※このページは、[IUCNレッドリスト]世界の絶滅危惧生物図鑑(2014年版)に基づいて制作した個人ブログです。
※画像はすべてAI生成(DALL·E)によるイメージであり、実際の生物写真ではありません。
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こんにちは、fukumomo3_photo です。
エビアマモ(Phyllospadix japonicus)は、
2014年、図鑑に【EN:危機】として分類されていました。
2010年、IUCNレッドリストで【EN:危機】と評価されました。
つまり、2010年から、
エビアマモは「海のきらめきに溶けゆく最後の草原」状態なのです。
※2025年時点で、IUCNレッドリストにおけるエビアマモの最新評価は2010年版です。それ以降の更新は行われていません。
この記事は、とても短く5分で読めるので、どうぞ最後まで読んでくれると嬉しいです。
※本記事は専門家による学術的な評価ではなく、公開された資料に基づく個人の調査・見解を含んでいます。
最新かつ正確な分類や保全状況については、IUCN公式サイトなどをご確認ください。
参考:https://www.iucnredlist.org/species/173341/6994909
海を壊す力、社会を変える力|ダイナマイトとAIの二面性
⬇︎エビアマモの生態です。必要に応じてご覧ください。⬇︎

| 項目 | 情報 |
|---|---|
| 和名 | エビアマモ(蝦甘藻) |
| 英名 | Asian Surfgrass |
| 学名 | Phyllospadix japonicus |
| 分類 | 被子植物/単子葉植物/オモダカ目/アマモ科/スガモ属(Zosteraceae, Phyllospadix) |
| 分布 | 日本(主に本州南部の暖温帯沿岸)、韓国、中国(河北・遼寧・山東)沿岸 |
| 主な生息地 | 潮間帯の岩場に形成される海藻床(波が強く当たる露出岩場など) |
| 葉長・幅 | 葉は長さ最大100cm、幅は最大2.5mm程度 |
| 分布域分類 | IUCNレッドリスト:絶滅危惧(Endangered, EN) |
| 保護状況 | 日本では環境省レッドリスト:準絶滅危惧(NT) |
特徴
- 成長形式:地下茎(根茎)によって拡がる多年生草本で、葉が長く細いリボン状。主に岩礁の潮間帯に固着する形で群落を形成します。
- 花と繁殖:海中での完全な受粉(完全潜水受粉)が可能な海草で、雌雄異株の構造を持ち、花序はスパテ(苞)内に複数存在します。
- 生態的役割:沿岸の海底環境を安定させ、小魚や無脊椎動物の重要な生息場所となり、沿岸生態系の炭素隔離や水質浄化にも寄与します。
生態と行動
- 分布と減少:黄海や日本海沿岸に限定された分布を有し、韓国や中国沿岸では海岸構造物の建設やアマモ類への影響により大規模に減少しています。
- 保存・回復努力:人工礁を用いた植え付け手法により、2005年には苗を用いた復元が試みられ、2年後には密度997本/m²まで回復した例があります。
- 生息域の維持困難性:波浪や潮流の強い環境下では個体が流されやすく、植栽を成功させるには構造物への確実な固定が必要とされます。
2014年絶滅危惧種:エビアマモ【EN:危機】
海洋に見られる沈水植物で黄海と日本海だけに分布している。……大規模な海藻類の養殖施設のためや、場所によっては日本における爆薬を使った漁業によって、この海藻は無くなってしまった。
出典:訳者 岩槻邦男,太田英利 / 発行者 池田和博 / タイトル「IUCNレッドリスト世界の絶滅危惧生物図鑑」/発行所 丸善出版株式会社 / 発行 2014/01/31 ©️Kunio Iwatsuki, Hidetoshi Ota, 2014
爆薬を使った漁とはいったいなんだろうと気になったので調べてみた。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 漁法の概要 | 水中に爆弾を投げ込み、爆発の衝撃波で魚を気絶・死亡させて採取する。 |
| 日本での法規制 | 水産資源保護法第5条で全面禁止。違反者には厳しい罰則。 |
| 日本での歴史 | 明治時代から対馬などで「ゲンコツ漁」として行われた記録あり。戦後は不発弾を利用し沖縄などで拡大。現在は密漁の形で残存例あり。 |
| 仕組み | 魚群に爆弾を投入 → 爆発の衝撃波で浮袋や内臓が損傷 → 一部が浮上するが、多くは海底に沈む。 |
| 魚への影響 | 多くの魚が即死・重傷。実際に回収されるのはごく一部のみ。 |
| 生態系への影響 | – サンゴ礁破壊:粉砕され再生に数十~数百年。 – 稚魚・卵・小型生物死滅:将来の資源喪失。 – 藻場(アマモ場)破壊:根こそぎ引き抜かれ、回復困難。 |
| 地域的影響 | 黄海・日本海に分布する沈水植物やアマモ場も被害を受けやすい。 |
| 養殖施設との関係 | 大規模な海藻養殖施設が設置されると、海底環境や水質の変化により天然の沈水植物が圧迫されることがある。 |
| 総合評価 | 短期的な漁獲は可能だが、海洋環境と水産資源を長期的に破壊する「極めて危険かつ非持続的な漁法」。 |
ダイナマイトや、肥料と燃料などを混ぜて作った手製の爆弾を船に積み込み、
魚が集まっていそうな場所に、火をつけた爆弾を投げ込む。
水中での爆発によって強力な衝撃波が発生する。
衝撃波は、周辺にいる魚たちの内臓、特に浮き袋を破壊。
水面に浮かび上がってきた魚を、網や手で簡単にすくい上げて捕獲。
結果、海藻が繁茂する藻場(もば)や岩場も、爆風で根こそぎ吹き飛ばされることになる。
日本では、ダイナマイト漁を含む爆発物を使用した漁業は、
1951年(昭和26年)に公布された水産資源保護法によって、全国的に明確に禁止された。
出典:水産庁:水産資源保護法
しかし、まだ世界のいくつかの地域の海では、密漁として「爆薬を使った漁業」が横行している。
⬇︎エビアマモの主な保護活動の種類です。必要に応じてご覧ください。⬇︎
今回は エビアマモ(Phyllospadix japonicus) に合わせて、海草(沿岸のアマモ類)に適した保護活動へ修正しました。
保護活動の種類と内容
| 保護活動の種類 | 内容の概要 |
|---|---|
| 生育地の保護 | 潮間帯の岩礁や砂浜沿いの生育地を保全し、海岸開発や埋立を制限 |
| 水質汚染対策 | 生活排水や農薬、化学物質による富栄養化を防止し、水質改善を推進 |
| 海洋ゴミ対策 | 海草藻場への漂着ゴミやマイクロプラスチックの堆積を減らすため、回収活動を実施 |
| 国際的な取引規制 | 国際的には希少種として注目され、保護のために流通・採集を規制 |
| 保護区の設定 | 潮間帯のアマモ場を海洋保護区や重要生態系保全地域に指定 |
| 市民・地域参加 | 漁業者や市民による藻場再生活動、ビーチクリーン、環境教育を展開 |
| 研究とモニタリング | 分布調査や水質測定、群落の再生試験を通じて長期的に生態系を把握 |
主な取り組み
- 生育地保護:岩礁や砂浜沿いのアマモ場を開発から守る
- 水質改善:生活排水や農薬流入を減らし、海水環境を改善
- ゴミ削減:藻場に漂着するゴミを回収し、プラスチック削減を啓発
- 国際保護:採集や流通を規制し、生息数減少を防止
- 保護区整備:重要なアマモ場を海洋保護区に指定
- 市民参加:漁業者や住民によるアマモ場再生活動や教育プログラム
- 調査研究:分布や水質をモニタリングし、再生実験を実施
最後に
これを読んで、どのように感じましたか?
「へ〜賢いじゃん」
と、サンゴ礁や藻場は無視?
「爆発は一瞬だけど…」
と、生態系の回復が気になりますか?
感じ方は、十人十色あると思います。
人類はさまざまな発明をして「面倒を便利に変えた」
今まで、スコップで採掘していたものが、ダイナマイトが発明され、吹き飛ばした岩や砂を重機で掘り起こす。
それは効率化の象徴なのだが、同時に「無くす」ものも多かったと感じる。
物事を善と悪の二通りに分けることは、危険だと思うがわかりやすいので調べてみた。
| 区分 | 主な内容 | 具体例・影響 |
|---|---|---|
| 善(創造の力) | インフラ整備・国土開発 | ・トンネル建設(例:ゴッタルド鉄道トンネル) ・運河開削(例:パナマ運河) ・ダムや港湾工事 |
| 資源採掘と産業発展 | ・鉱業の効率化(石炭・鉄鉱石・金など) ・建築用石材の採掘 | |
| 安全性の向上(皮肉な側面) | ・不安定なニトログリセリンの代替 ・労働者の安全確保を目的に発明 | |
| 悪(破壊の力) | 戦争・兵器化 | ・手榴弾・地雷・砲弾などの基礎 ・日露戦争などで威力を発揮 ・大量殺戮の効率化 |
| テロリズム・犯罪 | ・「アナーキストの武器」として要人暗殺や施設爆破に使用 ・金庫破り・強盗への悪用 | |
| 環境破壊 | ・ダイナマイト漁によるサンゴ礁・藻場の破壊 ・無計画な開発による自然破壊 | |
| 発明者の葛藤 | ノーベル自身の苦悩 | ・「死の商人」と非難される ・誤報記事で自らの評価に衝撃を受ける |
| 転換点 | ノーベル賞の設立 | ・富を「人類の進歩」へ還元 ・破壊の力 → 創造の力へ転換 |
これは今、AI(人工知能)の世界でも感じることである。
果たしてAIは、人類にとって「善」となるのだろうか。
人類の「面倒を便利」に変えて人類の思考を奪うのではないか。
それとも、「悪」となり汎用人工知能となり自我が目覚め暴走しだすのではないか。
科学技術の進歩は常に倫理的な問いを人類に突きつけながらゆっくりと進んできた。
けれども昨今のAIの進化は「善と悪」を人類に考える暇をあたえることなく進んでいる。
AIは人類の「創造の力」になるのか、それともダイナマイトのように「破壊の力」となるのか。
などのことを、立ち止まって考える余裕が、今の人類にあるかどうかが心配だ。
ここまで読んで、『あなた』は、どのように感じましたか?
コメントで意見を聞かせてくれると、とても嬉しいです。
あなたの貴重な命である5分間を本当にありがとうございました。
エビアマモに、あなたの5分が届くことを祈ります。
fukumomo3_photo
インスタでは、エビアマモたちの姿を“図鑑みたいに”並べて見られます。
ビジュアルで伝える命の物語、よかったらのぞいてみてください。



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