11年後のレッドリスト|ガリソンアンデスイトトンボ:忘れられた谷で、透明な羽が揺れていた【IUCNレッドリスト比較】

ガリソンアンデスイトトンボ 11年後のレッドリスト
※このページは、[IUCNレッドリスト]世界の絶滅危惧生物図鑑(2014年版)に基づいて制作した個人ブログです。
※画像はすべてAI生成(
DALL·E)によるイメージであり、実際の生物写真ではありません。
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こんにちは、fukumomo3_photo です。

ガリソンアンデスイトトンボ(Andinagrion garrisoni)は、

2014年、図鑑に【NT:準絶滅危惧】として分類されていました。

2009年、IUCNレッドリストで【NT:準絶滅危惧】と評価されました。

つまり、2009年から、

ガリソンアンデスイトトンボは「忘れられた谷で、透明な羽が揺れていた」状態なのです。

※2025年時点で、IUCNレッドリストにおけるガリソンアンデスイトトンボの最新評価は2009年版です。それ以降の更新は行われていません。

この記事は、とても短く5分で読めるので、どうぞ最後まで読んでくれると嬉しいです。

※本記事は専門家による学術的な評価ではなく、公開された資料に基づく個人の調査・見解を含んでいます。
最新かつ正確な分類や保全状況については、IUCN公式サイトなどをご確認ください。
参考:https://www.iucnredlist.org/species/158729/5274111

ガリソンアンデスイトトンボと森が教える、地球のゆくえ

⬇︎ガリソンアンデスイトトンボの生態です。必要に応じてご覧ください。⬇︎

基本情報|ガリソンアンデスイトトンボ(Andinagrion garrisoni)
項目情報
和名ガリソンアンデスイトトンボ
英名Andean Bluet Damselfly
学名Andinagrion garrisoni
分類昆虫綱・トンボ目・イトトンボ科
分布南米アンデス地域(特にペルー)
生息環境高地の湖沼や湿地、水草の繁茂する清流周辺
体長約3〜3.5cm
翅の特徴透明で細長く、オスは翅先や腹部に青い斑紋をもつ
IUCN評価VU(危急)

特徴

  • 名前の由来:発見・記録に貢献したトンボ学者 Paul Garrison の名にちなむ。
  • 体色:オスは鮮やかな青と黒の模様を持ち、メスはより地味な褐色〜淡色系。
  • 飛行:弱々しいが機敏な飛行を行い、水辺の植物にとまっていることが多い。
  • 生息のこだわり:標高の高い淡水環境に強く依存し、水質の変化に敏感。

生態と行動

  • 繁殖:水草や水辺の植物に産卵。幼虫(ヤゴ)は淡水中で生活し、小型の水生生物を捕食。
  • 成虫の生活:主に水辺を中心に活動し、小型昆虫を捕食する。
  • 脅威:農業開発による湿地破壊、水質汚染、外来種魚類の影響で個体数が減少。
  • 保全状況:局所的にしか確認されず、生息地の分断が進んでいるため絶滅リスクが高い。

2014年絶滅危惧種:ガリソンアンデスイトトンボ【NT:準絶滅危惧】

このイトトンボはこの地域でとくにめずらしいというわけではないが、生息地がせまくなったり切断されたりすると、繁栄したすがたの将来が心配される。この地域の生息地の環境劣化は水環境の変化と減少によるものであり、その原因は農地にするためや石油の探索のための森林の皆伐または選択的伐採である。

出典:訳者 岩槻邦男,太田英利 / 発行者 池田和博 / タイトル「IUCNレッドリスト世界の絶滅危惧生物図鑑」/発行所 丸善出版株式会社 / 発行 2014/01/31 ©️Kunio Iwatsuki, Hidetoshi Ota, 2014

森林の伐採が気候変動に及ぼす影響が気になったので調べてみた。

メカニズム内容(要約)影響例
1. 炭素吸収源の喪失と排出源化森林が二酸化炭素を吸収できなくなり、伐採・燃焼・分解によって炭素を放出する地球温暖化の加速、温室効果ガス排出量の10〜20%を占める
2. 水循環の変調蒸散量の減少で降水量が減少し、洪水や土砂災害も増加干ばつの発生、洪水リスク増大、土砂崩れの増加(アマゾンでは乾季長期化・雨季の遅延が観測)
3. 局地的な気候変化森林消失により直射日光で地表温度が上昇、アルベド変化で気象パターンが乱れる地域の気温上昇、気象の不安定化

森林の伐採は、気候変動を加速させる深刻な要因の一つであり、森林が持つ「炭素を吸収・貯蔵する能力」と「気候を安定させる機能」が失われることで、地球全体の気候システムに多大な影響を及ぼす。

森林の皆伐または選択的伐採は、単に木がなくなるという問題だけでなく、大気中の二酸化炭素濃度の上昇、水循環の攪乱、地域の気候変動といった深刻な影響を通じて、地球規模の気候変動を加速させる主要な原因となっている。

⬇︎ガリソンアンデスイトトンボの主な保護活動の種類です。必要に応じてご覧ください。⬇︎

保護活動の種類内容の概要
生息地の保護アンデス山脈の高地湿地や小川の環境を保護し、農業開発や水資源利用から守る
水質保全農薬や生活排水による汚染を防ぎ、水生生物が生息できる環境を維持
保護区の設定生息域を自然保護区や国立公園に含め、湿地の生態系を守る
国際的な認知希少種としてIUCN評価が進められ、保護政策の対象となる可能性がある
市民・地域参加地域住民による湿地保全活動や環境教育を通じて認知度を高める
研究とモニタリング分布調査や個体数の変動把握を行い、保全方針を科学的に支える

主な取り組み

  • 生息地保全:高地湿地や小川を農業開発から守る
  • 水質管理:農薬・排水汚染を防止し水環境を維持
  • 保護区設定:国立公園や保護区に湿地を含める
  • 国際的認知:IUCN評価を通じて保護の対象へ
  • 地域参加:住民による湿地保全や環境教育を実施
  • 科学研究:分布や個体数を調査しモニタリング

最後に

これを読んでみて、どのように感じましたか?

「切ったら植えればいいじゃん」

と、軽く感じますか?

「木の成長ってゆっくりだよね」

と、木々の成長を心配しますか?

感じ方は、さまざまあると思います。


植林された森と自然にできた森(自然林)は、成り立ちが違うため、その構造や生態系、そして気温を下げる効果にも明確な違いがある。

植林した森と自然林の違い

特徴植林した森(人工林)自然にできた森(自然林)
成り立ち人が目的をもって苗木を植えて作る(例:木材生産)種子が自然に広がり、長い年月で形成
樹種単一樹種が多く、同じ樹齢・整然と並ぶ多種多様な樹種が混在
森の構造単純で一層的。林床は暗く下草が少ない複雑な多層構造。下草や多様な植物が繁茂
生物多様性限定的。生息できる種が少ない非常に豊か。多様な生物の住処や食料を提供

気温を下げる効果の違い

仕組み内容自然林が優れる理由
日傘効果(遮光)葉が日差しを遮り、地表の加熱を防ぐ多層構造でより効果的に日射を遮断
蒸散作用水蒸気を放出し気化熱で周囲を冷やす葉の総面積が大きく蒸散量が多い

自然林が人工林より涼しい理由

要因内容
① 多層構造高木~低木・下草が立体的に重なり、日差しを遮断+蒸散面積が大きい
② 生物多様性多様な植物が異なる環境に適応し、安定して冷却機能を維持
③ 豊かな土壌腐葉土がスポンジのように保水し、蒸散に必要な水分を安定供給

簡単に言えば、自然林は「多様な植物が立体的に配置された、高性能な自然のクーラー」であるのに対し、植林された森は、機能が限定的なシンプルなクーラーと言える。

もちろん、植林された森にも日差しを遮り、一定の冷却効果はある。

しかし、生物多様性に富んだ自然林が持つ複合的で持続的な冷却能力には及ばない。


ここまで読んで、『あなた』は、どのように感じましたか?

コメントで意見を聞かせてくれると、とても嬉しいです。

あなたの貴重な命である5分間を本当にありがとうございました。

ガリソンアンデスイトトンボに、あなたの5分が届くことを祈ります。

fukumomo3_photo


インスタでは、ガリソンアンデスイトトンボたちの姿を“図鑑みたいに”並べて見られます。
ビジュアルで伝える命の物語、よかったらのぞいてみてください。

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