※このページは、[IUCNレッドリスト]世界の絶滅危惧生物図鑑(2014年版)に基づいて制作した個人ブログです。
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こんにちは、fukumomo3_photo です。
アフリカトタテグモ(Stasimopus robertsi)は、
2014年、図鑑に【EN:危機】と記載されていました。
2025年、IUCNレッドリストで【NE:未評価】。
つまり、2014年から2025年にかけて、アフリカトタテグモは
「世界はまだ知らず、南の地で滅びが迫る」状態でした。
※2025年時点で、IUCNレッドリストにおけるアフリカトタテグモの評価は未評価です。
この記事は、とても短く5分で読めるので、どうぞ最後まで読んでくれると嬉しいです。
※本記事は専門家による学術的な評価ではなく、公開された資料に基づく個人の調査・見解を含んでいます。
最新かつ正確な分類や保全状況については、IUCN公式サイトなどをご確認ください。
参考:Stasimopus robertsi の状況
都会の庭は「新種」と「進化」の最前線だった
⬇︎アフリカトタテグモの生態です。必要に応じてご覧ください。⬇︎

| 項目 | 情報 |
|---|---|
| 和名 | アフリカトタテグモ(アフリカ戸蓋蜘蛛) |
| 英名 | African Trapdoor Spider |
| 学名 | Stasimopus robertsi |
| 分類 | 節足動物・クモ綱・真正クモ目・トタテグモ科 |
| 分布 | 南アフリカ(特にハウテン州周辺の限られた地域) |
| 主な生息環境 | 乾燥した草原、サバンナ、森林周辺の地中 |
| 体長 | 約3〜5cm(メスはオスより大きい) |
| 体重 | 数グラム程度 |
| 寿命 | メス:約10〜15年、オス:1〜2年程度(繁殖後に死ぬ) |
特徴
- 名前の由来:「トタテグモ(戸蓋蜘蛛)」は、地中に巣穴を掘り、“戸”のようなふたで入り口を隠す性質に由来します。
- ふたつきの巣:地中に円形の巣穴を掘り、蓋には土や枯葉を混ぜてカモフラージュされている。
- 頑丈な体:がっしりとした体と短い脚をもち、光沢のある黒褐色の外見。
- 毒の強さ:毒はあるが、人間には基本的に無害とされています。
生態と行動
- 待ち伏せ型捕食者:巣穴のふたの内側に脚をかけて待機し、獲物の振動を感知して一瞬で飛びかかる。
- 食性:主に昆虫や小型節足動物などの無脊椎動物を捕食。
- 繁殖:交尾後、メスは巣の中に卵のうを産み、ふ化した子グモはある程度まで巣内で過ごす。
- 分布が極めて限定的:Stasimopus robertsi は南アフリカの一部のみに生息し、局所固有種として知られています。
2014年絶滅危惧種:アフリカトタテグモ【EN:危機】
ここ数年の間は、発見地は庭のみではあるが、変異の著しいおそらく別種と思われるものも確認されている。
出典:訳者 岩槻邦男,太田英利 / 発行者 池田和博 / タイトル「IUCNレッドリスト世界の絶滅危惧生物図鑑」/発行所 丸善出版株式会社 / 発行 2014/01/31 ©️Kunio Iwatsuki, Hidetoshi Ota, 2014
| 項目 | 内容 | 補足 |
|---|---|---|
| 関連する重要論文 | Engelbrecht & Prendini (2012) | Stasimopus属の隠蔽多様性(Cryptic Diversity)を示した研究 |
| この論文で行われたこと① | Stasimopus robertsi の再記載 | 既存のS. robertsi をより正確に定義し直した |
| この論文で行われたこと② | Stasimopus 属の新種3種を記載 | Gauteng州・North West州周辺で発見された別種群 |
| この論文の核心 | 「隠蔽多様性」=見た目は似ているが別種が潜む | 外見が似ていても遺伝的には別物が存在 |
| 2014年図鑑の記述内容 | 「庭などで見つかる変異個体は、別種である可能性」 | 2012年研究の知見を反映していると考えられる |
| 2014年以降の新種記載状況 | 新しい正式な学名の付与は確認されず | つまり、“庭で見つかる別種” はまだ 未記載種 の可能性が高い |
| なぜ新種として記載が進まないのか | 分類が非常に難しい・成体オスの採集が困難 | トタテグモ類は形態差が微妙で、判別が難しい |
| 現時点の扱い | 研究者間では別種の可能性として認識されつつ、正式名は未定 | 保全活動と基礎研究が並行中 |
2014年時点で「庭で発見される別種らしき個体群」が認識されていた事実は重要である。
しかし、その後(2025年現在まで)に、それらが「いくつの種として確定されたのか」あるいは「どのように新種として正式に記載されたのか」という具体的な進展については、公表された情報の中では確認することができなかった。
| 保護活動の種類 | 内容の概要 |
|---|---|
| 生息地の保全 | 草原やサバンナの土壌環境を保護し、開発・農地化・放牧圧からの劣化を防ぐ取り組みを実施。 |
| 生息地破壊の規制 | 採掘、道路建設、都市拡大による地表撹乱を制限する土地利用計画を推進。 |
| 国際的な取引規制 | ペット目的の乱獲に対して流通・輸出管理を強化。必要に応じて CITES 登録検討段階の議論が進行。 |
| 保護区の設定 | 固有分布域(特に南アフリカの局所地域)において保護区・自然保全区の整備を促進。 |
| 市民・地域参加 | 地元住民が巣穴が多い区域を地図化し、開発計画との調整に協力する「市民科学」活動を支援。 |
| 研究とモニタリング | 巣穴密度、生息範囲、繁殖成功率、遺伝的多様性を調査し、再評価と保護方針に反映。 |
| 教育・普及啓発 | ペット取引や誤解(「危険な毒グモ」など)を正し、地域での認識向上を行う教育プログラムを展開。 |
主な取り組み
- 生息地保全:草地・低木地帯の自然状態を維持し土壌攪乱を抑える
- 土地利用管理:採掘・農地化・道路開発による生息環境の破壊を制御
- 取引規制の強化:ペット市場向けの採集を制限・監視
- 保護区整備:局所的な分布域を優先地域として保全対象に設定
- 市民科学の参加:住民による巣穴調査・地図化
- モニタリング研究:生息密度変化と遺伝的多様性の追跡
- 教育活動:学校や地域団体向けの環境教育・認識改善活動
最後に
これを読んでどう思いましたか?
「いま私たちが“知っている種”って、実はほんの一部にすぎないんだよね。そう考えると、別の種が都会の庭で見つかったって、全然不思議じゃないよね。」
…まさに、その通りなんです。
ひょっとしたら、どこかの庭から“スパイダーマンになれそうな毒を持つクモ”がひょっこり現れる、なんて可能性だってゼロじゃないのかもしれません。
そのあたり、もう少し深く追いかけてみますね。
| 観点 | 説明 | 具体例 |
|---|---|---|
| 1. 都会で新種が見つかることがある | 都市開発によって自然が部分的に残され、「緑の孤島」に生物が取り残されることがある。その中に未記載種(新種)が含まれる可能性がある。 | トタテグモの例: 2023年、オーストラリア・ブリスベンの都市近郊で巨大な新種 Euoplos dignitas が正式記載された。 日本の例: 皇居や都市公園の調査で、未知種・希少種が発見されるケースがある。 |
| 2. 都市は「進化」の最前線になっている | 都市は地方と全く異なる環境(高温、光害、乾燥、化学物質など)。そのため、都市に住む生物は「都市に適応した別の特徴(進化・変異)」を獲得しやすい。 | 活動時期の変化: 都市のガやチョウは、冬眠に入る時期が地方の個体群より遅くなるように進化した例が報告されている。 耐性の進化: 都市部のミジンコは、地方よりも高温・農薬への耐性を持つように適応進化していることが確認されている。 |
出典:「A genomic perspective on urban adaptation」(都市適応に関するゲノム的視点)
都会の庭は、単なる「自然の残存物」ではなく、隔離された環境において新種が人知れず生き延びている可能性を有し、また人間が形成した新たな環境に対して生物が適応しつつ「進化」を進行させている最中の、極めてダイナミックな場であると言える。
「エアコンの室外機の風とか、下水道の片すみとか……そんな場所でだって、新しい種が今まさに生まれているのかもしれないね。」
私たちは、どうしても人間を中心に世界を見がちだけど、実際には私たち人類より、はるかに多くの種が地球には暮らしているんですよね。
しかも、人間ではとても生きられないような環境でも、平気で適応して暮らしている生きものたちがたくさんいる。
だから、いろいろな生きものを知って、その生き方を理解することって、すごく大事だと思うんです。
そうすることで、気候変動の時代に、私たち人間がどう生き残っていくか、そのヒントが見えてくるのかもしれませんね。
ここまで読んで、『あなた』は、どのように感じましたか?
コメントで意見を聞かせてくれると、とても嬉しいです。
あなたの貴重な5分間を、本当にありがとうございました。
アフリカトタテグモに、あなたの5分が届くことを祈ります。
fukumomo3_photo
インスタでは、アフリカトタテグモたちの姿を“図鑑みたいに”並べて見られます。
ビジュアルで伝える命の物語、よかったらのぞいてみてください。



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