11年後のレッドリスト|ソマリアシャコ(Pternistis ochropectus):二つの森に残され、逃げ場を失う鳥【IUCNレッドリスト比較】

11年後のレッドリスト|ソマリアシャコ(Pternistis ochropectus):二つの森に残され、逃げ場を失う鳥【IUCNレッドリスト比較】 11年後のレッドリスト
※このページは、[IUCNレッドリスト]世界の絶滅危惧生物図鑑(2014年版)に基づいて制作した個人ブログです。

Hello, I’m 鶏人|Keijin.

In the 2014 reference book, the Djibouti Spurfowl (Pternistis ochropectus) was classified as Critically Endangered (CR). Its entire habitat was confined to just two places in Djibouti—the Day Forest and the Mabla Mountains—and its population was continuing to decline because of forest dieback, logging, overgrazing, and other threats.

When I checked the IUCN Red List again in 2026, nothing had changed. The species was still classified as Critically Endangered.

In recent years, discussions have moved forward toward establishing a community-managed protected area. Livestock exclusion zones have been maintained, juniper seedlings have been raised, and in 2024, a large-scale ecosystem restoration project covering both forests and grazing lands was approved. But the boundaries of the protected area and the legal framework needed to manage it have yet to be finalized.

Even now, I believe the Djibouti Spurfowl remains “a bird stranded in two forests, with nowhere left to go.”

I’ve put the more detailed information inside the expandable sections.

But even if you only read the main text, I’d be glad if you stayed with me until the end.

こんにちは、鶏人|Keijinです。

ソマリアシャコ(Pternistis ochropectus)は、2014年の図鑑では、生息地がジブチのデイ森林とマブラ山脈だけに限られ、森林の枯死や伐採、過放牧によって個体数が減少し続けていたことなどから「CR:深刻な危機」と評価されていました。

そして、2026年時点で確認できるIUCNレッドリストの評価も、2014年と変わらず、「CR:深刻な危機」のままでした。

近年は、住民管理型保護区の設立に向けた協議や放牧排除区の維持、ビャクシンの苗木育成が進められ、2024年には森林と放牧地の再生を含む大規模な生態系回復事業も承認されました。しかし、保護区の境界や法的な管理体制はまだ完成していません。

ソマリアシャコは今も、「二つの森に残され、逃げ場を失う鳥」という状態なのだと思います。

少し詳しい内容は折りたたみの中にまとめています。
まずは本文だけでも、最後まで読んでもらえたらうれしいです。

※2026年時点で、IUCNレッドリストにおける最新評価は2018年評価(2018年公開)です(以降の更新は、現時点では確認できていません)。
※本記事は専門家による学術的な評価ではなく、公開された資料に基づく個人の調査・見解を含みます。
※IUCN評価は「世界全体」と「地域・個体群」で分かれる場合があります。地域によって状況は異なります。
最新かつ正確な分類や保全状況については、IUCN公式サイトなどをご確認ください。
参考:IUCNレッドリスト(学名:Pternistis ochropectus

ソマリアシャコとは?特徴・生態・生息地と2026年の絶滅危惧状況

⬇︎ソマリアシャコの生態(基本情報)です。必要なら開いてください。

基本情報|ソマリアシャコ(英名:Djibouti Spurfowl)
項目内容
和名ソマリアシャコ。Avibaseなどで採用されている日本語名で、キンチャムネシャコと記載される場合もある。実際の分布はソマリアではなくジブチに限られる。
英名Djibouti Spurfowl。旧英名のDjibouti Francolinのほか、Ochre-breasted Francolin、Pale-bellied Francolin、Tadjoura Francolinなどの名称も使われてきた。Clementsでは2022年版、HBW・BirdLifeでは2024年版からDjibouti Spurfowlが採用されている。
学名Pternistis ochropectus
旧学名・異名原記載名はFrancolinus ochropectus。Oreocolinus ochropectusとされたこともある。
分類鳥綱、キジ目、キジ科、Pternistis属。
記載者・記載年Jean DorstとChristian Jouaninにより1952年に記載された。属が変更されたため、現在の学名では記載者名と年を括弧で囲み、Pternistis ochropectus(Dorst & Jouanin, 1952)と表記する。
模式産地ジブチ北部タジュラ地方のデイ高原。1952年2月に採集された標本を基に記載された。
学名の由来種小名ochropectusは、黄土色を意味する語と胸を意味する語に由来し、「黄土色の胸」を表す。
亜種亜種の認められていない単型種。
近縁関係分子系統解析では、エチオピアやエリトリアなどに分布するクロガオシャコPternistis erckeliiに最も近い系統とされる。
分布国アフリカ北東部のジブチだけに自然分布する固有種。ソマリアからの確実な分布記録はない。
主な分布地ゴダ山地のデイ森林と、そこから約80キロメートル北東に離れたマブラ山脈の2地域で知られる。デイ森林が最大の生息地で、マブラ山脈の個体群は調査が限られている。
生息標高おもに標高700~1,500メートルで記録されている。デイ森林では現在、まとまった森林が残るのはおおむね標高950メートル以上である。
生息環境アフリカビャクシンJuniperus proceraを含む山地林、Buxus hildebrandtiiの優占林、アカシア林、二次林、ワジと呼ばれる涸れ川沿いの林などに生息する。BirdLifeは森林依存度を「高い」と評価している。
森林の選択当初はアフリカビャクシン林に強く依存すると考えられていたが、現地調査ではビャクシンの状態より、樹木全体の被覆率との結び付きが強かった。ビャクシンが衰退した場所でも、Buxus hildebrandtiiなどが密な樹冠を形成していれば利用する。
好む場所開けた場所よりも、樹冠が密で身を隠せる森林内部を好む。デイ森林では、集落や伐開地に近い西側より、森林内部にあたる東側で多く確認された。
体長約35センチメートル。丸みのある頑丈な体と短い尾をもつ、比較的大型の地上性鳥類である。
体重標本に基づく測定例として雄809グラム、雌605グラムが報告されている。約940グラムとする資料もあるが、計測個体が非常に少なく、種全体の平均体重は十分に確立されていない。
全体の体色全身は灰褐色から暗褐色。背側は腹側より暗く、体と頸の羽には黄土色または麦わら色の軸斑と、暗褐色・白色の縁取りがある。
頭部頭頂は灰色。額、くちばしの付け根から目先、目の周囲には黒っぽい部分があり、マスクのように見える。顎と喉は白っぽく、後頸には赤褐色味がある。
胸・腹部胸から腹にかけて白色または淡黄褐色の縦斑が並び、鱗模様のように見える。斑紋は頭部へ近づくほど細くなる。
くちばし・脚くちばしはおもに黒色で、下くちばしに黄色味がある。脚は緑黄色から黄褐色。
雌雄差雌雄の羽色はよく似ている。雄は平均的にやや大きく、脚に2本の目立つ蹴爪をもつ。雌の蹴爪はないか、あってもごく小さく、尾羽の赤褐色味が雄より強い。
幼鳥成鳥より全体的に色が鈍い。腹側の模様は明瞭な縦斑ではなく、淡黄褐色の横斑に近い。現地調査では幼鳥を含む家族群も確認されている。
生活型昼行性で、おもに地上を歩いて採食する。危険を感じると密な茂みに隠れるため、姿を直接確認することが難しい。
群れ単独、つがい、または小さな家族群で行動する。デイ森林の調査では、確認された群れの平均個体数は約1.7羽、補正後は約2.1羽と推定された。
鳴き声ガラガラと連続する声から始まり、次第に低下しながら笑い声や喉を鳴らすような音へ変わる。採食中には低く短い声で互いに連絡する。鳴き声を利用した調査は夜明けと夕暮れを中心に行われている。
食性植物質と動物質の両方を食べる雑食性。果実、イチジク類、種子、草本類、シロアリなどが餌として報告されている。
採食方法地面を脚で掻き、落ちた種子や地中の小動物を探す。イボイノシシなどが掘り返した地面を利用し、露出したシロアリを探す行動も報告されている。
繁殖期おもに12月から2月。現地の冬季降雨と重なる時期で、繁殖後にはワジや比較的開けた林へ移ることがある。
つがい関係一夫一妻と考えられているが、繁殖行動を長期間追跡した研究は少ない。
詳細に記録された巣は非常に少ない。確認された巣は山地の岩棚にあり、地面の浅いくぼみに草を敷いた簡素な構造だった。
一腹卵数地域住民から7~9卵という情報が得られているが、野外調査による確認はされていない。
休息・ねぐら日中に樹上で動かず休むことがあり、夜間は地上ではなく樹上をねぐらに利用するとされる。
移動長距離を渡る鳥ではなく、年間を通してジブチ北部にとどまる。季節によって高原部と斜面・ワジの間を移動する可能性があり、繁殖期には低いワジへ、暑い時期には高く日陰の多い森林へ移ると考えられている。
世代時間BirdLifeによる推定世代時間は3.9年。
保全状況IUCN絶滅危惧IA類(CR)。成熟個体数は200~500羽と推定され、個体数は減少傾向にある。
生態研究の状況生息地が険しく、鳥自体も臆病で発見しにくいため、食性、繁殖成功率、幼鳥の生存率、季節移動、行動圏、マブラ山脈の個体数などは現在も十分に解明されていない。

出典

最終評価2018年:ソマリアシャコ「CR:深刻な危機」

ソマリアシャコ(Pternistis ochropectus)|2026年時点の現状まとめ
出典:IUCNレッドリスト|ソマリアシャコ(Pternistis ochropectus
項目2014年の図鑑現在(2026年確認)
和名ソマリアシャコソマリアシャコの和名は現在も使われている。英名は「Djibouti Francolin」から「Djibouti Spurfowl」へ変更されたが、ソマリアではなくジブチだけに分布する固有種である。
学名Francolinus ochropectusPternistis ochropectus。旧属FrancolinusからPternistis属へ移された。亜種は認められていない。
IUCNカテゴリー深刻な危機(CR)深刻な危機(CR)のまま。2018年8月7日の評価が、2026年版レッドリストでも最新評価として使われている。評価基準はB2ab(i,ii,iii,v)。
危機の程度絶滅寸前の種として紹介されていた。12年を経てもカテゴリーは改善していない。分布域・生息面積・生息地の質・成熟個体数の減少が続いていると判断されている。
分布ジブチのデイ森林とマブラ山脈の森林地帯に分布。ジブチ北部のゴダ山地にあるデイ森林と、約80キロメートル北東のマブラ山脈という2地域だけに残る。2つの亜個体群に分かれ、分布は著しく分断されている。
分布域の広さ具体的な数値は記載されていない。生息範囲(EOO)は約1,400平方キロメートルだが、実際に利用できる森林を基にした占有面積(AOO)は約0.8平方キロメートルと推定されている。地図上の分布域に比べ、実際の生息可能面積が極端に小さい。
個体数具体的な個体数は記載されていない。成熟個体数は200~500羽、幼鳥などを含む総個体数は約300~750羽と推定されている。ただし、現在のBirdLifeデータで使われている個体数推定年は2009年であり、近年の包括的な再調査結果は反映されていない。
個体数の傾向デイ森林の衰退とともに減少しているとされた。減少傾向。IUCNは成熟個体数の継続的減少を認定している。極端に少ない個体群が2つの森林に分かれているため、局地的な森林火災、干ばつ、伐採などでも世界個体群の大きな割合が失われる。
主な生息環境デイ森林とマブラ山脈に残る、密生した植生の茂みを好むとされた。本来はアフリカビャクシンJuniperus proceraを中心とする山地林に生息する。しかし調査では、生きたビャクシンそのものよりも、樹冠に覆われた密な環境との結び付きが強いことが判明した。現在はBuxus hildebrandtiiなどの二次的な森林も利用している。
デイ森林の状態木々が次々と枯死し、残された森林で生き残ろうとしていた。ビャクシン林の衰退は止まっていない。過去の詳細調査では最も状態のよい区域でもビャクシンの約半数が枯れ、2006年までに高原部のビャクシンの95%が枯死または衰弱していた。現在もデイ森林は本種最大の生息地だが、樹冠の維持が重大な課題となっている。
マブラ山脈の状態森林に残る立木が薪や放牧地の確保のために伐採されていた。Djibouti Natureの2024年の記録では、マブラ山脈には生きたビャクシンがすでに残っておらず、アカシア類とBuxus hildebrandtiiが主体となっている。それでも本種の個体群は残っているが、デイ森林より調査が少なく、正確な個体数は分かっていない。
放牧の影響アファール人の定住後、家畜が一年を通して森林内で放牧されるようになったことが、森林衰退の原因とされた。現在も最も明確な脅威のひとつ。家畜の多い場所では本種の出現確率が低下する。家畜は下層植生を食べ、踏み荒らし、ビャクシンなどの幼木の再生を妨げる。干ばつ時には家畜が森林奥部や高地まで入り込むため、気候変動と放牧圧が重なって生息地を悪化させる。
その他の脅威マブラ山脈での薪採取、立木の伐採、森林の衰退が指摘されていた。薪・木炭用の伐採、過放牧、農牧地への転換、人間による攪乱、狩猟や卵の採取が引き続き脅威となっている。森林が小さいため、一つひとつの影響が個体群全体へ波及しやすい。
酸性雨との関係酸性雨と気候変動が森林の枯死を悪化させていると記載されていた。酸性雨、菌類、気候変動はビャクシン枯死の原因候補として現在も挙げられるが、デイ森林で因果関係を実証した研究は確認されていない。一方、放牧と樹木被覆の低下が本種の分布に影響することは現地調査で示されている。
気温上昇気候変動が森林衰退を悪化させる可能性が指摘されていたが、数値は示されていなかった。ジブチ全体の年平均気温は1971~2020年に10年当たり約0.21℃上昇した。1951~2020年には35℃を超える日が10年当たり約4.15日、連続乾燥日数が約1.74日増えている。デイ森林は比較的涼しい山地にあるが、周囲を乾燥地に囲まれた孤立林であるため、気温上昇の影響を逃れにくい。
降水量・干ばつ気候変動が森林に悪影響を与えているとされた。ジブチ全体では1951~2020年に年間降水量と連続降雨日数が減少する傾向が記録されている。一方、将来の年間降水量予測には幅があり、単純に雨が減るとは限らない。長い乾燥期間の後に短時間の豪雨が起きる傾向が強まり、植物が利用できる安定した水分は確保されにくくなる。
将来の気候具体的な将来予測は記載されていない。SSP3-7.0では、2040~2059年のジブチの平均気温は1995~2014年より約1.29℃高くなると予測されている。山地では集中豪雨が表土を流し、森林や下層植生の回復を妨げる可能性がある。降水量の増減にかかわらず、高温による蒸発量の増加と降雨の極端化が大きな問題となる。
気候変動が本種に及ぼす影響森林の枯死を通じた間接的影響として扱われていた。高温と干ばつによる樹木の衰弱、下層植生と昆虫・種子などの餌資源の減少、繁殖期の環境悪化、家畜の森林内への集中が考えられる。本種は樹冠被覆の多い場所に依存するため、ビャクシン以外の樹木を含め、森林全体が疎開することが直接的な生息地喪失につながる。
高地への移動記載なし。暑い時期により高く日陰の多い場所へ移動する可能性が指摘されている。しかし最高標高が約1,800メートルしかない孤立した山地であり、温暖化が進んでもさらに高い森林へ移ることはできない。いわゆる「山頂へのエスカレーター」に近い状況にある。
気候影響の確認状況気候変動が悪化要因として挙げられていた。ソマリアシャコだけを対象として、気温上昇による生存率や繁殖成功率の変化を測定した研究は確認されていない。現在確認されているのは、地域の高温化・乾燥期間の長期化と、生息林の衰退を通じた間接的な影響である。
保全活動デイ森林の保護、学校・観光センター・政府機関へのパンフレット配布、森林回復計画の準備が進められていた。啓発活動に加え、地域住民が管理する保護区の設立に向けた現地調査、境界候補の検討、住民・伝統的指導者・行政との協議が行われた。住民組織からは原則的な賛同が得られ、地域のエコガードやエコガイド導入にも前向きな反応が示された。
保全の進展と課題森林回復計画は準備段階だった。2023年の最終報告では、地域住民管理型保護区の設立に関する主要目標はいずれも「一部達成」にとどまった。政府部門との協議、法的枠組み、境界設定、実効的な管理体制は完成していない。BirdLifeもデイ森林とマブラ山脈について、保護指定を現場で直ちに実施すること、放牧管理、森林再生、長期的な個体数調査、飼育下繁殖の検討を求めている。
2014年との総合比較森林の枯死が進むなか、保護と再生に着手した段階。深刻な危機(CR)から改善せず、成熟個体は推定200~500羽、実際の占有面積は約0.8平方キロメートルまで限定されている。住民主体の保全活動は前進したが、森林の実効的保護と近年の個体数確認が追いついていない。気候変動は単独の原因というより、干ばつ・森林再生の失敗・放牧圧を同時に強める脅威として作用している。

出典

2014年から現在まで、ソマリアシャコは深刻な危機(CR)のままで、危機的な状態は改善していない。学名はFrancolinus ochropectusからPternistis ochropectusへ変更された。ジブチのデイ森林とマブラ山脈だけに分布し、成熟個体数は推定200~500羽、実際に利用できる生息面積は約0.8平方キロメートルにすぎない。過放牧や薪・木炭用の伐採によって森林の再生が妨げられ、マブラ山脈では生きたビャクシンがすでに残っていない。さらに気温上昇や干ばつ、降雨の極端化が樹木と下層植生を衰弱させ、家畜を森林奥部へ集中させることで生息地の悪化を加速させている。住民主体の保護区設立や啓発活動は進んだものの、法的枠組みや実効的な管理体制は未完成であり、近年の包括的な個体数調査も不足している。

⬇︎ソマリアシャコの保護活動の種類です。必要なら開いてください。

保全活動の種類実施内容・進展2026年時点の状況・課題
生息地の保護区化デイ森林とマブラ山地を対象に、保護区の範囲、管理方式、法的手続きについて、政府、地方当局、伝統的指導者、住民組織、自然保護団体による協議が進められてきた。BirdLife Internationalは、生息地の法的保護と実効的管理を必要な保全措置としている。2023年の報告では、住民管理型保護区への地域側の基本的合意は得られたものの、指定区分、境界、面積、法的手続きの確定は未完了だった。
住民管理型保護区の導入Djibouti Natureが中心となり、地域住民が森林管理、監視、利用規則の策定に参加する保護区の実現可能性を調査した。候補区域では生息環境の現地確認と保護区境界の検討も行われた。地域住民と住民組織から自発的に参加する意向が示され、政府環境当局も住民管理型保護区を将来の法制度へ組み込む考えを示した。一方、国の技術部門との協議と制度化には追加作業が必要である。
大規模な森林・生態系再生事業GEFとUNDPによる「デイ森林国立保護区とその周辺の生物多様性保全・生態系機能回復事業」が承認された。保護区制度と資金調達体制の強化、デイ・マブラ両地域の管理、森林と放牧地の再生、持続可能な土地管理などを計画している。GEFの登録では2024年度承認・Project Approvedの段階にある。ソマリアシャコだけでなく、生息地全体と地域住民の生活を一体的に扱う長期的な保全枠組みとして位置づけられる。
放牧排除区の設置・維持森林内の一部を柵で囲み、ウシなどの家畜を排除する実験区が設けられた。排除区ではビャクシン類の更新と草本・イネ科植物の回復が確認され、過放牧対策の効果が実証された。既設の柵は地域住民との合意に基づいて維持された記録がある。今後は重要な森林被覆地、高標高の再生地、個体密度が比較的高い区域へ拡大するとともに、家畜飼養を支える代替放牧地や水資源対策が必要である。
森林再生と苗木育成デイ村でビャクシン類の苗木育成を行い、住民参加による植生回復を進める活動が開始された。自然更新を促す放牧排除と植栽を組み合わせる方式が採られている。乾燥、水不足、家畜による食害が大きな制約となる。ソマリアシャコはビャクシンだけでなく、樹冠が密な森林全般を利用するため、ビャクシン林のみを復元対象とせず、ツゲ類を含む既存の森林被覆を守る必要がある。
伐採・木炭生産の抑制住民、牧畜民、木炭生産者を交えた地域集会で、生木の伐採、薪・木炭利用、森林減少とソマリアシャコの生存との関係が協議された。生活燃料と収入を森林資源に依存する世帯があるため、禁止だけでは継続しにくい。省燃料化、代替エネルギー、養蜂、観光などと組み合わせ、森林を残すことで利益が得られる仕組みが必要である。
地域組織の育成村民、牧畜民、学校関係者、伝統的指導者、観光キャンプ関係者などで構成されるSite Support Groupが組織され、森林利用や放牧管理について話し合う場が設けられた。保全活動を地域社会の日常的な管理へ移すための基盤となっている。組織の継続運営には、研修、安定した活動費、行政上の権限、女性や若者を含む幅広い参加が求められる。
エコガード・エコガイド地域住民をボランティアのエコガードやエコガイドとして育成し、巡視、来訪者案内、野生生物の観察、違法・過剰利用の把握に参加させる構想が提案された。2023年までの協議では、女性を含む関係者から前向きに受け入れられた。常設化には、担当区域、研修内容、行政との連絡体制、報酬または収入源を明確にする必要がある。
エコツーリズムと代替収入住民を自然ガイドとして育成し、固有種や希少な動植物を生かした観光収入につなげる活動が行われた。地域の観光キャンプ経営者も協議に参加している。森林伐採や木炭生産への依存を下げる手段になり得るが、交通の不便さ、受入施設の不足、観光客数の変動が課題である。収益の一部を森林管理や監視活動へ還元する仕組みが重要となる。
個体群・生息環境の調査デイ森林で踏査、観察、鳴き声の記録、植生・家畜利用の調査が行われ、行動、生息地選択、森林断片ごとの分布に関する基礎資料が収集された。個体数推定の基礎データが古く、マブラ山地を含む統一的な再調査が必要である。多数の調査線を季節・時間帯を変えて反復し、繁殖成功率、生存率、移動、森林断片間の交流を長期的に追跡することが求められる。
種に特化した保全森林全体の再生に加え、ソマリアシャコが利用する密な樹冠、下層植生、採餌場所、繁殖場所を個別に保護する方針が提案されている。森林再生だけでは本種の回復を保証できない。重要生息地での放牧制限、繁殖期の攪乱防止、個体数監視を組み合わせ、調査結果に応じて管理方法を修正する必要がある。
普及啓発・政策提言ソマリアシャコをジブチの生物多様性保全を象徴する種として、住民集会、学校教育、行政協議、NGO研修に活用してきた。2023年の事業後も、環境教育と政府への政策提言が優先課題とされた。認知向上を、保護区法制、予算、巡視、放牧管理などの具体的措置へ結びつけることが課題である。

出典

ソマリアシャコを追い詰める過放牧と気候変動|干ばつ・豪雨・森林火災

Questioner: It says, “Livestock eat the understory vegetation, trample the ground, and prevent young trees from growing, so Djibouti Spurfowl are less likely to be found in places with large numbers of livestock.” It sounds like overgrazing is the real problem. But what does “livestock” mean here—cattle and pigs? Surely it doesn’t mean chickens, right?

Me: It depends on how many chickens there are. I’ve raised them myself, and they really will eat vegetation right down to the ground, starting with the newest shoots. And climate change, including drought, makes this overgrazing even worse. When rainfall declines and the grass around villages becomes scarce, livestock move deeper into the forest in search of whatever vegetation remains. Once they eat the understory plants and young trees there, the forest becomes less able to withstand and recover from the next drought. I don’t think it’s the cattle or other livestock themselves that are driving the Djibouti Spurfowl toward extinction. It’s a situation in which people have little choice but to bring large numbers of animals into a small forest already being weakened by heat and drought.

Questioner: So human-caused global warming really is pushing the Djibouti Spurfowl closer to extinction.

Me: One recent example came in June 2025, when a major wildfire burned more than 50 hectares of the Day Forest, damaging centuries-old juniper trees and breeding habitat used by the Djibouti Spurfowl. Wildfire is no longer just a future possibility. It’s already here, consuming what little habitat the bird has left.

Questioner: Are these droughts going to keep happening?

Me: They could become more frequent if we continue burning fossil fuels the way we are now. I’m going to take a closer look at how climate change may affect the Day Forest and the Mabla Mountains in Djibouti in the years ahead.

質問者:「家畜は下層植生を食べ、地面を踏み荒らし、幼木の成長を妨げるため、家畜の多い場所ほどソマリアシャコが確認されにくくなる」って書いてあったけど、深刻なのは過放牧っぽいね。ところでここで言う「家畜」ってウシとかブタなのかな。まさかニワトリじゃないよね。

私:ニワトリの数にもよります。飼育していた経験がありますが、「根こそぎ」という表現がぴったりなほど新芽から食べてしまいます。そして、この過放牧をさらに深刻にするのが干ばつなどの気候変動です。雨が減って村周辺の草が乏しくなると、家畜は残された草を求めて森林の奥へ入ります。そこで下層植生や幼木が食べられると、森林は次の干ばつから回復しにくくなります。ソマリアシャコを追い詰めているのはウシなどの家畜そのものではなく、高温と乾燥で弱り続ける小さな森林に、多数の家畜を入れざるを得ない状態だと思います。

質問者:やっぱり僕たちが招いた地球温暖化による気候変動がこのソマリアシャコを追い詰めているんだね。

私:最近でいうと、2025年6月にデイ森林で50ヘクタール以上を焼く大規模火災が発生し、樹齢数百年のビャクシンとソマリアシャコの繁殖場所が被害を受けました。火災は将来の可能性ではなく、すでに現実となって生息地を削っています。

質問者:これから先も干ばつは続いてしまうのかな。

私:そうですね。このままの状態で化石燃料を燃やし続ければ、干ばつはさらに頻度を増す可能性はあります。そのあたりの今後のジブチのデイ森林とマブラ山脈の気候変動の状況を詳しく調べてみます。

干ばつの先に森は残るのか|デイ森林とマブラ山脈を追い詰める気候変動

雨が降らないことだけが、干ばつではない。長く乾いたあとに豪雨が降り、土が流され、弱った森林へ家畜と火災が入り込む。ソマリアシャコが暮らす二つの山地林では、気候変動がいくつもの脅威をつなぎ始めている。

1. 今後も干ばつは続くのか

ジブチでは、干ばつが途切れることなく永遠に続くというより、雨の少ない期間が長期化し、そこへ短時間の豪雨が割り込む不安定な気候が強まると考えられている。1951~2020年には、連続乾燥日数が10年当たり平均1.74日増え、年間降水量は10年当たり23.47ミリ減少、連続降雨日数も10年当たり0.66日減少した。過去の観測だけを見れば、森林や牧草地が水分を取り戻せる期間は短くなってきたことになる。

ただし、将来の年間降水量については予測が一致していない。ある予測では2050年までに約4%減少する一方、別の予測では2100年までに2~5%増加する。したがって「将来は必ず雨量が減る」とは断定できないが、降り方の不安定化と高温化によって、生態系が受ける乾燥ストレスは強まる可能性が高い。

2. 雨が増えても干ばつが深刻になる理由

年間降水量がわずかに増えたとしても、それだけで干ばつが軽くなるとは限らない。長い乾燥期間の後に激しい雨が集中すると、水は乾いて硬くなった地面へ十分に浸透せず、斜面を一気に流れ落ちる。特にデイ森林とマブラ山脈のような山地では、豪雨が表土、落ち葉、種子、幼木を流し、森林の回復を妨げる可能性がある。

さらに、高温になるほど土壌と植物から失われる水分が増える。2040~2059年のジブチでは、高排出シナリオSSP3-7.0の場合、平均気温が1995~2014年より約1.29℃上昇すると予測されている。雨量が同じでも蒸発量が増えれば、植物が実際に利用できる水は減るため、「雨は降ったのに森林は乾燥する」という状態が起こり得る。

3. デイ森林では霧も重要な水源になる

デイ森林は標高約1,200~1,750メートルに残る山地林で、雨だけでなく、山頂部を包む霧や低い雲からも水分を得てきた。周囲の乾燥地より湿潤な微気候が保たれてきたことが、アフリカビャクシンやツゲ類の森林を支えている。

しかし、デイ森林とマブラ山脈を対象として、将来の霧の発生頻度や雲底高度を数値化した研究は確認されていない。このため、温暖化によって霧が何%減るかまでは分からない。ただし、気温上昇、長い乾燥期間、樹冠の減少が重なれば、霧から得た水分を森林内に保持する力が低下する。樹冠が薄くなるほど日射と風が地表へ届き、さらに乾燥しやすくなるという悪循環も生じる。

4. 過放牧の中心はニワトリではなくウシ

デイ森林で行われた現地調査によると、村の周辺ではヤギ、ヒツジ、ロバも放牧されるが、森林内部の質の高い草本を求めて入り込む主要な家畜はウシだった。調査当時、森林内で放牧されていたウシは1,156~2,411頭と推定されている。ブタやニワトリが主要な原因として記録されたわけではない。

ニワトリも飼育密度が高ければ新芽や草本、土壌動物へ強い影響を与えるが、デイ森林の過放牧問題を説明する中心的な家畜ではない。実際の現地調査では、放牧された場所でソマリアシャコの出現確率が平均0.26から0.13へ低下しており、ほぼ半減していた。これは家畜が鳥を直接攻撃するからではなく、下層植生、餌、隠れ場所、樹木の更新を減らすためと考えられる。

5. 干ばつが家畜を森林奥部へ押し込む

村周辺の牧草地が干ばつで枯れると、牧畜民は家畜を生かすため、残された草と水を求めて森林内部や高標高地へ移動させざるを得なくなる。ソマリアシャコにとって比較的状態のよい森林が、そのまま家畜にとっても最後の採食場所になる。

そこで幼木や草本が食べられると、干ばつ後に雨が戻っても森林は再生できない。樹冠が開き、地面が乾き、次の干ばつと豪雨にさらに弱くなる。気候変動は放牧とは別の脅威ではなく、牧草不足を通じて放牧圧を森林の奥へ移動させる「脅威の増幅装置」として作用する。

6. マブラ山脈はすでに一段深刻な状態にある

マブラ山脈はデイ森林に次ぐ山地林だったが、2024年のDjibouti Natureの記録では、生きたアフリカビャクシンはすでに残っていない。現在はアカシア類とBuxus hildebrandtiiを中心とする植生に置き換わっている。

ソマリアシャコはビャクシンだけに依存する鳥ではなく、ツゲ類などがつくる密な樹冠も利用するため、ビャクシンの消失だけで直ちに生息不能になるわけではない。しかし、森林を構成する樹種が減り、樹冠が疎らになれば、干ばつ、火災、放牧のどれか一つでも個体群を大きく揺さぶる。マブラ山脈では近年の個体数調査も不足しており、減少がどこまで進んでいるのか把握できていないこと自体が大きな危険である。

7. 2025年のデイ森林火災が示したもの

2025年6月2日から3日にかけて、デイ森林南側の標高約1,800メートルにあるCheikh Abayazid周辺で火災が発生し、初期推定で50ヘクタール以上が焼失した。乾燥した風と初夏の高温が延焼を助けたと報じられているが、出火原因は確定しておらず、気候変動が火を発生させたと断定することはできない。

デイ森林の面積には、森林生態系全体の約1,500ヘクタール、研究対象となった森林の約750ヘクタール、現在残る森林900ヘクタール未満、中心的な遺存林約320ヘクタールなど、異なる範囲の数値が使われている。そのため焼失割合は単一の数字にはできない。50ヘクタールをそれぞれに当てはめると、約3.3%、6.7%、5.6%以上、15.6%以上となる。最も広く引用される「残存森林900ヘクタール未満」と比較すれば、少なくとも約5.6%に相当する規模だった。

報道はソマリアシャコを含む希少動物の生息地が焼けたことを伝えているが、樹齢数百年のビャクシンが何本失われたのか、巣や繁殖個体がどの程度被害を受けたのかを確認した火災後の生態調査は見つかっていない。火災の重大性は明らかだが、個体数への影響はまだ数値化されていない。

8. 火災は今後さらに起こりやすくなるのか

デイ森林だけを対象に火災発生確率を計算した将来予測はない。しかし、気温上昇、連続乾燥日数の増加、枯死木の蓄積、樹冠の減少、乾いた風が重なれば、火がついた後に広がりやすい条件は強まる。森林が小さく孤立しているため、一度の火災が世界のソマリアシャコ生息地の大きな部分を失わせる可能性もある。

一方で、発火そのものは人間活動、牧草地をつくるための火入れ、たき火、事故などにも左右される。したがって将来の危険は、「温暖化だけで森林が燃える」という単純なものではなく、人為的な火種が、温暖化によって乾燥した森林へ入ったときに大火災へ発展しやすくなるという構造にある。

9. ソマリアシャコに起こる連鎖

高温と干ばつが進むと、まず村周辺の水と牧草が減り、ウシなどの家畜が森林奥部へ入る。そこで下層植生と幼木が失われると、樹冠が回復せず、地面はさらに高温・乾燥化する。そこへ豪雨が降れば表土が流され、乾燥期には火災が広がりやすくなる。

ソマリアシャコは長距離を移動して別の森林へ逃げられる鳥ではない。デイ森林とマブラ山脈は約80キロメートル離れ、その間には乾燥地が広がっている。暑い時期に高く日陰の多い場所へ移動する可能性はあるものの、デイ森林の最高部は約1,800メートルで、その先に移れる森林はない。温暖化が進むほど利用可能な涼しい場所が山頂側へ押し縮められる、「山頂へのエスカレーター」に近い状態となる。

10. 「地球温暖化が追い詰めている」という理解

ソマリアシャコの減少を地球温暖化だけで説明することはできない。森林伐採、薪や木炭の採取、定住化に伴う通年放牧、狩猟、人間による攪乱も長く続いてきた。しかし温暖化は、干ばつ、牧草不足、樹木の枯死、森林火災、豪雨による土壌流出を同時に強め、従来から存在していた脅威をさらに深刻にする。

しかもジブチは世界でも温室効果ガス排出量が非常に少ない国の一つでありながら、干ばつと洪水の両方にさらされている。ソマリアシャコを追い詰めているのは、現地の牧畜民や家畜だけではない。世界全体で燃やされてきた化石燃料による気候変動と、森林に依存しなければ生活できない地域社会の事情が、わずか二つの山地林に集中している。

出典


Questioner: That’s the thing. We call it “the global warming we caused,” but really, it’s global warming caused largely by developed countries like Japan—the countries where we live. And the first to suffer from it are often small living creatures. After them come the people in the most vulnerable positions.

Me: We can’t say that this is always how it happens. But it’s true that animals with nowhere else to go, and people who have little freedom to choose where or how they live, are more likely to feel the effects sooner and more severely. Djibouti produces very little greenhouse gas emissions, yet it faces both droughts and torrential rain.

Questioner: It just feels unfair. The people and animals in countries that have burned hardly any fossil fuels are suffering before the countries that burned so much of them to become wealthy.

Me: It is. And simply telling local pastoralists, “Don’t take your livestock into the forest,” won’t solve the problem. If the grass and water around their villages disappear, they have no choice but to enter the forest to keep their animals alive. What’s needed isn’t a blanket ban on grazing. They need support for water supplies, grazing land, and other sources of income that allow them to raise their livestock outside the forest. And just as importantly, developed countries need to reduce their fossil fuel consumption.

Questioner: At first, it looked as though the Djibouti Spurfowl and the pastoralists were fighting over the forest. But really, they’re both being pushed into the same shrinking space.

Me: Exactly. I believe they’re both desperately trying to survive. Blaming one side in order to protect the other won’t save the forest. People must be able to keep living there, and the forest must be given the chance to recover. Only when both are possible will there still be somewhere for the Djibouti Spurfowl to survive. And I believe the responsibility lies first and foremost with those of us in developed countries—the countries that became wealthy by burning enormous amounts of fossil fuels.

Questioner: But there are only two forests left, right?

Me: Yes. The Day Forest and the Mabla Mountains. Fossil fuels burned somewhere else in the world are changing a small, distant mountain forest, slowly pushing a bird with nowhere to escape higher and higher toward the summit. And now, those two forests are the only places the Djibouti Spurfowl has left.


Thank you for sharing some of your precious time with me.

I hope that, somehow, your thoughts and compassion reach the Djibouti Spurfowl.

鶏人|Keijin

質問者:そうなんだよね。「僕たちが招いた地球温暖化」って言ってるけど、本当は、「日本などの先進国が招いた地球温暖化」なんだよね。この僕たちが暮らす先進国が招いた地球温暖化で最初に被害にあうのは、小さな生き物たちで、そのさきはもっとも弱い立場の人だったりするんだよね。

私:そうですね。気候変動の影響は、逃げられない生き物や、暮らす場所を自由に選べない人たちほど、より早く、より深刻に受けやすいものです。ジブチは温室効果ガスをほとんど排出していないにもかかわらず、干ばつと豪雨の両方にさらされています。

質問者:なんだか不公平だよね。たくさん燃やして豊かになった国より、ほとんど燃やしていない国の人や動物が先に苦しくなるんだから。

私:そうですね。しかも現地の牧畜民に「森林へ家畜を入れないでください」と言うだけでは解決しません。村の周辺から草と水が消えれば、家畜を生かすために森へ入るしかないからです。必要なのは放牧を一方的に禁じることではなく、森林の外で家畜を養える水、牧草地、収入源を支えることです。そしてここで大切なことは、先進国が化石燃料の消費を減らすことなのです。

質問者:ソマリアシャコと牧畜民が森を取り合っているように見えたけど、本当はどちらも同じところへ追い込まれているんだね。

私:そういうことです。彼らも生き残るために必死なのだと思います。なので、片方を守るために、もう片方を責めても森は残りません。人が暮らし続けられることと、森林が回復できること。その両方がそろって初めて、ソマリアシャコにも生き残る場所が残るのだと思います。そして私は、そもそも責任を問われるべきなのは、化石燃料を大量に燃やして豊かになってきた私たち先進国だと思います。

質問者:だけど、その森はもう二つしかないんだよね。

私:はい。デイ森林とマブラ山脈だけです。世界のどこかで燃やした化石燃料の影響が、遠く離れた小さな山地林へ届き、逃げ場のない一羽の鳥を少しずつ山頂へ押し上げています。ソマリアシャコに残された場所は、もう、その二つの森しかありません。


貴重な時間を、ありがとうございました。

ソマリアシャコに、その想いが届くことを祈ります。

鶏人|Keijin


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