11年後のレッドリスト|オオブロンズヤモリ(Ailuronyx trachygaster):狭い森に守られ、逃げ場のない夜を生きる【IUCNレッドリスト比較】

11年後のレッドリスト|オオブロンズヤモリ(Ailuronyx trachygaster):狭い森に守られ、逃げ場のない夜を生きる【IUCNレッドリスト比較】 11年後のレッドリスト
※このページは、[IUCNレッドリスト]世界の絶滅危惧生物図鑑(2014年版)に基づいて制作した個人ブログです。

Hi there, it’s 鶏人|Keijin.

Back in the 2014 encyclopedia, the species listed as the “Zarabara Bronze Gecko” (Ailuronyx trachygaster, hereafter referred to as the Giant Bronze Gecko) was classified as “VU: Vulnerable.” At the time, its habitat was confined to a very tiny area in the Seychelles, meaning that just one single event—like the invasion of an alien species or a forest fire—could easily and rapidly push it straight to the brink of extinction.

In recent years, various conservation efforts have been put in place. These include a ban on capturing, possessing, selling, and exporting them under Seychelles domestic law, international trade management through CITES Appendix III, and measures to control invasive alien ants. They’re also tracking individuals using PIT tags, running long-term monitoring across three major habitats, and training local staff.

However, looking at the IUCN Red List available as of 2026, its confirmed habitat is now strictly limited to a tiny patch of mature Coco de Mer forest on Praslin Island. Because invasive alien ants have spread throughout its entire range and the quality of its habitat just keeps dropping, it is now classified as “CR: Critically Endangered.” This downgrade from VU to CR happened back in 2021 and was kept in the latest 2025 assessment.

I feel like the Giant Bronze Gecko is still out there today, “sheltered by a tiny forest, surviving the nights with nowhere left to run.”

I’ve put together some more detailed information in the dropdown section. But even if you only read this main text, I’d really appreciate it if you could stick with me to the very end.

こんにちは、鶏人|Keijinです。

2014年の図鑑で「ザラバラブロンズヤモリ」として掲載されていた種(Ailuronyx trachygaster。以下、オオブロンズヤモリ)は、2014年の図鑑では、分布がセーシェルのごく狭い範囲に限られ、外来種の侵入や森林火災など、一度の出来事でも急速に絶滅危機へ陥る可能性があったことなどから「VU:危急」と評価されていました。

近年は、セーシェル国内法による捕獲・所持・販売・輸出などの禁止、CITES附属書IIIによる国際取引の管理、侵略的外来アリの防除、PITタグを用いた個体追跡、3つの主要生息地での長期モニタリング、現地職員の育成などが進められています。

そして、2026年時点で確認できるIUCNレッドリストでは、確実な分布がプララン島のごく狭い成熟したフタゴヤシ林に限られ、侵略的外来アリが分布域全体へ拡大し、生息環境の質が低下し続けていることから「CR:深刻な危機」と評価されています。VUからCRへの変更は2021年に行われ、2025年の最新評価でも維持されました。

オオブロンズヤモリは今も、「狭い森に守られ、逃げ場のない夜を生きる」という状態なのだと思います。

少し詳しい内容は折りたたみの中にまとめています。
まずは本文だけでも、最後まで読んでもらえたらうれしいです。

※2014年の図鑑では「ザラバラブロンズヤモリ」として掲載されていますが、現在の日本語情報では「オオブロンズヤモリ」または学名の Ailuronyx trachygasterで扱われることが多いため、本記事では両方を併記します。
※2026年時点で、IUCNレッドリストにおける最新評価は2025年評価(2025年公開)です(以降の更新は、現時点では確認できていません)。
※本記事は専門家による学術的な評価ではなく、公開された資料に基づく個人の調査・見解を含みます。
※IUCN評価は「世界全体」と「地域・個体群」で分かれる場合があります。地域によって状況は異なります。
最新かつ正確な分類や保全状況については、IUCN公式サイトなどをご確認ください。
参考:IUCN Red List(学名:Ailuronyx trachygaster

オオブロンズヤモリはなぜVUからCRへ悪化したのか

⬇︎オオブロンズヤモリの生態(基本情報)です。必要なら開いてください。

基本情報|オオブロンズヤモリ(英名:Giant Bronze Gecko)

オオブロンズヤモリ Ailuronyx trachygaster は、セーシェルのプララン島だけに生息する大型の樹上性ヤモリです。成熟したココ・デ・メール林の連続した樹冠に強く依存し、2025年のIUCN再評価では CR:深刻な危機とされました。現在、シルエット島の過去記録は疑問視され、確実な分布はプララン島だけとされています。

項目内容
和名オオブロンズヤモリ
英名Giant Bronze Gecko
別英名Yellow Gecko
学名Ailuronyx trachygaster
学名表記Ailuronyx trachygaster (Duméril, 1851)
原記載名Platydactylus trachygaster Duméril, 1851
命名者Auguste Duméril
記載年1851年
属名Ailuronyx
属の命名者・命名年Fitzinger, 1843
シノニムPlatydactylus trachygaster、Aeluronyx trachygaster
タイプ標本MNHN-RA 6679
タイプ産地の問題原記載標本にはマダガスカル産とする情報が付けられていたが、産地情報は疑問視され、現在はセーシェルのプララン島固有種とされる
分類動物界・脊索動物門・爬虫綱・有鱗目・ヤモリ科・ブロンズヤモリ属
Squamata、有鱗目
Gekkonidae、ヤモリ科
Ailuronyx、ブロンズヤモリ属
属の構成Ailuronyx seychellensis、Ailuronyx tachyscopaeus、Ailuronyx trachygaster の3種
近縁種セーシェルブロンズヤモリ Ailuronyx seychellensis、コガタブロンズヤモリ Ailuronyx tachyscopaeus
固有性セーシェル固有種
分布国セーシェル
現在確認される分布島プララン島
過去に報告された島シルエット島
シルエット島記録広範な調査でも再確認されず、2025年IUCN評価と2026年の形態研究では疑わしい記録とされた
主な生息地域ヴァレ・ド・メ、フォン・フェルディナンド、フォン・ペペル周辺
ヴァレ・ド・メココ・デ・メール林が残るユネスコ世界遺産で、本種の主要生息地
標高海抜約30~350m
分布域面積IUCN評価で約8平方km
占有面積IUCN評価で約8平方km
適した生息環境の面積成熟したココ・デ・メール林は約4平方km以下と推定される
IUCN上のロケーション数1か所
生息環境熱帯・亜熱帯の湿潤低地林
特に依存する森林成熟したココ・デ・メールが優占するヤシ林
ココ・デ・メールオオミヤシとも呼ばれるセーシェル固有の大型ヤシ。学名は Lodoicea maldivica
森林構造樹冠が途切れずにつながった成熟林を利用する
孤立したヤシの利用ココ・デ・メールが単独で生える場所や、樹冠が分断された林ではほとんど確認されない
改変環境への適応劣化した森林や開放地からは確認されておらず、人為改変への適応力は低い
生活場所ココ・デ・メール林の高い樹冠部
生活型樹上性
活動時間主に夜行性
移動形態樹幹、葉柄、葉、花序の間を移動する
地上移動地上での動きは樹上ほど敏捷ではなく、連続した樹冠の分断は移動を妨げる
季節移動行わない
外見太く頑丈な胴体、大きな頭、太い四肢、大きな指先を持つ
大きさ世界最大級の現生ヤモリの一種
成体の頭胴長約150~172mm
全長尾を含めると頭胴長を大きく上回るが、尾の欠損・再生による変動が大きい
体型同属のほかの2種より大型で、幅広く重厚
頭部大きく、幅が広く、上下に深い
比較的長く、先端は丸みを帯びる
大きく突出し、暗所での活動に適する
瞳孔縦長
耳孔眼の後方に小さな耳孔がある
背面の色黄褐色、青銅色、オリーブ褐色、暗褐色など
体色の変異明るい黄色に近い個体から、黒褐色の細かな斑点が密集する暗色個体まで見られる
英名の由来青銅色を帯びた体色と、ブロンズヤモリ属最大の体格に由来する
背面の鱗低い円錐形の鱗が並び、大きな鱗には低い隆起がある
二次鱗大きな背面鱗の間に、より小さく平たい鱗が見られる
腹面の鱗表面に細かな凹みを持つ
頭骨表面に非常に強い凹凸状の彫刻構造を持つ
頭骨の特殊性2026年の研究では、頭骨と下顎を合わせて最大13個の骨に粗い彫刻構造が確認された
頭骨の比較近縁の A. seychellensis と A. tachyscopaeus の頭骨表面は比較的滑らか
頭骨構造の機能体温調節、皮膚腺、視覚的な信号、咬合力との関係などが考えられるが、機能は未解明
四肢太く筋肉質
指と趾長く、大きく広がった趾下薄板を持つ
趾下薄板1本の指・趾に約27~32枚の接着構造がある
接着能力指先の微細構造によって樹皮、葉、花序などへ付着する
各指・趾に大きな爪がある
雌雄差外見上の差は大きくないが、頭部形状と体重に小さな性的二形がある
雌の特徴雄より体重が重く、頭部が幅広く深い傾向がある
雄の特徴雌より頭部と眼から吻までの距離が相対的に長い傾向がある
防御行動ブロンズヤモリ属では、強くつかまれると皮膚の一部が剥がれやすい
皮膚脱落の役割捕食者につかまれた際に逃げるための防御機構と考えられる
食性花蜜・花粉を中心に利用する植物食性の強い雑食性
主な食物ココ・デ・メールの花蜜と花粉
採食場所特に雄株の長い花序上で多く観察される
花粉の重要性ココ・デ・メールの花粉は主要な栄養源の一つ
果実の利用外来植物であるパラミツの果実を食べた記録がある
動物質の餌小型無脊椎動物を利用する可能性があるが、野生下の食性調査は限られる
植物との共生関係花序上を移動して花蜜や花粉を食べるため、花粉の運搬に関与する可能性がある
送粉への寄与ココ・デ・メールの送粉生態に関わる動物の一つと考えられるが、全体に占める役割は未解明
活動場所の優占成熟したココ・デ・メール林では、花序上で観察される主要な大型ヤモリ
繁殖方法卵生
繁殖生態野生下での交尾、産卵期、産卵数、孵化期間はほとんど解明されていない
産卵場所同属種と同様に、ヤシの葉の裏側などへ卵を接着して産む可能性がある
卵の性質硬い殻を持つ接着卵と推定される
産卵数野生下での確実な記録は不足している
幼体成体より細身で、体色や模様が異なる場合がある
幼体の観察樹冠の高所にいることや小型であることから、野外調査では発見例が少ない
性成熟不明
寿命野生下・飼育下ともに確実な寿命資料はない
社会性詳細不明
縄張り花序や樹冠内の餌場をめぐる個体間関係が考えられるが、体系的な研究は少ない
個体数現在の島全体の正確な個体数は不明
2005年の推定調査地点からの推定で3,389±205個体
2016年の推定ヴァレ・ド・メで幼体・亜成体を含め約1,848個体
2016年推定の限界調査地外のヤシ密度の低さを十分に反映しておらず、過大推定の可能性がある
2024年の調査ヴァレ・ド・メ、フォン・フェルディナンド、フォン・ペペルで検出率の低さが報告された
成熟個体数確実な推定値はない
個体数傾向減少
遺伝的多様性同属のほかの種より低い遺伝的多様性が報告されている
遺伝的な懸念繁殖力、病気への抵抗力、環境変化への適応能力が低下する可能性がある
IUCNレッドリストCR:深刻な危機
現行評価年2025年
評価日2025年1月23日
評価基準B1ab(iii)+2ab(iii)
2021年評価CR:深刻な危機
2006年評価VU:危急
CRの主な理由分布域と占有面積が10平方km未満で、実質的に1地点へ集中し、生息環境の質が低下しているため
最大の外来種脅威アシナガキアリ、Yellow Crazy Ant
アシナガキアリの学名Anoplolepis gracilipes
外来アリの分布2016年以降に拡大し、現在はプララン島における本種の分布域全体へ広がっている
外来アリの影響ヤモリへの直接的な攻撃、餌生物の減少、樹上生態系の変化を引き起こす可能性がある
国際ペット取引2017年ごろから国際市場での取引が急増した
2018年の販売例約40ペアがオンライン上で販売されていたと報告された
取引規模の影響すべて野生採集個体だった場合、ヴァレ・ド・メ推定個体群の少なくとも約4%に相当する
野生採集当時は確立した飼育繁殖記録が乏しく、販売個体に野生由来個体が含まれた可能性が高い
現在の飼育繁殖海外の個人飼育者によって少数が繁殖されている
CITES附属書III
CITES掲載国セーシェル
CITES掲載の発効2024年11月25日
CITES附属書IIIの意味セーシェルが本種の国際取引管理について、ほかの締約国へ協力を求めたもの
国内保護セーシェル国内で保護対象
ココ・デ・メールの種子採取種子の密猟と過剰採取がヤシの世代更新を妨げ、長期的に本種の生息地を失わせる
森林火災分布域が一か所へ集中するため、大規模火災が種全体へ壊滅的な影響を与える可能性がある
生息地の分断樹冠の連続性を失わせ、採食場所と移動経路を切断する
気候変動降水量の変化、干ばつ、高温、極端気象、火災危険の増加が予測される
高温の影響卵の発生、孵化率、幼体の生存、繁殖行動、性比に影響する可能性がある
高地への移動すでに島内の高い場所まで分布する個体群では、気温上昇時に移動できる上方の生息地が少ない
観光の影響将来的な観光施設の拡大や人の立ち入りによる攪乱が脅威として挙げられている
病気爬虫類の新興感染症が潜在的な脅威だが、本種での発生状況は不明
主な保全地域ヴァレ・ド・メ自然保護区、フォン・フェルディナンド、フォン・ペペル
保全活動個体数調査、標識再捕獲、長期モニタリング、外来アリ対策、ココ・デ・メール林の管理
森林管理ココ・デ・メールの種子を一定割合残し、森林の自然更新を維持する
取引対策CITESによる輸出入記録・許可制度と、違法採集・販売の監視
生息域外保全IUCNの2025年評価では、正式な生息域外保全計画は実施されていない
保全上の特徴個体数だけでなく、依存するココ・デ・メール林と樹冠のつながりを同時に守る必要がある
生態系での役割花蜜・花粉を利用する大型樹上性ヤモリとして、ココ・デ・メール林の食物網と花粉移動に関わる

2025年のIUCN評価では、アシナガキアリが本種の分布域全体へ拡大したこと、成熟したココ・デ・メール林への依存、国際ペット取引、火災や気候変動が主要な危険として挙げられています。生息可能な森林は約4平方km以下で、評価上は1か所に集中する種です。

2026年の形態研究では、確実な野生分布がプララン島だけであることが改めて支持されました。また、本種は同属の2種より重く、頭部が幅広く、指が長いほか、最大13個の頭骨・下顎骨に強い凹凸状構造を持つことが明らかになっています。

基本情報:出典

最終評価2025年:オオブロンズヤモリ「CR:深刻な危機」

このヤモリは、現在,必ずしも減少傾向にあると考えられているわけではないが、そのせまく限られた分布範囲から、たとえばこの種の存続に悪影響を及ぼす侵略的外来種の侵入・分布拡大のような、偶然の出来事がもたらしうる絶滅の危機と隣り合わせになっている。

出典:訳者 岩槻邦男、太田英利 / 発行者 池田和博 / タイトル『IUCNレッドリスト世界の絶滅危惧生物図鑑』/ 発行所 丸善出版株式会社 / 発行 2014/01/31 / © Kunio Iwatsuki, Hidetoshi Ota, 2014

オオブロンズヤモリ(Ailuronyx trachygaster)|2026年時点の現状まとめ
出典:IUCNレッドリスト|オオブロンズヤモリ(Ailuronyx trachygaster

2026年7月時点で確認できる最新評価は、2025年1月23日に実施されたIUCN評価です。2014年の図鑑が参照していた「VU・減少傾向は明確でない」という段階から、現在は「CR・減少傾向」へ二段階悪化しています。

項目2014年の図鑑現在(2026年確認)
種名ザラバラブロンズヤモリ。英名Giant Bronze Gecko、学名Ailuronyx trachygaster学名・英名に変更はない。英名にはYellow Geckoも使用される
IUCNカテゴリー絶滅危惧II類・VU。2006年に公表された評価を掲載深刻な危機・CR。2021年にVUからCRへ引き上げられ、2025年の最新評価でもCRが維持された
評価基準VU D2。分布域や生息地点がきわめて限られ、短期間で危機的状態に陥る可能性があることを重視した評価CR B1ab(iii)+2ab(iii)。分布域と生息面積が極端に小さく、脅威上の「1ロケーション」しかなく、生息環境の面積・範囲・質の継続的低下が認められる
2014年以降の変化「必ずしも減少傾向にあるとは考えられていない」と記載IUCNの個体群傾向は「減少」とされた。ただし、比較可能な長期基準データがないため、減少率や減少個体数はまだ算出されていない
分布セーシェル諸島のシルエット島とプララン島のみに分布するとされていた確実な分布はプララン島だけと判断された。シルエット島では広範な調査を行っても確認されず、過去の記録自体が疑問視されている
分布範囲2島に限られる非常に狭い分布として説明生息範囲はプララン島内のごく一部。IUCN本文では分布範囲EOO約7平方キロメートル、生息面積AOO約8平方キロメートルとされ、集計欄ではいずれも約8平方キロメートルとされている
実際に利用できる生息環境プララン国立公園内の生息地が保護されていると記載適した環境は最大でも約4平方キロメートルで、実際にはそれよりかなり小さい可能性がある。成熟したフタゴヤシ林の連続した樹冠にほぼ完全に依存する
IUCNの「1ロケーション」の意味明確な記載はない生息地が一か所だけという意味ではない。ヴァレ・ド・メ、フォンド・ペペール、フォンド・フェルディナンドなど複数地点にいるが、侵略的外来種の影響が全分布域に同時に及び得るため、脅威上は1ロケーションと評価された
生息環境樹枝の背景に溶け込む体色をもち、森林に生息すると説明単独のフタゴヤシや孤立した小群落では確認されず、劣化した森林からも知られていない。主に高い樹冠部で生活し、フタゴヤシの花序から花粉や蜜を食べる
過去の個体数推定図鑑本文では具体的な個体数を示していない2005年の調査ではプララン島全体で3,389±205頭と推定された。2014~2016年の標識再捕獲調査では、ヴァレ・ド・メに約1,848頭と推定されたが、最良の生息環境から外挿したため過大推定の可能性がある
最新の個体数「減少しているとは限らない」という段階成熟個体数と全個体数の最新推定値は未確定。2024年の3地域調査では1時間当たりの確認数が約0.35~0.95頭と低かったが、個体数解析はまだ完了していない
個体数比較の注意点2000年代の調査結果を基礎としていた2005年の3,389頭と2016年の1,848頭は対象地域・調査法・推定方法が異なるため、数字だけを引き算して減少率を求めることはできない
侵略的外来種「侵略的外来種が侵入・分布拡大すれば、偶然の出来事から絶滅危機に陥る」と将来の可能性として記載懸念が現実化した。アシナガキアリと呼ばれる侵略的外来種Yellow Crazy Antが再侵入し、2009年にヴァレ・ド・メで確認、2018年までに同保護区全域へ拡大し、現在は本種のプララン島内の全分布域に存在するとされる
外来アリの影響将来起こり得る脅威在来ヤモリ類や樹上性貝類の個体数・種数を低下させることが確認されている。本種への影響量はまだ正確に測定されていないが、分布域全体の生息環境の質を低下させる主要な継続的脅威と判断された
その他の外来動物主に侵略的外来種全般への警戒ネコ、ネズミ、メンフクロウによる捕食が懸念されている。インドハッカの増加による影響も疑われているが、こちらは未確認
ペット取引図鑑では主要な脅威として詳しく扱われていない2017年以降、国際的な珍奇ペット取引への関心が急増した。2018年初頭だけで約40ペアがオンライン販売され、当時のヴァレ・ド・メ推定個体数の少なくとも約4%に相当した可能性がある
密猟の性質外来種侵入などの偶発的危機が中心ヤモリそのものの違法捕獲に加え、生息基盤であるフタゴヤシの種子密猟も長期的脅威となる。種子の持ち去りが次世代のヤシの更新を妨げれば、数十年後に樹冠林そのものが失われる
生息地の現状生息環境復元や保護区の設定が進められていると記載フタゴヤシ林の面積自体は現在おおむね安定しているが、外来アリ、種子密猟、森林の分断、火災などにより、生息環境の質は継続的に低下していると評価された
火災特に詳しい記載はない大規模火災が一度起きるだけで、主要生息地であるヴァレ・ド・メの大部分が失われる可能性がある。分布域が極端に狭いため、局地的な災害が種全体の危機になる
気候変動明確な脅威としては詳しく扱われていない高温、降雨の季節変化、干ばつ、極端な降雨の増加が脅威として追加された。乾燥化は火災リスクを高め、高温は性比、繁殖行動、孵化率、幼体の生存率に影響する可能性がある
標高移動の限界記載なし温暖化によってより高い場所へ分布を移す可能性があるが、一部個体群はすでに利用可能な最高標高付近にいるため、それ以上逃げる場所がなく、分布縮小につながるおそれがある
遺伝的状態記載なし近縁のブロンズヤモリ類と比べて遺伝的多様性が低いことが示されている。繁殖能力や環境変化への適応力を弱め、絶滅リスクを高める可能性がある
保護区プララン国立公園内の個体群と生息地が保護されている確認されている分布域はプララン国立公園とフォンド・フェルディナンド特別保護区内にある。保護区内に生息する一方、外来アリや密猟などは保護区の境界だけでは防げない
外来アリ対策侵略的外来植物の侵入防止や生息環境復元を実施ヴァレ・ド・メでは2019年から、フォンド・ペペールでは2021年からYellow Crazy Antの防除を実施し、成果が出ている。フォンド・フェルディナンドへの拡大も計画されている
法的保護国立公園による生息地保護が中心セーシェル国内では捕獲、殺傷、販売、所持、輸出などが禁止されている。国際取引についてはCITES附属書IIIに掲載され、輸出時の許可や原産地確認の対象となった
調査・標識生息地復元の進展が中心2014~2016年に250頭以上へPITタグを装着。2024年には約130頭を追加標識し、2014年に標識された2頭が10年後に再捕獲された。成長が非常に遅く、長寿であることを示す重要な記録となった
監視体制の進展個体数の継続監視については限定的2024~2025年の事業で、従来より発見効率の高い経路トランセクト法を確立した。3つの主要生息地で長期監視を開始し、現地スタッフ12人が調査、種判別、計測、PITタグ装着の訓練を受けた
回復計画保護区設定や森林保全が勧告されていた保護、外来種防除、調査は進んでいるが、IUCN上では種に特化した正式な回復計画はまだ「なし」とされる。個体数推定、生活史、取引量、外来種の影響を明らかにする研究が必要
IUCNグリーンステータス制度自体が存在しなかったCritically Depletedと評価され、Species Recovery Scoreは15%。現在の分布と生態的機能が、人間による影響が小さかった状態と比べて大幅に失われていることを示す
2014年の懸念に対する結論外来種侵入のような偶発的出来事が起これば、急速に絶滅へ近づく可能性があると警告していた警告されていた外来種の侵入・分布拡大は実際に起きた。さらにペット目的の違法捕獲、フタゴヤシ種子の密猟、火災、気候変動が重なり、「将来起こり得る危機」から「全分布域で進行中の危機」へ変化した
総合評価分布は狭いが、明確な減少は確認されていないVU分布はプララン島の成熟したフタゴヤシ林だけに絞られ、主要な外来種が全分布域へ広がった。正確な減少率は未解明だが、生息環境の質の低下と複数の継続的脅威によりCRと評価されている

2014年の文章で想定されていた「侵略的外来種の侵入・分布拡大」は、残念ながら予測ではなく現実になりました。ただし、最新のCR評価は「個体数が何%減少した」と証明されたためではなく、極端に狭い分布域全体が一つの脅威にさらされ、生息環境の質が低下し続けていることを主な根拠としています。

2024~2025年には、効率的な調査法の確立、3地域での長期監視、PITタグによる個体追跡、現地スタッフの育成が進みました。一方、最新の総個体数や減少速度を確定する段階にはまだ達していません。

現状まとめ:出典

ザラバラブロンズヤモリは、2014年には分布域の狭さからVUとされ、個体数の明確な減少は確認されていませんでした。しかし現在は、確実な分布がセーシェルのプララン島に限られ、CRへ悪化しています。2014年に懸念されていた侵略的外来種の侵入は現実となり、アシナガキアリが全分布域へ拡大しました。さらに、違法なペット取引、フタゴヤシの種子密猟、森林火災、気候変動、低い遺伝的多様性も重なっています。保護区内で外来アリの防除や個体追跡、長期監視が進められていますが、最新の総個体数や減少速度はまだ明らかになっていません。

⬇︎オオブロンズヤモリの保護活動の種類です。必要なら開いてください。

Giant Bronze Gecko(Ailuronyx trachygaster)は、セーシェルのプララン島だけに分布する固有種です。2025年のIUCN評価ではCR:深刻な危機に分類され、評価基準はB1ab(iii)+2ab(iii)です。成熟したココ・デ・メール林の連続した樹冠に依存し、確認されている生息地は一つの脅威地点として扱われています。主要な直接的脅威は、国際ペット取引を目的とした違法採集と、外来種アシナガキアリの拡大です。

2021年にはセーシェル国内でブロンズヤモリ類の購入、所持、運搬、販売、捕獲、殺傷、攪乱、輸出などが禁止されました。2024~2025年には、ヴァレ・ド・メ、フォンド・ペペール、フォンド・フェルディナンドの3地域を対象とした標準化モニタリング、PITタグによる個体識別、現地職員の研修が進められています。

保全活動の種類具体的な内容実施・提案状況重要度補足
セーシェル国内法による保護Giant Bronze Geckoを含むブロンズヤモリ類を保護動物に指定する2021年から実施中最重要Wild Animals and Birds Protection Actに基づく特別規則が制定された
捕獲の禁止野生個体を捕まえる行為を禁止する実施中最重要科学・保全目的で大臣の許可を得た場合などを除く
殺傷・破壊の禁止個体を殺す、傷つける、意図的に破壊する行為を禁止する実施中最重要違反は国内法上の犯罪となる
攪乱の禁止ねぐら、採食場所、産卵場所にいる個体を意図的に攪乱しない実施中高い樹冠内の生態が十分に分かっていないため、観察や撮影時にも配慮が必要
所持の禁止無許可で生体、死体、標本を所有しない実施中最重要違法採集された個体の国内保管を防ぐ
購入・販売の禁止野生個体や標本の売買、交換、販売目的の展示を禁止する実施中最重要国内需要は小さいが、国際ペット取引への流出防止に重要
運搬の禁止無許可で個体を島内外へ運ばない実施中最重要港湾・空港へ持ち出される前の段階で取り締まる
輸出の禁止生体、保存標本、剝製などの無許可輸出を禁止する実施中最重要科学・保全目的で特別許可が出る場合を除く
違法採集者の取締り森林内の捕獲、密輸準備、仲介行為を捜査する実施・強化必要最重要2017年以降、希少な大型ヤモリとして海外市場で需要が高まった
空港・港湾での監視手荷物、貨物、郵便物に隠された生体や標本を検査する実施・強化必要最重要小型の爬虫類は容器に隠して運びやすい
オンライン取引の監視SNS、専門フォーラム、爬虫類販売サイトの出品を監視する必要最重要2018年初頭には約40ペアがオンライン販売に出されたと推定されている
販売個体の由来確認飼育下繁殖を称する個体の親、出生地、繁殖記録を確認する必要最重要違法な野生個体が飼育繁殖個体として流通する可能性がある
押収個体の管理押収された個体を検疫し、由来と健康状態を記録する必要高い無条件に野外へ戻すと、疾病や産地混同の問題が生じる
CITES附属書IIIによる管理セーシェルからの国際取引に輸出許可などを求める実施中最重要セーシェルの要請に基づき国際取引を管理する
輸入国との情報共有税関、CITES当局、警察、爬虫類取引監視機関が情報を共有する必要高い捕獲国だけでなく、販売国・消費国側の取締りも必要
国際取引記録の分析輸出入件数、押収、オンライン販売、価格動向を継続調査する必要高いIUCNは取引動向のモニタリングを必要な活動としている
違法取引への罰則強化希少種取引の利益を上回る罰金や刑罰を適用する必要高い高額で取引されるため、軽い罰則では抑止力が不足する
種識別資料の整備3種のAiluronyx属を税関・警察が識別できる資料を作る実施・継続必要高い外見が似るため、別種名で申告される可能性がある
DNAによる種同定押収された組織、卵、幼体を遺伝的に識別する必要高い外見だけで判定しにくい個体に有効
ヴァレ・ド・メの保護世界遺産内の成熟したココ・デ・メール林を維持する実施中最重要本種の主要生息地であり、個体群の中心と考えられる
プララン国立公園の管理ココ・デ・メール林、谷、斜面、樹冠を一体的に保全する実施中最重要本種はプララン島以外では確実に確認されていない
フォンド・フェルディナンドの保護国立公園外の重要なココ・デ・メール林を特別保護区として管理する実施中最重要2024年の調査でも本種が確認されている
フォンド・ペペールの保全標高の高いココ・デ・メール林と周辺植生を管理する実施中高い気候変動時の高標高生息地としても重要
成熟したココ・デ・メール林の維持若い植林地だけでなく、大型ヤシと連続した樹冠を残す最重要対策最重要本種は孤立したヤシや劣化した環境ではほとんど確認されない
樹冠の連続性維持ヤシの葉や周辺樹木が接触する樹冠構造を分断しない必要最重要地上移動が不得意で、連続した樹冠を移動に利用する
林冠ギャップの抑制不要な伐採や枝払いによって大きな樹冠の隙間を作らない必要高い樹冠の分断は移動、採食、繁殖相手との接触を妨げる
生息地回廊の保全ヴァレ・ド・メ、フォンド・ペペール、フォンド・フェルディナンド間の森林を維持する必要最重要小集団の孤立と遺伝的交流の減少を防ぐ
ココ・デ・メールの自然更新果実と種子を林内に残し、新しいヤシが育つ状態を維持する実施中・強化必要最重要ヤシの世代更新が止まると、数十年後に生息地が失われる
ココ・デ・メール種子の残置管理下で少なくとも一定割合の種子を採取せず森林に残すSIF管理地で実施最重要SIFでは森林更新に必要な最低水準として約20%を残す管理が行われている
ココ・デ・メール種子の密猟防止高価な種子の違法採取を巡回・監視する実施中最重要合法的な採取に密猟が加わると、ヤシの更新量が不足する
種子採取量の記録採取数、落下数、発芽数、幼木数を毎年記録する実施・継続必要高い現在の採取が将来の森林構造へ与える影響を評価できる
ココ・デ・メール幼木の保護発芽個体や若いヤシを踏圧、伐採、外来植物から守る実施・必要高い本種の将来の樹冠環境を形成する
在来ヤシ林の復元劣化地へココ・デ・メールや在来植物を回復させる必要高い単木の植栽ではなく、連続した成熟林の形成が長期目標
外来植物の除去在来ヤシの発芽・成長を妨げる外来植物を管理する実施中高い除去時にヤモリや産卵場所を傷つけない作業方法が必要
開発の回避生息地内で道路、建物、観光施設を新設しない必要最重要生息範囲が極端に狭いため、小規模な開発でも影響が大きい
開発前の爬虫類調査プララン島の森林開発前に本種の生息調査を行う必要高い樹冠性で発見しにくいため、短時間の地上調査では不十分
生息地オフセットへの慎重対応別の場所への植林だけで成熟林の破壊を補償しない必要最重要数十年から数百年かけて形成されたヤシ林を短期間で再現できない
アシナガキアリの分布監視誘引餌、落とし穴トラップ、目視調査で分布と密度を測る実施中最重要2018年までにヴァレ・ド・メ全域へ広がったとされる
ヴァレ・ド・メでのアリ防除毒餌などを用いてアシナガキアリを抑制する2019年から実施中最重要現在の主要な生息地管理活動の一つ
フォンド・ペペールでのアリ防除生息地周辺でアシナガキアリの個体数を抑える2021年から実施中最重要ヴァレ・ド・メ以外の個体群を守るために重要
フォンド・フェルディナンドへの防除拡大重要生息地へアリ防除を広げる計画・実施準備最重要3主要生息地を一体的に管理する必要がある
防除効果の測定防除前後のアリ密度、ヤモリ数、在来無脊椎動物を比較する実施中最重要毒餌の設置数ではなく、生態系への効果で評価する
在来アリへの影響監視防除剤が在来アリや他の無脊椎動物へ与える影響を調べる実施中高い非標的生物への影響を最小限にする
防除区域への再侵入監視アリ密度が低下した場所へ再侵入していないか確認する必要高い一度の処理だけでは長期的な抑制にならない
島内バイオセキュリティ土壌、植物、資材、車両による外来アリの移動を防ぐ必要最重要生息地間でアリを運ばないことが重要
新たな外来無脊椎動物の早期発見港、苗木、建築資材などを検査する必要高い島嶼固有種は新しい捕食者・競争者に弱い
ネズミの監視木の上や地上で卵、幼体、成体を捕食する可能性を調べる必要高いIUCN評価では潜在的捕食者として挙げられている
野生化ネコの管理生息地内での出現、捕食、糞内容を調べ、必要に応じて管理する必要高い地上へ落ちた個体や低い樹上の個体が捕食される可能性がある
メンフクロウの影響調査夜間の捕食圧と食物残渣を調べる必要中〜高脅威として考えられているが、影響量は未確定
インドハッカの影響調査卵や幼体への捕食があるか確認する必要悪影響の可能性は指摘されるが、実証が必要
標準化された個体群調査同じ経路、時間、季節、観察方法で繰り返し調査する2024年から強化最重要長期的な増減を比較するための基礎
パストランセクト調査森林内の既存経路を歩き、樹冠や幹上の個体を記録する採用・実施中最重要3種類の方法の中で最も高い検出効率が得られた
3地域の長期モニタリングヴァレ・ド・メ、フォンド・ペペール、フォンド・フェルディナンドを反復調査する実施中最重要生息地間の個体数と季節変化を比較する
雨季・乾季の調査異なる季節に同じ経路を調べる実施・拡大中高い活動量や発見率の季節差を把握する
総個体数の再推定各地域の密度と生息面積から最新の個体数を推定する解析・研究中最重要過去の推定値には生息地の質の違いが十分反映されていない
生息域外の追加調査主要調査地以外の成熟ココ・デ・メール林を探索する必要高い分布域と保全対象地を正確に確定する
PITタグによる個体識別皮下マイクロチップで個体を識別する実施中最重要生存、移動、成長、寿命を長期追跡できる
2014~2016年標識個体の再確認過去に標識された250頭以上の生存と移動を調べる継続中高い再確認率が低く、密猟や検出率の影響を検討する必要がある
2024年の追加標識3地域で新たに133頭へPITタグを装着する実施済み高い幼体を含む成長率と寿命の把握に利用する
捕獲再捕獲分析標識個体の再確認から生存率、個体数、移動率を推定する実施・解析中最重要単純な目撃数より精度の高い個体群評価が可能
個体計測体長、体重、性別、体調などを標準化して記録する実施中高い成長、栄養状態、地域差の把握に利用する
組織試料の採取少量の組織から遺伝的多様性と個体群構造を分析する実施中高い採取による個体への負担を最小限にする必要がある
遺伝的多様性の維持低い可能性がある遺伝的多様性を監視する必要最重要適応力や繁殖能力の低下につながる可能性がある
生息地間の遺伝的交流調査3地域の個体が遺伝的に交流しているか確認する必要高い回廊保全の優先順位を決める基礎になる
繁殖生態の解明交尾期、産卵期、産卵数、孵化期間を調べる情報不足・必要最重要IUCN評価でも生活史情報の不足が指摘されている
産卵場所の確認葉裏、葉柄、樹洞など、卵が置かれる場所を特定する必要最重要産卵場所が分からなければ伐採・観光管理へ反映できない
幼体の生存率調査幼体の出現時期、成長、捕食、加入率を調べる必要最重要過去の調査では幼体の観察数が少なかった
雌雄比の監視地域・年・体サイズ別に雄と雌の割合を調べる必要高い温暖化が性比に影響する可能性が指摘されている
食性研究ココ・デ・メールの花粉・蜜、昆虫、果実などの利用を調べる一部実施・継続必要高いココ・デ・メールの雄花序が主要な採食場所
花粉媒介への寄与調査本種がココ・デ・メールの受粉へ関与しているか検証する必要高いヤモリとヤシの相互依存関係を評価できる
生態的役割の保全花粉媒介や無脊椎動物捕食など、生態系機能を維持する必要高い個体数だけでなく、ヤシ林内での役割も保全対象となる
現地職員の調査研修種識別、パストランセクト、個体計測、PITタグ技術を習得する2024~2025年に実施高いSIFのプララン島職員12人が研修を受けた
種識別精度の向上Giant、Dwarf、Seychelles Bronze Geckoを正確に区別する実施中高い誤同定は分布・個体数評価を大きく誤らせる
長期データベースの整備個体番号、位置、計測値、再確認、遺伝試料を一元管理する実施・必要高い複数年・複数地点の比較に不可欠
種別行動計画の策定脅威、担当機関、期限、評価指標をまとめたSpecies Action Planを作る着手・策定が必要最重要2025年IUCN評価時点では正式な回復計画は未整備
火災予防防火帯、巡回、火気規制、早期発見体制を整える実施・強化必要最重要一度の大規模火災が主要生息地を広範囲に破壊する可能性がある
消火体制の整備山地ヤシ林へ到達できる人員、装備、水源を準備する必要最重要急峻な森林では初期消火が難しい
火災後の緊急調査焼失範囲、個体の生存、樹冠の接続、餌資源を調査する必要高い焼失していない避難場所と回廊を早期に保護する
気候モニタリング気温、降雨、乾燥期間、極端気象を生息地で測定する実施・研究必要高い気温上昇と降水変動が繁殖や生息地へ影響する可能性がある
気候変動モデル将来のココ・デ・メール林と本種の適地変化を予測する計画・研究段階高い高標高へ移動できない個体群では適地縮小が起こり得る
干ばつ対策乾燥による花・昆虫・幼体生存への影響を監視する必要高い乾燥化は火災危険度も高める
極端高温の影響調査卵の孵化、性比、行動、幼体生存への影響を調べる必要高い爬虫類では発生温度が繁殖成功へ影響する場合がある
観光客の動線管理遊歩道外への立入りと樹木への接触を制限する実施・強化必要高い観光路の増設は攪乱と生息地分断を増やす可能性がある
新規トレイルの慎重な審査本種の生息地点や樹冠回廊を避けて計画する必要高いフォンド・フェルディナンドなどの観光拡大に注意が必要
観光客数の管理混雑、騒音、夜間利用を抑える必要中〜高主要生息地が観光地と重なっている
靴・機材の洗浄外来アリ、植物種子、爬虫類病原体の持込みを防ぐ必要最重要観光・研究・管理作業の全てでバイオセキュリティが必要
爬虫類真菌症の監視皮膚病変、異常脱皮、死亡個体を検査する予防的に必要高いNannizziopsis属菌は評価時点でセーシェルから未確認
検疫体制の強化輸入される爬虫類、植物、土壌、飼育用品を検査する必要高い新しい病原体や外来生物の侵入を防ぐ
調査器具の消毒捕獲袋、手袋、計測器具を個体・地点ごとに消毒する必要高い研究活動を介した疾病拡散を防ぐ
飼育下保全の検討災害や急減に備えた保険個体群の必要性を評価する未実施・検討必要中〜高2025年IUCN評価では正式な生息域外保全は行われていない
私的飼育個体の把握海外で飼育・繁殖されている個体の数と血統を調査する必要高い私的コレクションは正式な保全繁殖計画ではない
保全繁殖計画必要と判断された場合、由来の明確な個体で血統管理する将来検討中〜高違法採集個体を新たな繁殖計画の供給源としない
遺伝資源保存組織、DNA、生殖細胞を適切に保存する研究・将来対策野生個体群保全を補完する保険的措置
災害時の緊急救出火災、病気、外来種急増時に個体を一時保護する手順を作る必要高い救出後の検疫、収容、野生復帰条件を事前に定める
再導入候補地の評価将来、復元したココ・デ・メール林へ個体群を設ける可能性を検討する長期的課題低〜中現在の生息地保全と脅威対策が優先
地域・学校での普及啓発本種の固有性、違法採集、外来アリ、生息地保全を伝える実施中高いSIFのニュースレターやSNSなどで情報発信が行われている
観光ガイドの研修生態、法的保護、観察時のルールをガイドへ伝える必要高い観光客による攪乱と位置情報の拡散を抑えられる
詳細な生息地点の管理個体が集中する樹木や産卵地点を一般公開しない必要高い密猟者による探索を困難にする
保全資金の長期確保アリ防除、巡回、標識調査、森林管理を継続する必要最重要一時的な助成だけでは長寿命種の傾向を把握できない
保全効果の検証個体数、再確認率、アリ密度、森林更新、違法取引件数で評価する必要最重要活動回数ではなく、個体群と生息地が改善したかで判断する
現地保全の最優先飼育下繁殖だけに依存せず、プララン島の成熟ヤシ林を守る基本方針最重要本種の生態と進化過程は野生のココ・デ・メール林に依存する

現在の中心的な活動は、アシナガキアリの防除、3地域での標準化モニタリング、PITタグを用いた個体追跡、ココ・デ・メール林の管理、国内法とCITESによる違法取引対策です。一方、正式な種別回復計画、生息域外保全、繁殖生態の解明、最新の総個体数推定は、今後の重要課題として残されています。

保護活動:出典

なぜ世界遺産の森で絶滅危機が進むのか|オオブロンズヤモリ保全の現実

Questioner: So it only lives on Praslin Island in the Seychelles, but it looks like its numbers are really dropping.

Me: Yeah, it seems that way. Sadly, back in 2014, there wasn’t really any talk about illegal pet trade, but nowadays they have to keep a close eye on that sort of thing too.

Questioner: I guess when you’ve got one of the world’s largest geckos that only exists in one specific spot, people are gonna want it. I mean, I’m looking at a map right now, and wow, that is one tiny island.

Me: The Giant Bronze Gecko lives in a nature reserve right in the middle of Praslin Island. Apparently, it was registered as a UNESCO World Heritage site back in 1983.

Questioner: Yeah, zooming in on the map, it almost looks more like a giant zoo or botanical garden than an island-wide nature reserve. Not to sound cynical, but reptiles rarely ever get a Green Status. Do you think it got one because this island is a major tourist hotspot where all the celebs hang out?

Me: Well, I wouldn’t completely rule that out. Let me look into it.

質問者:セーシェルのプララン島にしか生息しているけど、かなり減少傾向みたいだね。

私:そのようですね。残念なことに2014年には違法なペット取引などのことは言われていませんでしたが、現在はそのあたりも監視しないといけないようです。

質問者:ある一定の場所にしかいない世界で有数の大型ヤモリってなると欲しがる人もいるんだろうね。ていうか、地図で今調べてるんだけど、すごく小さな島なんだね。

私:オオブロンズヤモリは、プララン島の中央部に位置する自然保護区に生息しています。1983年にユネスコの世界自然遺産に登録されているようですね。

質問者:うん、地図を拡大して見ているんだけど、これって島全体が自然保護区というよりも大きな動物園か植物園のようにも思えたよ。こんなこと言っちゃなんだけど、滅多に爬虫類とかにグリーンステータスってついてなかったのに、ついているのはこの島がセレブとかが集まる観光地ってのもあったのかな。

私:まあ、なくもないような気もしますが、調べてみます。


資本主義に支えられる聖域:ヴァレ・ド・メの生態系保全と「現状維持依存」のパラドックス

世界自然遺産に登録されたセーシェルの小さな森「ヴァレ・ド・メ」。手つかずの楽園に見えるこの場所の実態は、徹底的な人的管理と、富裕層の観光資本に依存する構造の上に成り立っています。この保護区が抱える矛盾と、保全の裏側にある構造的なジレンマを3つの視点から紐解きます。

環境管理の視点:「自然」ではなく「徹底管理された箱庭」

地図を見て「大きな植物園のようだ」と感じるのは、まったく的外れではありません。ザラバラブロンズヤモリが生息するヴァレ・ド・メ自然保護区は、ユネスコ世界自然遺産に登録されていますが、登録区域はわずか19.5ヘクタールです。ただし、完全に孤立した19.5ヘクタールの森ではなく、周囲を含む約300ヘクタールのプララン国立公園の中に位置しています。

この森では、セーシェル諸島財団による侵略的外来種の防除、フタゴヤシの種子密猟への対策、動植物の監視、防火計画や防火帯の維持などが続けられています。人間が管理をやめた瞬間に生態系そのものが消えるとまでは言えませんが、外来種、密猟、森林火災によって急速に劣化する危険があることは明らかです。

つまり、ここに残されているのは完全な手付かずの自然ではありません。人間が壊してきた脅威を、人間が絶えず抑え続けることで、かろうじて野生を維持している「管理された聖域」です。

経済と資本の視点:保全を支える「現状維持依存」のパラドックス

セーシェルは観光への依存度が非常に高い島国です。ヴァレ・ド・メの入場料や物販による収益は、セーシェル諸島財団の主要な資金源となっており、ヴァレ・ド・メだけでなく、遠く離れたアルダブラ環礁を含む保全活動にも使われています。補助金や寄付もありますが、観光客が落とすお金が保全を支えている構造は変わりません。

しかし、ここには深い矛盾があります。この希少なヤモリや森を守る資金の一部は、世界各地から航空機で訪れる観光客によって生み出されています。化石燃料を大量に消費する移動や大量消費社会が気候変動を進め、その気候変動から生態系を守るために、同じ経済システムが生み出す資本を必要としているのです。

壊す側と守る側が、同じ資本の流れにつながっている。保全活動を止めるわけにはいかない一方で、その活動を支える仕組みそのものが新たな環境負荷を生み続けるという「現状維持依存」のジレンマが、この小さな森に凝縮されています。

IUCNグリーンステータスの視点:なぜ爬虫類に詳細な評価がついたのか

IUCNのグリーンステータスは、絶滅リスクを示すレッドリストとは異なり、種が本来の分布や生態的機能をどれほど失っているのか、過去の保全活動がどれだけ絶滅を防いだのか、今後の対策によってどこまで回復できるのかを評価する制度です。哺乳類や鳥類だけの制度ではなく、微生物を除くあらゆる種に適用できます。

そのため、このヤモリが評価対象になった理由を「世界的な観光地に生息しているから」とだけ断定することはできません。一方で、世界遺産として長年管理されてきた森には、個体数調査、標識個体の追跡、分布調査、外来アリの防除記録などが蓄積されています。こうした資料と専門家の存在が、詳細なグリーンステータス評価を可能にした背景の一つと考えられます。

つまり、観光地であることがIUCNの選定理由だったのではなく、観光収入によって調査と管理を継続できたことが、評価に必要なデータの蓄積につながった可能性があります。地味な爬虫類であっても、世界遺産の森に生きていたことで保全と研究の網に入ることができた。その事実は、資金や人間の関心が、どの種の危機を「測れる状態」にするのかまで左右していることを示しています。

出典


Questioner: So basically, even the lives of endangered species come down to money, huh?

Me: But all that money can really buy is time to prolong their lives, not a true cure. No matter how much cash you throw at it, you can’t stop climate change or widespread environmental destruction itself. Financial conservation efforts simply can’t keep pace with the sheer speed of global warming.

Questioner: That makes sense. We’re literally trying to protect them while continuing to burn things up, after all.

Me: The reality is that the climate change measures we’re pushing right now still involve burning a significant amount of fossil fuels just to get things done. I honestly think it all comes down to this collective delusion that “if we hit the brakes on the economy, the world is going to end.”

Questioner: Exactly. Who knows if the world would actually end, but the moment we stop burning up the planet—that’s when the real future for these endangered species finally begins.


Thank you so much for taking the time to read this.

I truly hope our thoughts somehow reach the Giant Bronze Gecko.

鶏人|Keijin

質問者:絶滅危惧種の命も金次第ってことでしょうかね。

私:しかし、そのお金で買えるのは、絶滅危惧種を延命する時間であって根治ではありません。どれだけお金を積んでも、気候変動や広域の環境破壊そのものを止めることはできません。資金による保護では、地球温暖化のスピードには、とうてい追いつけません。

質問者:そりゃそうだよね。燃やし続けて保護してるんだからね。

私:現在進められている地球温暖化などの気候変動対策は、少なからず化石燃料などを燃やしながら行われているのが現状です。これは、「経済を止めたら世界が終わる」と思い込んでいるだけだと、私は思っています。

質問者:そうだよね。世界は終わるか知らないけど、地球が燃やされなくなることで、絶滅危惧種の未来はそこから始まるよね。


貴重な時間を、ありがとうございました。

オオブロンズヤモリに、その想いが届くことを祈ります。

鶏人|Keijin


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