※このページは、[IUCNレッドリスト]世界の絶滅危惧生物図鑑(2014年版)に基づいて制作した個人ブログです。
※画像はすべてAI生成(DALL·E)によるイメージであり、実際の生物写真ではありません。
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こんにちは、fukumomo3_photo です。
ゴライアスガエル(Conraua goliath)は、
2014年、図鑑に【EN:危機】として分類されていました。
2019年、IUCNレッドリストで、【EN:危機】と評価されました。
つまり、2014年から2019年にかけて、ゴライアスガエルは
「流れる水音の裏に、変わらぬ危機の囁き」状態なのです。
※2025年時点で、IUCNレッドリストにおけるゴライアスガエルの最新評価は2019年版です。それ以降の更新は行われていません。
この記事は、とても短く5分で読めるので、どうぞ最後まで読んでいただけると嬉しいです。
※本記事は専門家による学術的な評価ではなく、公開された資料に基づく個人の調査・見解を含んでいます。
最新かつ正確な分類や保全状況については、IUCN公式サイトなどをご確認ください。
参考:https://www.iucnredlist.org/species/5263/96062132
ペット取引の歴史と、変わりゆく価値観
⬇︎ゴライアスガエルの生態です。必要に応じてご覧ください。⬇︎

| 項目 | 情報 |
|---|---|
| 和名 | ゴライアスガエル |
| 英名 | Giant Slippery Frog |
| 学名 | Conraua goliath |
| 分類 | 両生類・ゴライアスガエル科(Conrauidae) |
| 分布 | 西アフリカ(カメルーン南西部、赤道ギニア) |
| 主な生息地 | 熱帯雨林の急流河川や滝周辺 |
| 体長 | 成体で最大約32cm(体長のみ) |
| 体重 | 最大3.3kg(世界最大のカエル) |
| 寿命 | 野生下で15年ほど、飼育下で20年以上生きる例も |
特徴
- 世界最大のカエル:体長30cm超、体重3kg以上に達し、ジャンプ力も優れている。
- 鳴かないカエル:他の多くのカエルと異なり、鳴嚢がなく、声を発しない。
- 強靭な脚:後肢が非常に発達しており、3m以上ジャンプできる。
- 卵とオタマジャクシ:卵は水中の岩の隙間などに産みつけられる。オタマジャクシも大型だが、主に水生植物を食べる。
生態と行動
- 生息環境:冷たく酸素量の豊富な急流河川や滝の周辺に限定される。
- 繁殖:オスは川辺で繁殖地を守り、流れをせき止めて産卵場所を整えることがある。
- 捕食者:幼生は魚や水鳥に、成体はヘビや人間によって捕食される。
- 人間との関係:現地では食用として捕獲されるほか、ペット取引の対象にもなる。
2014年絶滅危惧種:ゴライアスガエル【EN:危機】
この種は体が巨大なためにペットとして取引のターゲットとされ、毎年およそ300頭がカメルーンからアメリカへと輸出されている。
出典:訳者 岩槻邦男,太田英利 / 発行者 池田和博 / タイトル「IUCNレッドリスト世界の絶滅危惧生物図鑑」/発行所 丸善出版株式会社 / 発行 2014/01/31 ©️Kunio Iwatsuki, Hidetoshi Ota, 2014
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 絶滅危惧の評価 | 2014年・2019年ともに EN(危機)。個体数は過去数十年で50%以上減少と推定され、依然高いリスク。 |
| 主な脅威 | 乱獲:食用・ペット取引目的で狙われやすい。 生息地破壊:農地拡大、森林伐採、インフラ開発、水質汚染。 |
| ペット取引の現状 | ・赤道ギニア:政府が年間300頭まで輸出を制限(2014年の記録と一致)。 ・カメルーン:クラスA保護種で捕獲・取引は禁止だが、違法取引が横行。 |
| 規制と実態の乖離 | 法的には厳しく規制されているが、現地では狩猟や未記録取引が続いている可能性。 |
| 保全の取り組み | ・生息地の一部を国立公園や保護区に指定。 ・NGOと地域住民が協働し、生態調査・環境教育を実施。 ・子どもや若者に保護の重要性を伝える活動も展開。 |
図鑑に記載されていた状況から10年以上が経過しました。
しかし、ゴライアスガエルを取り巻く脅威(特にペット取引を含む乱獲と生息地の破壊)は残念ながら継続している。
⬇︎ゴライアスガエルの主な保護活動の種類です。必要に応じてご覧ください。⬇︎
| 保護活動の種類 | 内容の概要 |
|---|---|
| 生息地の保護 | 熱帯雨林の河川や滝周辺の生息環境を保護し、森林伐採や農地拡大を規制 |
| 混獲・乱獲の防止 | 食用やペット目的の過剰捕獲を防ぐため、採取制限と法的規制を導入 |
| 水質保全 | 河川の汚染やダム建設による流域環境の悪化を防ぐため、水質管理や環境影響評価を実施 |
| 国際的な取引規制 | ワシントン条約(CITES)附属書Ⅱに掲載され、国際取引を管理 |
| 保護区の設定 | 生息地を含む国立公園や自然保護区を整備し、環境破壊を抑制 |
| 市民・地域参加 | 地域住民による監視や持続可能な利用の啓発活動を推進 |
| 研究とモニタリング | 個体数調査や繁殖生態研究を行い、減少要因や保全効果を評価 |
主な取り組み
- 生息地保護:熱帯雨林の河川・滝周辺を守り、森林伐採や農地拡大を規制
- 乱獲対策:食用やペット目的の過剰捕獲を防ぐため法規制を実施
- 水質保全:ダム建設や農業排水による河川環境悪化を防ぐ取り組み
- 国際保護条約:CITES附属書Ⅱで国際取引を規制
- 保護区設定:カメルーンや赤道ギニアの生息地を自然保護区に指定
- 地域参加:住民への環境教育や持続可能な利用の啓発
- 研究調査:個体数モニタリングと繁殖生態研究による保全支援
最後に
これを読んでみて、どのように感じましたか?
「10年って長いよね」
私も、ペット取引の闇は奥が深いと感じてます。
「奴隷制度廃止の影響とかあるのかな?」
『ペット=奴隷』と捉える方もいると聞きます。調べてみますね。
結論から言うと、人間の奴隷制度が廃止されたことによって、直接的にペット取引が変化したという歴史的な因果関係はない。
なぜなら、両者は全く異なる思想的・法的背景から進展したからである。
しかし、「命あるものを所有し、取引する」という構造自体に着目し、”奴隷制度廃止”の時代から現代までを眺めると、社会の価値観の変化がペット取引に大きな影響を与えてきたことがわかる。
| 時代 | 社会的背景・思想 | 動物観・法律 | ペット取引への影響 |
|---|---|---|---|
| 19世紀(奴隷制度廃止期) | 奴隷解放運動は「人間の権利」を中心とした闘争 | 動物=「動産(モノ)」として扱われ、所有者の自由に任される | ペット取引は倫理的に問題視されず、取引はそのまま継続 |
| 19世紀〜20世紀初頭(動物福祉の萌芽) | 「動物福祉」の思想が登場(苦痛を減らすべき) | 英国で世界初の動物虐待防止法(1822 マーチン法)、SPCA設立 | 動物を「保護の対象」とみなす流れが始まるが、ペット取引自体の是非は問われず、日本では「畜犬商」が登場 |
| 20世紀半ば(戦後〜高度経済成長期) | ペット=「家族の一員」「コンパニオンアニマル」 | 獣医療やペット産業が発展 | 需要拡大で市場が巨大化、同時にパピーミルや飼育放棄などの問題が深刻化(命の大量生産・大量消費) |
| 20世紀後半〜現代(動物の権利思想の登場) | 「動物は苦痛を避ける対象」から「搾取されない権利を持つ存在」へ | 各国で動物愛護法が強化、日本では「動物愛護管理法」の改正が進む | ペット取引に厳しい規制、消費者意識も「ShopからAdoptへ」変化。命の売買そのものが社会的議論の対象に |
ここからは視点を変えて、SDGsの目標を生き物全て(野生動物、家畜、ペットなど)に当てはめてみる。
出典:国際連合広報センター:持続可能な開発目標(SDGs)ー 事実と数字
| 目標 | 動物にとっての意味 | うまく回る世界の姿 |
|---|---|---|
| 目標1:貧困をなくそう | 食料・水・住処を失う=動物にとっての「貧困」 | 生き物たちの貧困をなくすことで生態系が守られ、人間社会もきれいな空気や水、食料を享受できる |
| 目標2:飢餓をゼロに | 餌の枯渇、乱獲による食物網の崩壊、ネグレクト | 生態系がバランスを保ち、持続可能な漁業・農業が安定する |
| 目標3:すべての人に健康と福祉を | 動物福祉(アニマルウェルフェア):恐怖やストレスのない種らしい生 | 動物の健康を守ることが人の健康や社会倫理の向上、「One Health」にもつながる |
| 目標14:海の豊かさを守ろう | プラスチックごみに苦しむ海洋生物の視点 | 豊かな海は気候安定・資源供給の基盤となり、人間社会も持続する |
| 目標15:陸の豊かさも守ろう | 森林伐採や開発で住処を失う陸上動物の視点 | 陸の生態系が保たれることで、人間も安定した環境と資源を得られる |
| 目標16:平和と公正をすべての人に | 密猟・虐待・娯楽搾取からの解放、尊厳ある命 | 動物への暴力を許さない社会は、人間同士の暴力や差別にも敏感となり、真の平和が広がる |
SDGsを全ての生き物に適用することは、この人間中心主義的な考え方から脱却し、「地球という一つの生態系に暮らす一員として、他のメンバーと共にいかに持続可能な形で生きていくか」という、より本質的な問いに向き合うことになる。
それは、SDGsが掲げる「誰一人取り残さない(Leave No One Behind)」という理念を、「どの命一つ取り残さない(Leave No Life Behind)」へと昇華させることが、非常に重要である。
ここまで読んで、『あなた』は、どのように感じましたか?
コメントで意見を聞かせてくれると、とても嬉しいです。
あなたの貴重な5分間を、本当にありがとうございました。
ゴライアスガエルに、あなたの5分が届くことを祈ります。
fukumomo3_photo
インスタでは、ゴライアスガエルたちの姿を“図鑑みたいに”並べて見られます。
ビジュアルで伝える命の物語、よかったらのぞいてみてください。



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