接点”が、いまもリスクの中心に残っている。
日本の課題② 光害砂浜周辺の人工光で、孵化直後の子ガメが海ではなく陸へ向かってしまう(光害)。深刻な問題として対策が進められている、という現状認識。
まとめ(2014の脅威+新しい脅威)2014年の図鑑にあった「混獲」「生息地の破壊」「海洋ごみ」は今も解決していない。さらに「温暖化による性別の偏り」「マイクロプラスチックの影響」など、目に見えにくく回避が難しい脅威が加速している。“古い問題が残ったまま、新しい問題が増えた”——これが「複雑化」の正体、という締めの整理。
アオウミガメを取り巻く脅威は2014年以降、海洋プラスチックによる誤飲・ゴーストネット等の物理的影響に加え、気候変動に伴う砂温上昇による性比偏向(フェミニゼーション)や産卵地浸食が顕在化し、複合化している。IUCN上は依然ENで、地域的回復例はあるが減少域も残る。日本では混獲と光害が主要課題である。

⬇︎アオウミガメの保護活動の種類です。必要なら開いてください。⬇︎

保護活動の種類内容の概要
産卵地の保護産卵ビーチでの巡回・監視、卵の盗掘防止、必要に応じた巣の保護(囲い)や移設、人工ふ化、夜間の人工光(光害)対策などで、産卵メスと卵・ふ化仔の生存率を上げる。
混獲の防止エビトロール等でのTED(ウミガメ除け装置)の導入・改良、延縄など別漁法での対策(釣り針・操業方法の改善等)を進め、誤って捕まる個体を減らす。
海洋ゴミ対策プラスチックごみ等の誤食・絡まり(エンタングルメント)を減らすため、海岸清掃、流出抑制、回収・啓発を進める。
国際的な取引規制ワシントン条約(CITES)での規制を根拠に、国際取引や違法流通を抑止し、需要側も含めて圧力を下げる。
保護区の設定産卵地だけでなく、回遊ルート・索餌域(海草藻場やサンゴ礁周辺など)の重要海域を保護区や管理区域として整備し、開発・劣化の影響を減らす。
市民・地域参加住民・観光客と連携した見守り、保護活動への参加、教育プログラム、エコツーリズム等で「守る側」を増やし、違法採捕や生息地劣化の抑止につなげる。
研究とモニタリング標識(タグ)や衛星追跡による回遊把握、産卵数・上陸数の調査、死亡要因(漁具・船舶衝突など)の記録、疾病(例:腫瘍性疾患)の監視などで、対策の優先順位を更新する。

出典

最後に

これを読んでみて何を感じましたか?

ゴーストネットによる「捨てられた漁網などの海洋ごみに絡まり、身動きが取れず溺死/肢の損傷・切断を余儀なくされるケースが続く」って書いてあったけど、そんなに大量の網が放置されているって、ちょっと想像しにくいんだよね。
実際、どれくらいの網が放置されてるの? それと、なんで放置されるのか理由も知りたい。

うん、そこ気になりますよね。
放置されたら、素人目には「そのうち底に沈んじゃうんじゃない?」って思ったりもするけど、実際はどうなんだろう。

そのあたり、ちょっと調べてみます。


論点(何を深掘りする?)事実・仕組み(データ/なぜ起きる?)影響・重要ポイント(何が危険?/感じること)
1) どれくらい「網」が海に出ているのか年間約64万トンの漁具(ゴーストギア)が海で失われる/放棄される、という推計がある。「想像しにくい」が、数字で見ると規模が別次元。いったん海へ出ると回収が困難で、問題が“積み上がる”。
太平洋ゴミベルト(GPGP)との関係北太平洋の集積域(GPGP)の漂流ごみは、質量ベースで少なくとも46%が漁網だった、という調査報告がある。 「生活ごみ」だけではなく、漁業由来の大型漂流物が“重量”を支配している可能性が示される。
漁具の種類別「年間流出率」文献レビュー/メタ分析で、網 5.7%・トラップ 8.6%・釣り糸 29%が毎年失われる推計が示されている。「一部の例外」ではなく、構造的に毎年一定割合が海へ出る前提になってしまう。
2) なぜ放置されるのか(意図/事故の両方)悪天候・海流で流失、ブイ外れで位置不明/根掛かりで引き揚げ不能となり切断/IUU漁業では証拠隠滅の投棄/処分コストが回収の障壁になる。“わざと捨てる”だけでは説明できず、事故+コスト+違法が重なって発生する。対策も単発では効きにくい。
3) 「そのうち沈むんじゃない?」の誤解現代の網はナイロン等の合成繊維で、自然分解しにくい(長期残存)。さらに、浮沈のサイクル(捕獲→重みで沈む→腐敗等で軽くなる→再浮上)で、漂流・捕獲が繰り返され得る。ここが“執念深い”核心。沈んで終わりにならず、何度も“再起動”するから厄介。
4) 海の利用者(船/人)への実害漂流ロープ・漁網等がプロペラに絡み、航行に支障が出る「推進器障害」は現実に起きる(原因として漂流ロープ・漁網等が明記される)。漁業者だけの問題ではなく、遭難リスクとして広がる。見えにくい漂流物ほど回避が難しい。
ダイバー/遊泳者への脅威(視認性の低さ)水中では網やロープが見えにくく、絡まりはスイマーやダイバーにもリスクとなり得る(絡まりリスクへの言及)。「見えない壁」
パニックや脱出困難が致命傷になり得る。
結論としての捉え方ゴーストネットは、放置された瞬間から「対象を選ばない捕獲装置」になりうる。“意志を持たない捕食者”
絶滅危惧種も人間も区別しないし、損失が“見えない場所で増え続ける”ことが解決を難しくしている。
ゴーストネット(流失・投棄漁具)は、国際推計で年間約64万トンが海洋へ流出し、文献レビューでは網5.7%、トラップ8.6%、釣り糸29%が毎年喪失すると推計される。北太平洋亜熱帯収束帯の漂流ごみでは質量の相当部分を漁網が占めるとの報告もある。悪天候・根掛かり・IUU漁業・回収処分費用が発生要因となり、合成繊維網は分解しにくく浮沈を反復して幽霊漁業を長期化させる。結果として生物の絡まり・誤食に加え、船舶の推進器障害や遊泳者の安全を脅かし、不可視性が管理を困難にする。

「浮遊してる網に魚がかかって、その重みでいったん沈む。で、しばらくして魚が腐ったり食べられたりして軽くなると、また“ふわ〜”って幽霊みたいに浮いてくる。だからゴーストネットって呼ばれてる」っていう仕組みが、すごくよくわかったよ。
それにしても、量がもう……びっくりを通り越して唖然だよね。年間約64万トンって。

注意:年間約64万トンという推計が“よく引用される”(ただし推計根拠が弱い可能性を指摘する研究もある
ちょっと調べたら「1分ごとに車1台分くらいの重さの漁網が、世界のどこかの海へボチャンって沈んだり、流されたりしてる計算になる」って出てきてさ。いや、衝撃だよ。

出典:Convention on Plastic Pollution Essential Elements: Fishing Gear

そうみたいですね。私も知人のヨット乗りの方が、以前「最近、網とかロープがスクリューに絡まることが増えたから、高い場所を切れるハサミを積んで航海してるよ」って言ってたのを思い出しました。

それと、これって海だけじゃなくて、宇宙でも似た話があるんですよね。宇宙ゴミって呼ばれていて、総量は1.5万トンを超えるという見積もりもあるみたいです。海のゴーストネットみたいに“幽霊”というより、宇宙のほうはレーシングカーより速い速度で飛び交ってるのが怖い、っていう話で。
出典:Space Environment Statistics

……ちょっと話が飛んじゃいましたけど、私キャンプも趣味でよく行くんです。野営でも市営のキャンプ場でも、毎回決めてるのは、ゴミを持ち帰るのは当然として、来たときよりもきれいにして帰るってことです。

それに、バイクで走ってるときも、側道に落ちてるペットボトルとか見つけると拾ったりしてます。申し訳ないけど、私はペットボトルと空き缶専属なんですけどね(笑)。ツーリングに行くときは、それ専用のバッグを積んで、ちょっと“お宝探し”みたいな気分でやってます。

なんか自慢話みたいになっちゃったけど、これって結局、自分に返ってくるって気づいてからやってるんです。ゴミ拾うと気持ちがいいし、見た目がきれいになると、捨てる人も減る気がしますしね。


そして、『あなた』は、これを読んでみてどのように感じましたか?

コメントで意見を聞かせてくれると嬉しいです。

あなたの貴重な5分を本当に、ありがとうございました。

アオウミガメに、あなたの5分が届くことを祈ります。

鶏人|Keijin

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